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34.夜になりました。2

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お風呂に入るのが怖くなった俺のために、脱衣場に藍月くんが居てくれることになった。年下の男の子にこんなことさせて、本当に情けない…。

俺の為にしてもらっているのだけど、ずっと声をかけられるのは少し恥ずかしかった。

「リンさーん、俺ここに居ますからね!大丈夫ですよー」とか、「なんか水音ってちょっとエッチですよね!」とかそんなことを俺に聞こえるように大きめの声で話していた。

「藍月くん、もう上がるから大丈夫、ありがとう」

「はーい!じゃあ、ドライヤー持って待ってます!」

…これは…また髪を乾かしてくれるってことか?してくれるなら、してもらおうかな。この間してもらったときも気持ちよかったし。

脱衣場から藍月くんが出たことを確認して、お風呂場のドアを開く。置かれていたタオルで、適当に身体を拭いて、予め持ってきた、自分のパジャマを着る。この間泊まらせてもらうときに使った歯ブラシをそのまま置かせて貰っていたので、それを使って歯を磨く。

待っていてくれるらしいので、手早く済ませてお風呂場を出る。

「こっち座ってください!」

「うん、ありがとう」

「はい!」

ドライヤーの温かな風と、優しく触れてくる藍月くんの手に心地よさを感じながら、乾くまでの短い時間を過ごす。

「ありがとう、藍月くん」

「はい!でも俺がやりたくてやってるので、気にしないでくださいね?リンさんの髪ふわふわして手触りいいんですよ!」

「そう?ありがとう」

「そうです!ふわふわして可愛いです!」

「…っ…また…すぐ可愛いとか…」

「本当に可愛いんですもん!」

「…やっぱり藍月くんは目が変だと思う」

「酷いです!もー…そんなこと言うリンさんにはアイスあげませんよー?」

アイス!食べたい…藍月くんデザートまで準備してくれたんだな。

「え…くれないの?」

「…あげますよ!冗談です!」

「ありがと!」


_______________

リンさん、アイス好きなんだな…くれないのって首傾げて、上目遣いで見つめてきて…あんなのズルい…可愛すぎて…

そういえばこの間一緒に寝たけど、今日も一緒に寝てくれるのかな?

今日見たホラー映画よっぽど怖かったみたいだし、多分一緒に寝てくれるはず…まぁ…他には寝る場所ないんだけど。

もぐもぐとアイスを幸せそうに食べるリンさんを見守る。リンさん甘いの好きみたいだもんね。買っておいてよかった。


「リンさん、寝るとここの間と一緒で良いですよね?」

「あ…えっとうん、いいよ。」

「じゃあ眠くなったら言ってね?」

「うん…」

んー?もう目がとろんとしてるかも…。もう眠くなっちゃたかな?今日は朝から会ってたしね。

それほど時間を置かずにリンさんから声がかかる。

「藍月くん…寝る」

「うん、じゃあベッド行こう?」

「ん…」


明かりを落として、リンさんとベッドに移動する。ベッドに入ってすぐに寝息が聞こえてくる。リンさんはすぐに寝てしまったらしい。

その寝顔を見ながら、ふと、薄めの唇に触れたい衝動にかられる。キスしたいな…。リンさん可愛い。

勝手にするなんて、駄目だよなぁ…。口付けてしまいたい気持ちを押し込めて、そっと指で唇にふれる。伝わってくる柔らかさと暖かさ。

リンさん…好きだよ…大好きだから。ずっと俺のこと見ててね。おやすみ。





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