推しアイドルに認知されてました!

おーか

文字の大きさ
62 / 104

61.お出迎えしました。

しおりを挟む



藍月くんが出かけていってしばらく寝ていたけれど、たくさん休息したからか身体も動ける程度にはなっていた。

まだ藍月くんが帰るまでには、時間があったのでとりあえず、冷蔵庫の中を確かめさせてもらう。うーん…今日の晩御飯くらいの食材はありそう。ご飯炊いておこうかな。

明日は大学とバイトか。彼方にも会うし、ちゃんと話聞かないとな。暇だー…大学の課題やっておくか。藍月くんが帰ってくるまで課題をやったりしながら時間を潰した。

がちゃ

お!帰ってきた!出迎えるために玄関まで行く。靴を脱いでいる藍月くんに声をかける。

「おかえり、藍月くん」

「ただいまー!!リンさん!お出迎え嬉しいです!」

ニッコリ笑顔の藍月くんが俺に抱き着こうとして近づいてくる。それを避けて部屋の奥に逃げる。近寄った時に香ったのはおそらく女の人の香水の香り。藍月くんがつけるようなものではない事だけは、確信できる甘い香りだった。

なんで…?仕事に行って香水の匂いが付くくらい接近したってこと?もやもやした気持ちになって、リビングに戻る。呼び止める藍月くんを無視して、自分の荷物を引っ掴んで、玄関に直行する。

「え?リンさん!?待ってください!」

「ごめん…」

「え?どこ行くの…!?やだ!待ってリンさん!!」

靴も履かないままの藍月くんに追われて捕まって、少し頭も冷える。藍月くんに嫌われて浮気されたとかじゃないのは、わかってるけど悲しい気持ちが消えない。

藍月くんが側にいることで、藍月くん自身の匂いに混じった匂いがまた鼻をくすぐる。勝手に流れる涙が止まらない。

「えぇっ!!リンさん!?とりあえず、家入ろう?」

「…うん…」

「…えっと…俺何かしちゃったかな…?頑張って直すから…捨てないで…?」

「とりあえず、お風呂入ってきて…それまで近づかないで…」

「はい!」

ぱっと俺から離れた藍月くんがバタバタとお風呂場に駆け込んでいく。俺は俺で立ち直れないまま、体育座りでクッションを抱きしめて、うずくまっていた。

割とすぐに上がってきた藍月くんに後ろから抱き締められるまで、そのままでいた。

「リンさん…嫌な思いさせてごめんね。」

「うん…」

「あのね?今日女アイドルと共演で…断ってるのにしつこく絡まれて…それで匂い移ってたみたい。ごめんね…」

「そっか…」

藍月くん格好いいもんね…そりゃモテるよね。それでも実際にそれを実感してしまえば、より濃く女の人の気配を感じた。

「はぁ…癒やされる…リンさんに会いたかった…。」

「うん…」

「ねぇ、お帰りのちゅーしてくれますか?」

「ん、する」

それでも今は俺の藍月くんだ。何もなければ頬にキスするくらいだっただろう。でも、香水の匂いに気が立っていて、唇にキスを落とす。

「ん…えへへ!ありがと!リンさん、よし!ご飯食べましょうか?」

「うん!」



_______________
お気に入り、ブックマーク、感想などありがとうございます!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

処理中です...