推しアイドルに認知されてました!

おーか

文字の大きさ
101 / 104

99.ツアーファイナル2

しおりを挟む





会場内の電灯が消え、いよいよライブが始まるという期待感に観客も静かになる。もちろん俺も久々に観客としてライブに参加しているので、楽しみでならなかった。

アナウンスで注意事項や避難路の案内などがあり、ついにライブが始まる。舞台上に注目していれば、前の方にいる観客から歓声があがる。その直後、ライトが点灯し、alfalfaの姿を照らし出す。彼らの背後にある巨大画面に彼らの顔が映る。

みんなのきゃーきゃーと騒ぐ声は右から左へと抜けていき、俺の目は藍月くんに釘付けになる。ライブは、一瞬だった。藍月くんに夢中になっている間にラスト一曲になっていた。

最後の曲の前、藍月くんと目があった気がした。だいぶ距離があるはずなので、確証はないがこちらに視線を向けたのは確かだ。そして、例のバキューンポーズをした。前にも見たことのあるものだ。

「次で最後の曲です!!改めてライブに来てくれてありがとう!!大好きです!!最後まで魅了するから、楽しんでいってね!」

「ラストー!!盛り上がって行こう!!みんなのこと楽しませてみせるから、僕から目を離さないでね!」

「俺達にもっと深くハマらせてやるよ。ラストまでちゃんとついてこいよ!」

「「「「「キャー!!」」」」」

騒いでいた観客たちも、曲が始まると曲にあわせてライトを振る。俺も最後まで目一杯応援しようと、彼らを見守る。関係者席で騒ぐと、周りをびっくりさせてしまうので、自分を抑えて、心の中で頑張れと唱える。

ラストの曲に選ばれたのは、alfalfaの最初の曲だった。藍月くんと出会ったときに歌っていた曲だ。ファンの間でも、彼ら自身にとっても特別な一曲と言えるだろう。

昔見た光景と重なるものの、あの時よりもずっと研ぎ澄まされた動きで踊っていた。歌声も以前より伸びが良い。藍月くん頑張ったんだな。そのことが自身の中の記憶と比べることでよくわかった。

静かに曲が途切れる。あぁ…もう終わってしまった、という喪失感と最高のライブだったという高揚感。ライブの余韻に浸りながら彼らが舞台上からいなくなるのを見ていた。

キラキラ笑顔で、手を振って姿が見えなくなった。興奮冷めやらぬ会場内に、ライブの終了のアナウンスが流れる。観客たちも入り口近くの人から、段々と出ていく。段々と人がいなくなる会場を、上から見ていた。みんな笑顔で出ていく。alfalfaのライブでみんな楽しめたのだろう。やはり彼らは凄い人たちだ。こんなにも多くの観客を笑顔にしてしまえるのだから。

「おーい、そろそろ行くぞ」

「あ、はい」

「楽屋行くか。打ち上げあるからな」

「そうですね。」








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

処理中です...