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しおりを挟む自主開催パーティーを終えて、藍くんたちともより仲良くなれたと思う。そこで一つ聞いてみようと思う。秋夜さんは片付け手伝って皿洗ってくれてるし。
「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど、秋夜さんってどんな人?」
「どんな?冷たい感じの人だな。そもそも俺らは下っ端だからな。ほとんど知らねぇよ。」
「そっか。藍くんは?」
「俺も知らないよ」
「そっかぁ…じゃあ次!俺、部屋のダンボール開けなくていいって…片付けすんなって言われたんだけど、なんでだと思う?」
「あぁ?なんだそれ…わかんねぇ…」
「茜ちょっと」
藍くんが茜くんを引っ張って二人でコソコソと話し始めた。俺からは何も聞こえない。
「茜、余計なことは言うなよ。」
「はぁ?」
「すぐに番になるから、如月はどうせすぐに引っ越すことになるから荷解きするなってことだろ。多分。」
「あー…なるほどな。」
「ねぇ!意味わかったの?」
「さぁなわかんねぇよ」
「えぇっ!!絶対嘘でしょ!教えてよ!ねぇ!」
思わず藍くんたちに詰め寄って、聞いていた。思ったよりも近づきすぎていた距離に思わずそのまま固まった。
その瞬間後ろから、危険な雰囲気を感じた。つい数時間前始めて知った威嚇フェロモンだ。後ろにいるのは、秋夜さんだけだ。
このフェロモンは、秋夜さんのもの?でも…さっき始めて威嚇フェロモンを感じたときは…怖くて怖くて仕方なかった。でも…秋夜さんのフェロモンは…怖くない?でも…俺の前の二人はガタガタと震えている。顔も真っ青だ。
振り返って秋夜さんを見る。綺麗だけれどその表情の抜け落ちた顔は、恐ろしいまでに冷酷な雰囲気を感じさせた。始めて秋夜さんのそんな一面を見た。とは言ってもたかだか数日しか一緒にいないから、見たことのない面のほうが多いに決まっている。
「秋夜さん?」
「こっちおいで」
言われるがままに近寄る。秋夜さんの腕の届くところまで来ると優しく引き寄せられた。
「どうしたんですか?怒ってるんですか?」
「怒ってる」
「でも…二人が可哀想です。フェロモン収めてくれませんか?」
「あの二人がそんなに大事?」
「えぇと…学園の初めての知り合いですから…」
「ふぅん。俺とアイツらどっちが大事?」
どっち…難しい質問だ。どちらも俺がぼっちを避けるためには必要な方々だ。うぅん…色々常識なども教えてくれる藍くんたち。ご飯を一緒に食べてくれる秋夜さん。
「どっちも大事です」
「ふぅん。」
「秋夜さん拗ねてるんですか?」
「…」
秋夜さんにぎゅっと腕を回してみた。すると秋夜さんの腕も俺の背に回った。お、正解だったか?そのままでいると少しずつフェロモンが薄れていくのを感じる。
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