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しおりを挟む先にお風呂に入らせてもらい、次に秋夜さんがお風呂に行ったので、ソファで秋夜さんが戻ってくるのを待っていた。先に寝てもいいって言われたけどそれでは秋夜さんを寝かせられないからね。
考えてはみたけど、秋夜さんを寝かせるってどうすればいいんだろ…。なんとかなると思ってたけど、これって実は難題だよなぁ。リラックス出来れば寝れるよね。
スマホで調べてみるかな。よく眠れる軽い運動、飲み物、音楽…果ては添い寝…本当かよ…。とはいえ信じて試してみるしかないよね。頑張ろ。
検索したりしているうちに秋夜さんもお風呂から戻ってきた。
「秋夜さん、今日は俺が絶対寝かせてみせます!!」
「寝かせてくれんの?ふーん、じゃあ同じベッドで寝るってこと?」
おお?なんだかあやしい雰囲気の笑みだ…ドキッとしたぁ…でもこれはアレだ。からかってるやつだ…うん…。絶対顔赤くなった…
「え?えー…それは…うーん…」
「違うの?」
「えっととりあえず色々試してみましょ!」
「何を?」
「調べたところによると、軽い運動みたいなことをするといいらしいんです!やってみましょ!」
「えー…」
いやいやながらも、付き合ってくれた秋夜さんに運動させたり、落ち着く音楽を聞かせたりしてみたものの…全ッ然効果なさそうなんだけど!?やっぱりネットの情報をあてにしたのが悪かったのか?
「もういい?」
「ええと…最後に添い寝ってあったんですけど…俺と寝るとか嫌ですよね…」
「嫌じゃないよ。ってか最初から俺そう言ってるでしょ」
「えぇ?あー…言ってたかも…」
さっきのアレ、からかってるだけだと思ってたけど案外本心だったのかな?
「早くして、俺だって寝たいんだから」
「あ、はい」
早くしろと急かされて、勢いでベッドに上がってしまったけど…あれ?これ拙くない?だって…俺達仮にもαとΩだし…俺は発情期安定してないし…。とは言っても、もう秋夜さんの腕の中にガッチリ拘束されている。今更逃れられる気がしない。
本当にこれで秋夜さんを寝かせられるんだろうか?少し見上げれば、秋夜さんは目を瞑って…ってもう寝てないか?すやすやと寝息が聞こえるんだけど…。いや、寝れたのならいいのかなぁ?これが目標だった訳だし。
俺も寝よう…
でも腕の中で寝れるのか?こんなにドキドキしてんのに…秋夜さんの匂いに包まれてて…なんかへんな気分になりそう。いい匂いすぎるんだよな、秋夜さん。
結局、あのあと俺もすぐに眠りについていた。ぐっすり眠って、朝スッキリ起きた。隣では、先に起きていたらしい秋夜さんがこちらをじっと見つめていた。
「うひゃ!」
「ふ…あははは!変な声出すなよ…」
「だってすっごい見てるからびっくりして!!」
「んー…可愛いから見てた」
「そういえば寝れたみたいで良かったですね!」
「ん、香夜のおかげ。ありがとね」
「いえ、俺はなにも…でもお役に立てて良かったです!」
「これからも一緒に寝てくれない?」
「え…うーん…いいですけど…」
「ありがと、じゃあこの部屋に引っ越そっか?」
「え!?でも…俺がいたら秋夜さんの番とか…」
「大丈夫」
「ええ?」
「大丈夫だから」
「はぁ…」
「ね、ダンボール開けなくて良かったでしょ?」
「……たしかに…?」
俺、本当に秋夜さんの部屋に引っ越すのか?でも…一緒に住めるのって番だけなんだよな?いいのか?
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