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しおりを挟む学校が始まってしまえば、夏休みの間のようにずっと一緒というわけにはいかない。秋夜と離れている時間も多くなる。例の転校生は、秋夜と同学年で同じクラスにやってきたらしい。ひと目も憚らずに秋夜にくっつこうとしているのを見た人も多いようだ。
秋夜は拒否しているみたいだし、基本的に教室にも行かない。けれどそんな秋夜を追い掛け回しているようだ。GRACEの面々には認められていないので、溜まり場には入れてもらえず、入口前に居座っているらしい。そのため、俺も暫くは近づかないようにと言われている。
俺達のことを知っているGRACEの面々が窘めてくれたようだが、全く効果なしだったようだ。因みに婚約者を名乗っている彼は、伝え聞くにとても美しい容姿をしているようだ。それに家柄もいいらしい。その為、そういった者を好むrionからは応援されているようだ。
未だに一度も会っていないし、見かけたこともない。それだけ俺の周りが気を回してくれている。特に鳴海は情報収集に長けているから、鉢合わせを避けてくれている。
もうそんなこんなで彼がやってきてから2週間ほどだ。その間、秋夜との昼ごはんも駄目になったし、会えるタイミングを減らされて本当にキツい…。
「はぁ…」
「かぐちゃん…大丈夫?ご飯ちゃんと食べてる?」
「うん…ご飯は食べてる」
「そっか…体調は?」
「んー…別になんてことはないけど…ちょっとだるい」
「副総長呼ぶ?」
「ううん…余計なのが着いてくるから…」
「そっか…」
「家でなら一緒に居れるからまだ大丈夫」
「そうだね。でも限界だったら言ってね。僕の全力を持って排除してあげるから!!」
「うん、ありがと鳴海」
鳴海の全力はちょっと怖いけど、それだけ思いやってくれる友達がいてくれるだけで救われる。最近はなんだか疲れやすい気がする。ストレスなのかな…?授業を終えた俺は早々に帰宅して秋夜が帰ってくるのを待つ。
「秋夜!!おかえり!」
「ん、ただいま。お風呂行ってくる。一緒に入る?」
「いいの?」
「いいよ。香夜ならいつでも歓迎」
「じゃあ入る」
「ん」
まるで飼い犬のように帰宅した秋夜に飛びつく俺。軽々と受け止められて、ワシャワシャと撫でられる。うん、落ち着く。けど、例の転校生のものであろうフェロモン臭いがして不快だ。転校生が来てから秋夜は帰宅早々お風呂に直行するようになった。よっぽど嫌らしい。俺も嫌だけどさ。
「秋夜、洗ってあげる」
「ん?ありがと。あとで香夜も洗ってあげるね」
「うん」
イチャつきながらお風呂に入り、お互いの匂いだけになってようやく落ち着く。ふぁぁ…いい匂い…秋夜の膝に跨って首筋をスンスンと嗅ぎまくる。若干の変態臭さは拭えないが、これが一番落ち着くのだ。秋夜もまた俺の首筋に頭を埋めているからお互い様だと思いたい。
「秋夜…俺学校で会えないの寂しい…」
「ん、そうだね…なんとかするから少しだけ待ってて…ごめんね」
「ううん…わがまま言ってごめん。大好き秋夜」
「俺も」
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