黒豹拾いました

おーか

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コクヨウと温泉特有の硫黄の香りがする街を歩く。初めて見る建築様式で、木造の建物のようだ。今まで見てきた街は石造りやレンガ造りだったので、なんとも独特な町並みが新鮮に感じられる。2階建ての建物が精々で、それ以上の高層階の建物は見られないようだ。歴史を感じさせる建物が情緒があって、歩いているだけでも愉しい。

「いい街だな。」

「うん、そうだね。ねぇ、手繋いでいい?」

「いいぞ。」

「ふふっタカミが優しい」

「いつも優しいだろ。」

「うん。」

街を歩く人の中には独特な服装を着ている人が見受けられる。あの服は何なんだろうな?このあたりの服なんだろうが。袖のある布を羽織り、前で交差させて紐で止めているらしい。どこかで1枚入手してコクヨウに着せてみたい。きっと似合うはずだ。

「なぁ…コクヨウ、あの服着てみねぇか?」

「ん、タカミも着てくれるなら良いよ。」

「俺もか?まぁいいが。お前、あれ似合いそうだからよ。」

「そう?タカミがそう言うなら買おうかな?」

「買うのか?」

「だってそしたらいつでもタカミに見せてあげられるよ?」

「たしかに?一着ぐらいあってもいいかもな。」

その服が沢山吊るされている服屋に入り、様々な柄や色があって選ぶのも楽しそうだな。店主によるとその服は浴衣と呼ばれるものらしい。コクヨウに似合いそうなものも沢山あって迷う。

「タカミ、タカミ!!これ良くない?」

「ん?赤と黒…派手じゃないか?」

「ええ!絶対に似合うよ!」

「そうか?コクヨウはこれなんかいいんじゃないか?」

「うん、良さそう!タカミが選んでくれたならなんでもいいけどね!」

「ふふっそうか。なら早速着付けてもらえ。着るの難しいみたいだからな。」

「はーい、じゃあタカミはこれね!」

「おう」

俺が選んだのは真っ黒な生地に紫の花柄が足元にだけ入っている。シンプルだが上品でいい。黒髪を持つコクヨウには似合うだろうと思っていたが、実際に着ているところを見ると、やはり良い。尻尾を通すところがないので少し窮屈そうだが。

普段見えない胸元が見えて、そこはかとなく色気を感じる。ちょっとエロい…。けど、格好いい。我ながらセンスは悪くない。いや、コクヨウが何着せても似合うだけか。

「どう、かな?」

「ふっ格好いいぞ。コクヨウ」

「!!格好いい?格好いい?えへへー」

「ん、格好いい。俺も着てくるな。」

「うん!」

コクヨウが選んでくれたのは、黒地に赤がアクセントとして加わっている。色のセンスが良いよな。店主に着付けて貰ったが、一人で着るには練習がいりそうだな。

「どうだ?」

「タカミも似合ってる!格好いい!可愛い!」

「ふっそれは良かった。んじゃこのまま、デート行くか。」

「うん!えへへ!楽しいね!」

「そうだな。コクヨウ」

金を支払って、浴衣を着たままで店を出た。今まで着ていた服はコクヨウが回収した。コクヨウの手を取りそのまま街に繰り出した。





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