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171.魔術学園1年生7
しおりを挟む魔道士になる面々は体術が弱いことが多い。その為接近されるとすぐにやられてしまったりする。それを克服するためなのか、魔術学園では近接戦闘の必修科目がある。体術、剣術、短剣術などから一つ選択式で受けることになっている。
俺は一応剣術の授業にした。ククルは俺と一緒で剣術、ウェネルは体術らしいので別れた。
「ククルは剣術得意なの?」
「ああ、そうだな」
「へぇ。俺は短剣とかなら扱えるんだけどなぁ」
「短剣か。ナルアの体格なら妥当だな。」
「投げるのも得意だよ?」
「多彩な攻撃手段があるのはいいな。」
「でしょ!どんな授業なんだろ?楽しみ!」
「新しい先生が来るらしいぞ。」
「そうなの?」
「ああ、この間の授業までには間に合わなかった様だが、今回からは新しい先生が担当すると聞いている。」
「へぇ…」
先生変わるんだなぁ…って軽い気持ちで訓練場にやってきたんだけど…そこには大柄な後ろ姿。見知った後ろ姿だ。
「うぇぇ!?ツェルトさんだー!!なんでいるの?」
「お?おう!ナルアか。俺は剣術を受け持つことになった先生ってやつだ。よろしくな!」
「ツェルトさんが剣術教えるんだ?っていうかなんで教えてくれなかったの?」
「ははっびっくりさせたくてよぉ!」
「びっくりしたよ!」
「おう、いい反応だったな!ははは!」
「もー!」
近寄っていくと抱き上げられて子供のように高い高いされた。俺が驚いたのでツェルトさんは楽しそうだ。
「おい、ナルア知り合いだったのか?」
「うん!ククル、ツェルトさんです!」
「はじめまして、ククルだ。」
「おう、よろしくな。」
一緒に来たククルを置いてけぼりにしてしまっていた。ツェルトさんが学園に居てびっくりしたのと、嬉しいのでテンションが上がってしまっていた。
「ナルア、授業の最初で俺と模擬戦な?」
「うん、魔法は?」
「有りでいいぞ。」
「よし!成長したところ見せるからね!」
「随分仲が良いようだな。」
「あー、うん。小さい頃からお世話になってるからね!」
「だな、こーんなチビの頃から見てきてっからな」
そう言って人差し指と親指で小さな隙間を作るツェルトさん。
「もー!!そんなに小さく無いもん!」
「ははっそう怒んなよ?」
ツェルトさんとじゃれ合って授業開始時間まで過ごした。時間になると真面目な指導者としての顔になったツェルトさん。騎士団の指導もしていたんだもんね。魔道士は体力面貧弱だから、騎士団員と同じように教えるとはいかないだろうけど。
「まぁ取り敢えず俺の実力見せねぇと、教えられる側も納得出来ねぇと思う。ナルア、相手しろ」
「はーい」
生徒を下がらせて模擬戦だ。ツェルトさんは体格が良いし、力も強い。剣を合わせるような激しい接近戦では勝ち目はない。出来るだけ距離を取りつつ、短剣や魔法を遠距離から打ち込んでいこう。
弾幕レベルで魔法打ち込んだんだけどなぁ…?
魔法対策で結界張るだろうからって、物理攻撃の短剣も投げ込んだのに…完全に見切られてる。むぅ…流石ツェルトさんだな。
うぇぇ…距離詰められた。まずい!!
手に持っていた武器を飛ばされて、降伏する。
「はい、俺の勝ちな!」
「むぅ…ツェルトさん強いよぉ」
「ははは!流石にまだ負けてやれねぇなぁ?でも強くなってたぜ」
「ホント?やったー!」
「ウェンとテスラの弟子なだけあるぜ。」
「んふふー!」
「まぁ、俺の実力はこんなもんだ。まぁ見ただけじゃ納得出来ない奴もいんだろ。戦ってみたいって奴がいりゃあ、今からやろうぜ。誰でも来い。なんなら複数でかかってきてもいい。」
そうツェルトさんが言うなりククルが切りかかる。
「頑張れーククル」
「おい!俺を応援しろよナルア」
「ありがとな」
「だって悔しいんだもん!」
「ふははっ!そりゃあ仕方ねぇな」
暫く剣を交えていたけど、流石に竜人のククルでも筋骨隆々なツェルトさんには力負けするらしい。その後も剣戟が響く。んー…またツェルトさんの勝ちかー…
「ふぅ…負けたな。」
「まけたねー…」
「まぁ、それでこそ教わる価値があるというものだ」
「確かにそうだけどさ。ツェルトさん強すぎるよー」
「はははっ!伊達に鍛えてねぇからな。ナルアは細っこいからな。もうちょっと鍛えような」
「はぁい…」
その後もツェルトさんに向かっていく面々がいたが、誰一人としてツェルトさんに膝をつかせることは無かった。そんなこんなでツェルトさんの初回授業が終了した。
「次からは初心者向けに剣の握り方からやってくからよ。つっても出来る奴にはどんどん次のことやらせる予定だ。まぁそんな感じで頼むわ。今日はこれで終わりだ!お疲れ!」
「「「「「ありがとうございました」」」」」
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