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第4章 錬金都市アラストと知り合いだと思いたくない知り合い
第28話 アラスト到着と、不穏な視線
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錬金都市《アラスト》。
石造りの街路と高く伸びた煙突、複雑に組み合わされた歯車装飾。
空には時折、浮遊装置で動く輸送船が通り過ぎる。
錬金術と魔術技術が融合したこの都市はまさに人の叡智の結晶だった。
「わぁ……!ご主人様、あれ見てください!煙突から出てるの、蒸気です!蒸気っ!」
ルーナが目を輝かせて飛び跳ねる。
白銀の髪が陽光に照らされまるで光の糸のように舞い上がった。
隣を歩くガルドは苦笑する。
「ルーナ、落ち着け。初めての街だし、目立ちすぎると……」
その言葉が終わる前に、周囲からの視線がすでに集まっていた。
人々は三人の姿を訝しげに見つめる。
特にルーナとルージュ――白銀の髪に紅の瞳という非凡な容姿はこの街では異質すぎた。
「……あれは、どこかの貴族の使い魔か?」
「いや、あんな容姿の亜人族は見たことが……」
街の雑踏に混じって、小声での噂が飛び交う。
ルージュは冷静な面持ちで前を歩きながら、淡々と呟いた。
「ガルド様、この街は『よそ者』に対して一定以上の警戒反応を示します。特に、魔術的特徴が明確な者には厳しい目が向けられるようです」
「……つまり、俺たちの見た目がかなり目立つってことだな」
「え、私はただかわいいだけですけど!」
ルーナが胸を張ってニコニコしている。
「……そういうとこだぞ、ルーナ」
と、そんな軽口を交わしていた矢先。
「おい、そこの小娘!何してやがる!」
市場の一角で怒号が響いた。
見れば、露店の前でルーナが小さな瓶を手にして首をかしげている。
その前に、顔を真っ赤にした店主が腕を組んで仁王立ちしていた。
「あっ……!これ、手に取っただけなんですけど……?」
「商品に勝手に触るんじゃねぇ!値踏みでもしてたのか!?どこの国のもんだ!」
周囲の客がざわめく中、すぐに近くの警備兵が駆けつける。
「おい、問題でも?」
「こいつが盗み見たいな真似しやがったんですよ!こちとら錬金材料扱ってるんです、扱い間違えば爆発もあるんだ!」
警備兵が鋭い目つきでルーナに近づく。
「おい、お前、名前と所属を言え。市民じゃないな?」
「え、えっと……ご主人様と旅してるだけで……」
ルーナが戸惑いながら後ずさる。
その瞬間、割って入ったのはガルドだった。
「待ってください。この子は何も盗ってません。ただ、珍しいものに興味を持って手に取っただけです」
「証拠は? お前も一緒の旅人か?」
警備兵の目がガルドに向く。
だが、ガルドは一歩も退かず、まっすぐに言葉を返す。
「俺はこの子の保護者です。ルーナに悪意がないのは、見ればわかるはず。必要なら、俺が責任を取ります。だから……あまり大ごとにしないでくれませんか?」
「ふん……責任取るって、どうやって?」
「信用してもらえないなら、今日中にこの市場からは離れます。もちろん、この子が物を壊したわけでも盗ったわけでもないんですよね?」
警備兵が舌打ちする。
「……今回は見逃す。だが、次はねぇからな」
そう言って、踵を返して去っていく。
「ふぅ……よかった」
ルーナがガルドの腕にしがみつき、しょんぼりとした表情を見せた。
「ご、ごめんなさい……ご主人様……私、また余計なこと……」
「気にするな。ああいうのは慣れてる。……でも、今後はちょっと気をつけような」
「うん……!」
そのやり取りを、路地の奥からじっと見つめる一人の男がいた。
黒いマントに身を包み、片手に書簡の束を持つ。顔は若いが、どこか冷たさを宿した灰色の目。
「ふん……やはりあの落ちこぼれだったか。まだ生きてやがったとはな」
一人の男がその鋭い灰色の目が、路地の陰からガルドたち三人をじっと見据えている。
「……妙な連れをしているな。白銀の髪に紅い瞳? 人間じゃなさそうだが……」
唇に、薄くゆがんだ笑みが浮かぶ。
「ま、何者であろうと関係ない。落ちこぼれにふさわしい居場所なんて、この都市にはないんだからな」
男の影が、静かに通りを後にする。
その足取りは、まるで何かを仕掛けるように――静かで、そして確実だった。
石造りの街路と高く伸びた煙突、複雑に組み合わされた歯車装飾。
空には時折、浮遊装置で動く輸送船が通り過ぎる。
錬金術と魔術技術が融合したこの都市はまさに人の叡智の結晶だった。
「わぁ……!ご主人様、あれ見てください!煙突から出てるの、蒸気です!蒸気っ!」
ルーナが目を輝かせて飛び跳ねる。
白銀の髪が陽光に照らされまるで光の糸のように舞い上がった。
隣を歩くガルドは苦笑する。
「ルーナ、落ち着け。初めての街だし、目立ちすぎると……」
その言葉が終わる前に、周囲からの視線がすでに集まっていた。
人々は三人の姿を訝しげに見つめる。
特にルーナとルージュ――白銀の髪に紅の瞳という非凡な容姿はこの街では異質すぎた。
「……あれは、どこかの貴族の使い魔か?」
「いや、あんな容姿の亜人族は見たことが……」
街の雑踏に混じって、小声での噂が飛び交う。
ルージュは冷静な面持ちで前を歩きながら、淡々と呟いた。
「ガルド様、この街は『よそ者』に対して一定以上の警戒反応を示します。特に、魔術的特徴が明確な者には厳しい目が向けられるようです」
「……つまり、俺たちの見た目がかなり目立つってことだな」
「え、私はただかわいいだけですけど!」
ルーナが胸を張ってニコニコしている。
「……そういうとこだぞ、ルーナ」
と、そんな軽口を交わしていた矢先。
「おい、そこの小娘!何してやがる!」
市場の一角で怒号が響いた。
見れば、露店の前でルーナが小さな瓶を手にして首をかしげている。
その前に、顔を真っ赤にした店主が腕を組んで仁王立ちしていた。
「あっ……!これ、手に取っただけなんですけど……?」
「商品に勝手に触るんじゃねぇ!値踏みでもしてたのか!?どこの国のもんだ!」
周囲の客がざわめく中、すぐに近くの警備兵が駆けつける。
「おい、問題でも?」
「こいつが盗み見たいな真似しやがったんですよ!こちとら錬金材料扱ってるんです、扱い間違えば爆発もあるんだ!」
警備兵が鋭い目つきでルーナに近づく。
「おい、お前、名前と所属を言え。市民じゃないな?」
「え、えっと……ご主人様と旅してるだけで……」
ルーナが戸惑いながら後ずさる。
その瞬間、割って入ったのはガルドだった。
「待ってください。この子は何も盗ってません。ただ、珍しいものに興味を持って手に取っただけです」
「証拠は? お前も一緒の旅人か?」
警備兵の目がガルドに向く。
だが、ガルドは一歩も退かず、まっすぐに言葉を返す。
「俺はこの子の保護者です。ルーナに悪意がないのは、見ればわかるはず。必要なら、俺が責任を取ります。だから……あまり大ごとにしないでくれませんか?」
「ふん……責任取るって、どうやって?」
「信用してもらえないなら、今日中にこの市場からは離れます。もちろん、この子が物を壊したわけでも盗ったわけでもないんですよね?」
警備兵が舌打ちする。
「……今回は見逃す。だが、次はねぇからな」
そう言って、踵を返して去っていく。
「ふぅ……よかった」
ルーナがガルドの腕にしがみつき、しょんぼりとした表情を見せた。
「ご、ごめんなさい……ご主人様……私、また余計なこと……」
「気にするな。ああいうのは慣れてる。……でも、今後はちょっと気をつけような」
「うん……!」
そのやり取りを、路地の奥からじっと見つめる一人の男がいた。
黒いマントに身を包み、片手に書簡の束を持つ。顔は若いが、どこか冷たさを宿した灰色の目。
「ふん……やはりあの落ちこぼれだったか。まだ生きてやがったとはな」
一人の男がその鋭い灰色の目が、路地の陰からガルドたち三人をじっと見据えている。
「……妙な連れをしているな。白銀の髪に紅い瞳? 人間じゃなさそうだが……」
唇に、薄くゆがんだ笑みが浮かぶ。
「ま、何者であろうと関係ない。落ちこぼれにふさわしい居場所なんて、この都市にはないんだからな」
男の影が、静かに通りを後にする。
その足取りは、まるで何かを仕掛けるように――静かで、そして確実だった。
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