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18 僕と天道さんの××× 2
しおりを挟むあれから数日が経った。今日も天道さんが遊びに来ている。
今日は母さんも妹も家にいない。というのも、なんだかよくわからないけど高級ホテルの無料ペア宿泊券が手に入ったとかで、僕を置いて行ってしまったのだ。
正直ちょっといじけたけど、天道さんと一緒にいる時間の方が幸せなのでまあ良しとする。
ただ――あれ以来、天道さんの様子がおかしい。
「このシーンとか、天道さん好きそうだよね」
「そ、そうですね……」
一緒にゲームをやってる時、以前ならベッドシーンだろうとお構いなしに話しかけて来ていた。
なのに今は普通のシーンでもあまり話に乗ってこない。それどころかこっちをまともに見ようともしない。
何か怒らせるようなことをしてしまっただろうか? 一応毎日こうして遊びに来るんだから嫌われたわけではないと思うけど、正直気が気でない。
「……天道さん、僕何か怒らせるようなことした?」
「……え!?」
思い切って聞いてみた。すると天道さんは少し慌てたように僕の方を見た。
「ち、違うんです! ただ……その……初めての感情でちょっと戸惑っているというか……恥ずかしくてまともに目を合わせられないというか……」
「?」
こういうゲームを一緒にやってるのが今更恥ずかしくなってきたのだろうか?
僕が頭にクエスチョンマークを浮かべていると、天道さんは何か覚悟を決めるように大きく深呼吸した。
「お母様も言ってました。天道家たる者、困難から目を背けてはいけないって。石橋を叩いて渡るぐらいなら爆破して新しい橋を造りなさいって」
「天道さん?」
天道さんは真剣な表情で僕の方に向き直る。大事な話なようなので僕も天道さんの方に向き直った。
天道さんはもう一度深呼吸。そして意を決するように切り出した。
「と……遠野くん! その………………す、好きです! 大好きです! だ、だから……これからもずっと一緒にいてください!」
絞り出すように言った言葉。天道さんは肩で息をしながら僕を見つめている。
それに対して僕は……。
「うん。もちろん。これからも友達としてよろしくね」
「…………え?」
――普通ならさっきの天道さんの言葉を愛の告白とかと勘違いしちゃうところだろう。
けど僕も天道さんとはそれなりに長い付き合いだ。これまで何度も似たようなことがあったし、流石に同じ轍をそう何度も踏んだりしない。天道さんが僕に恋愛感情がないことはよくわかっている。
……ってあれ? 天道さんなんか怒ってない?
天道さんは顔を真っ赤にして、涙目で、ふくれっ面で僕を見ている。そんな表情もかわいいけどいったいどう――天道さんの腕が僕の頭に回された。そして天道さんが顔を近づけてきて――。
――唇と唇が、触れあった。
視界いっぱいに目を閉じた天道さんの顔があって、唇にマシュマロみたいな柔らかい感触を感じる。
「………………っ!?!?」
……え!? なに……え? 天道さん、唇……キス!? キスされてるの僕!?
突然のことに頭が追いつかなくて軽くパニックになる。
天道さんは僕から唇を離す。顔を真っ赤にしながらも、まっすぐに僕を見つめている。
「わ、私が言った好きっていうのはこういう意味でです! 私は男の子として遠野くんが好きなんです! だからお付き合いしてください! ずっとずっと一緒にいてください!」
「は、はい!」
なんかもう、ムードもへったくれもなく反射的にそう答えてしまった。
あまりの即答っぷりに天道さんも数秒目をぱちくりさせる。
「ほ、本当ですか!?」
天道さんの顔に一気に喜色が広がる。そして歓声を上げて僕に抱きついてきた。
――実は、まだ理解が追いついていない。
えと、これ、え? 僕……天道さんに告白された!? でもって付き合うことになった!?
「あの! あの! これ夢じゃないですよね? 私、遠野くんと恋人になれたんですよね? 私の初恋叶ったんですよね?」
「う、うん……たぶん」
「きゃー♪ やったやったやったぁ♪」
夢じゃないかっていうのはこっちが聞きたい。
僕が、天道さんの恋人? まったく現実感がない。ほっぺたをつねってみたいけどそれで夢から覚めたりしたら嫌だからつねれない。
それから数分後、天道さんも少し落ち着いたのか僕から離れた。照れくさそうにもじもじしながら、少しの間沈黙が落ちる。
「あ、あの……」
おずおずと切り出したのは天道さんだ。
「私、遠野くんにはすごく感謝してるんです。成績は上がりましたし、以前より自由にさせてもらえるようになしましたし、何より遠野くんと一緒に過ごすの……幸せで……だから、恩返ししたくて……」
「い、いいよ別に。僕も天道さんと一緒にいたかっただけだし……」
僕の言葉に天道さんは嬉しそうに頬を緩めつつも首を横に振る。
「いいえ、私が恩返ししたいんです。だから、私にできることがあれば言ってください。何でもしますから」
「て、天道さん! あんまり女の子が何でもとか言ったりしたら駄目だって!?」
「……あ、いや……」
天道さんはもじもじしながら、上目づかいで――
「…………ちょっとくらいなら、えっちなことでも、いいですよ?」
そんな爆弾のようなことを言ってきた。
「い、いや、そんな……」
そうは言いつつも、ついいろんなことを妄想してしまう。
そしてまず視線が行ったのは、天道さんの柔らかそうな……いや、柔らかかった唇だ。
さっきは突然のことでパニクってしまってあまり感触を味わえなかった。だから今度はちゃんと……と、ついそんなことを思ってしまった。
僕の視線に気がついたようで、天道さんは自分の唇に指で触れた。緊張した様子で、だけど何かを期待するような目で僕を見つめている。
ばっくんばっくん心臓が鳴っている。
僕は――。
「じゃ、じゃあ天道さんが新しく書いた小説とかないかな!? 前に読ませてもらったやつ面白かったしまた読ませてほしいなーなんて……」
僕の返答に天道さんは肩透かしをくらったようにガクッとした。そして不満そうに唇を尖らせる。
「……すごく勇気出して言ったのに」
「えっと、天道さん?」
「……恥ずかしいの我慢して頑張ったのに」
ぷうっと、天道さんは小さな子供みたいにほっぺたを膨らませた。どうもさっきの僕のお願いがお気に召さなかったようだ。
まあ確かに、女の子が勇気を出してあんなことを言ってくれたのにあれは我ながらへたれすぎたと思う。
心の中で後悔し始めていると、天道さんはくすりと笑った。
「お願い、やり直してくれて、いいですよ?」
照れ笑いしながら天道さんはそう言ってくれる。
女の子にここまでさせて、流石に僕もこれ以上へたれるわけにはいかない。
「じゃあ……その、また、キスしたい……です」
「……はい♪」
天道さんは嬉しそうに答えると僕の頭にそっと手を回す。
(僕がされる方なんだ……)
心の片隅で男である僕がリードするべきなんじゃと思ったけれど、正直自信がないので任せることにした。
一方の天道さんは恥ずかしそうに頬を赤くしたまま深呼吸している。
「さ、さっきは勢いでしちゃいましたけど、あらためてするってなると恥ずかしいですね」
「や、やっぱり止めとく?」
「止めません! まったく遠野くんはもう……。恥ずかしいから目、閉じててください」
言われたとおりに目を閉じる。暗闇の中軽く唇を突き出して、ドキドキしながら待つこと十秒ほど。
ちょん――と唇に柔らかい物が触れた。
それだけでもう苦しいくらい心臓が暴れ出す。
これで終わりかな? と思って目を開けた瞬間、また天道さんにキスされた。
視界いっぱいに広がる天道さんの綺麗な顔。天道さんは目を閉じていて、僕が目を開けてしまったことに気づいていない。
今度はさっきまでと違う、少し長いキス。まるで唇の柔らかさを確かめるように、ふにふにと天道さんの唇が動く。
(これ……やば……)
柔らかい。気持ちいい。頭の中で脳内麻薬がドバドバ出ている感じがする。正直キスだけでこうなるなんて想像していなかった。
そして、天道さんもキスに夢中になっているようだった。
最初はおそるおそる確かめるようだった動きが徐々に大胆に、やがては貪るような動きに。
息継ぎするために唇を離すたび、呼吸がどんどん荒くなっていて、天道さんも興奮しているのがわかる。
呼吸音が、吐息が、僕の理性を溶かしていく。
衝動に任せて、僕も天道さんの体に腕を回した。
細いのにすごく柔らかい。天道さんは少し驚いたように目を開けたけど、すぐに嬉しそうに微笑んでまたキスをした。
ちゅっ……ちゅっ……。
抱きしめ合って、体を密着させた状態でキスを繰り返す。天道さんの胸が僕の胸に当たっている。ドキドキしてるのが伝わってくる。まるで二人の鼓動が溶け合うような気分だった。
「ん……ぷはっ」
天道さんが唇を離す。はぁはぁと息を荒くしながら、とろんとした目で僕を見つめている。
「遠野くん……もっと……」
熱に浮かされたような声でそう言うと再び口づける。
はむ……ちゅ、ちゅぅ……っ。
天道さんの舌が僕の口に入ってきて、舌を絡ませてくる。二人の唾液が混じり合って、くちゅくちゅといやらしい音を立てている。
はぁ、はぁ……あむっ……ん、ちゅぷっ……。
天道さんが夢中で僕を貪っている。
それがどうしようもなく僕を興奮させる。
今までに経験したことがないくらい下半身に血が集まって、ズボンを大きく押し上げてしまっていた。
「あ……」
そして、すっかりテントを張った僕の下半身に天道さんが気づいた。
……恥ずかしいのに、天道さんに見られているとさらに興奮してしまう僕の隠れた性癖なんて知りたくなかった。
そうこうしている間に天道さんはそっと、僕の下半身に手を伸ばした。
「あ……っ!?」
ズボン越しに亀頭を撫でられて、ビクンと体が跳ねた。
「ご、ごめんなさい。痛かったですか?」
「う、ううん。そ、そういうわけじゃなくて……」
「……じゃあ、気持ちよかったんですか?」
「う……うん……」
「私で、こうなってくれたんですよね……? 私とキスして……エッチな気分になって……」
恥ずかしくて返答に詰まる。
すると天道さんは、ズボン越しに僕のモノをまるでいい子いい子するみたいに撫でてきた。
「う、あ……っ! て、天道さん……!?」
「こうすると、気持ちいいんですよね?」
「あ、くう……っ!」
僕は歯を食いしばって快感に耐える。そんな僕を見つめる天道さんはどこかうっとりしたような顔で、僕が気持ち良さそうにしているのを楽しんでいるかのようだった。
「遠野くん……もっと他のお願い……してくれて、いいんですよ……?」
「え……?」
「遠野くんがして欲しいなら私、何でもしますから……ね?」
「け、けど……」
「いい、ですよ? 何でも言ってくれて……」
そう言って天道さんは僕の耳元に唇を寄せる。
「私にえっちな命令……して、ください……」
熱い吐息が耳をくすぐる。頭の中が沸騰するような感覚。もう理性なんてあっという間に溶けて、欠片も残らなかった。
「…………フェラチオって、わかる?」
そう聞くと天道さんは顔を赤くし、けれどもこっくり頷いた。
「その、天道さんさえよければ、してほしい……」
「……はい♪」
天道さんはそう言うと、椅子に座る僕の前に正座の姿勢で座った。
僕の足を広げさせ足と足の間に陣取る。天道さんの目の前には大きくテントを張った僕の下半身。
「じゃ、じゃあ……し、失礼しますね?」
天道さんの白くて綺麗な手がズボンのチャックに触れる。そしてそれを一番下まで引き下げた。
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