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5/揺れる心
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「最悪」
思わず口に出してしまうほどに、事態は最悪だ。あろうことかわたしは、とおやの部屋にスマートフォンを忘れて来てしまった。気が付いたのは駅でタクシーに乗った直後。流石に今更取りに行く訳にもいかない。
(明日行こうかな……行き辛いけど)
あんなことがあった翌日にまた顔を合わせないといけないなんて。
(ていうかそもそも明日って、とおや仕事なんじゃないの……?)
不動産屋で営業を務める彼が、日曜に休みだとは思えなかった。どうしよう。連絡を取るにもその手段がないのだ。
考えた末にわたしは明日の夕方、彼の実家を訪ねることにした。彼の自宅の前で待ち伏せるより安全だろうし、おば様に頼んで直接とおやに連絡してもらえば、仕事帰りに寄るよう伝えてもらえる筈だ。
(でも待って。おば様に何て言うの? とおやの部屋にスマートフォンを忘れたから連絡して欲しいって正直に言うの?)
そんなことを聞いたら、おば様は一体どう思うだろう。わたしの親の耳にも話が入るかもしれない。「年頃の娘が男の部屋に」なんて叱られるのは避けたかったし、親同士の関係にヒビが入るのはもっと避けたかった。
(仕方ない。夕方、とおやの部屋に行こう)
その日は何をする気も沸いてこず、入浴と家事を済ますとその日は早めに就寝をした。
*
翌日。
ひょっとして、とおやの職場に顔を出せば直ぐに事は収束するかもしれない、なんて考えたのだが流石に止めておいた。どう考えても迷惑がかかってしまう。彼の終業時間が何時になるのかもわからない。昨日行ったマンションもオートロックだったし、部屋の玄関先で待つわけにもいかない。
(困ったな……)
とりあえず、入れ違いになることは避けなければと思い、十七時半には彼のマンションへ着くように家を出た。車は近くのコインパーキングに停めてある。何処で待つのが良いだろうと頭を捻り、わたしは駐車場の入口手前の植え込みに腰掛け、とおやの帰宅を待つことにした。
しかし暇である。そもそもスマートフォンがないし、こういう時に限って本を忘れる。仕方がないのでぼうっと通過して行く車を眺めて時間を潰した。
(──あ)
どのくらい待ったのか、わからない。黒いジープを運転するとおやが、駐車場に入ってきた。立ち上がったわたしを見つけて、目を丸くしている。
「ほたる!」
「おかえり、おつかれ」
「お前何やってんだよ!」
運転席から身を乗り出し、わたしを怒鳴り付けるとおや。四月のこの時期は、さすがまだ少し冷える。少し寒いなとは思っていたが、まさかここまで冷えるとは。
「スマホ、取りに来たの」
「とりあえず乗れよ」
車に乗り込み助手席に腰を下ろすと、とおやの温かい手がわたしの手を握りしめた。その拍子に昨日のキスのことを思い出してしまい、カッと顔が熱くなった。
「会社か、実家にでも行けばよかっただろうが」
「それは……色々迷惑がかかるじゃない」
「お前と俺の仲で、そんなこと気にすんな」
(お前と俺の仲──……)
それは幼馴染だから、ということなんだろうか。答えを聞いたところで、どうなるわけでもないのに。
「スマホ、部屋に置いてるから来いよ」
「……うん」
ここで待っているから持ってきてと言えば、それで済んだのにわたしは──とおやの背について行く。昨日起きたことを考えれば、これは得策ではなかっただろうに。身の危険を犯してまで、どうしてついて行ったのかと問われればそれは──
──ちゃんと話をして、この胸のモヤモヤを取り払いたかったから。
とおやが本当にわたしのことが好きなら好きで、どうするのかなんて考えてはいなかった。だって昨日のあれはきっと──彼本人が酔っていて思わず零れた冗談なのだと信じていたから。
(だから──「そんな冗談、わたしが信じるわけないでしょバカ。キスしたことは忘れてあげるから今度なにか奢ってよね」と言って帰ればいいんだ)
そうすればきっと、今までの関係に戻れる。
会話もないまま五階のとおやの部屋へと到着した。沈黙が気不味い。上着を脱ぎネクタイを弛めながら歩くとおやを目の端で捉えながら、わたしは靴を脱ぎ、玄関の壁に背を預けた。
「なんかスーツ姿って新鮮だね」
「惚れたか?」
「別に。でもちょっとドキッとした」
「……ふうん」
わたしのスマートフォンを片手に、とおやが玄関へと戻ってきた。「こっちに来いよ」と声をかけられたが、「ここでいい」と首を横に振った。
「……昨日のことなんだけど」
「……ああ」
「急に帰ってごめん。とおや、本当は酔ってたんだよね?じゃなきゃ──」
「──違う」
肩を強く掴まれ、わたしの体は壁に固定された。逃げるな、と強い視線で射ぬかれ動くことが出来ない。とおやの顔が……唇が迫ってくる。
「──っ!」
「今、酔ってねえ。昨日のあれは嘘じゃない。俺は、お前が好きだ」
繰り返される口づけから、逃れることが出来ない。どうして──?
嫌なら突き飛ばせばいいのに、わたしは──。
誰かとキスをするのが、久しぶりだったから?その味に毒され、酔いが回ってきたのかもしれない。恋人でもない男と重ねる唇に、スリルを求めてしまったのかもしれない。
部屋に二人きりで、邪魔するものは何もない。強いて言えばこのラインを超えられない感情と、服だけが邪魔だった。
(駄目、なのに、とおや、なのに──)
甘い、甘い口づけに夢中になっていた。躊躇いがちにわたしの胸に触れたとおやの手を、払いのけることなど今のわたしには出来なかった。
「駄目、とおや……だめ」
ここでとおやが止めてくれれば、止まることが出来たかもしれない。しかし彼は止まるどころか胸に触れていた手を、服の中へと忍び込ませてきた。
「だめ、いや……っ、やめ、て」
「本当に嫌なのか?」
反対側の手は撫で回すように、わたしの太股を這う。同時に漏れたわたしの声に、とおやの口づけが一層激しいものとなった。
「あッ……やあッ…………ん、だめ……」
「本当に、嫌なのか?」
とおやのキスはわたしを惑わせた。見かけによらず優しいそれは、わたしの秘めていた感情を──女の欲望を掻き立てた。
元彼と別れて二年。その間固く閉じていた欲にまみれた扉が、とおやによって少しずつこじ開けられてゆく。感情が、激しく揺さぶられてゆく。
──したい。
誰でもいい、というわけではなかった。
とおやと、したい。したくなってしまった。きっとこれは毒のせい。そう、毒のせい──……。
(もう、駄目……ッ)
繰り返されるキスと愛撫のせいで、判断力が鈍ってゆく。唇を離し目を開けると、とおやの真っ直ぐな瞳に捕まった。
「とお、や」
「……なに」
「わたし……わたし」
「やりたい?」
問われて、視線が彷徨う。即座に肯定なんて出来なかった。こんな自分を認めたくないという矜持のようなものが、わたしの前に立ち塞がる。彼が止めてくれればこの感情に蓋をすることが出来る──きっと、まだ出来る。
(でもとおやが本気だったら?)
ごちゃごちゃと考えている間にも、とおやのキスは濃厚なものにってゆく。
(どうしよう、どうしたらいい、わたし……)
靴を脱ぎ少しずつ移動を重ね、リビングへと到着すると勢いよくソファに押し倒さた。降りてきた唇から舌が伸び、絡まり、声が漏れ、愛撫に喘ぐ。
(ああ、もういいかな──)
もう、溺れてしまえと矜持を手放した瞬間だった。
「……あ」
「んっ……なに」
「悪い、ほたる……駄目だ」
「なにが?」
「出来ねえ」
「……は?」
わたしの上から降りたとおやは、早足で寝室へと向かう。すぐに戻ってくるとばつが悪そうな顔で、わたしの隣に座った。
「ゴムがねえわ」
「……え」
「悪い」
言葉が出てこない。何と返せば良いのか、そんなことさえ考えることが出来ない。
「そんなにやりたいなら、買ってこようか?」
「馬鹿っ! 誘うんなら、ちゃんと確認しなさいよ……」
「だから、」
「もういい、帰る」
「悪かったってば、怒るなって」
「別に、怒ってないし」
「怒ってるだろ」
「うるさい!」
最悪だ。もう、わけがわからない。
(こんなことで怒るなんて、まるでわたし──とおやとやりたくてやりたくて、仕方がなかったみたいじゃない!!)
溺れかけていた感情から、無理矢理引き上げられて助かったと──初めの段階でなら、そう思えたかもしれない。
けれど、あそこまでのことをされて、気持ちが揺らいで、彼に欲情して──全てを投げ出した所で、突き落とされた。
(もう嫌、こんな自分っ!)
自分自身の、中途半端な感情に嫌気が差した。結局わたしは、自分の意志では何一つ決められなかった。彼が望むのであればどちらでも良いと流されて、自己判断を投げ出すことにより、自らの行動を肯定化した──楽をした。
(……馬鹿みたい)
きっととおやもこんな女、と嫌気が差しただろう。しばらく自分から連絡をとるのは控えようと心に決め、わたしは彼の部屋を後にした。
思わず口に出してしまうほどに、事態は最悪だ。あろうことかわたしは、とおやの部屋にスマートフォンを忘れて来てしまった。気が付いたのは駅でタクシーに乗った直後。流石に今更取りに行く訳にもいかない。
(明日行こうかな……行き辛いけど)
あんなことがあった翌日にまた顔を合わせないといけないなんて。
(ていうかそもそも明日って、とおや仕事なんじゃないの……?)
不動産屋で営業を務める彼が、日曜に休みだとは思えなかった。どうしよう。連絡を取るにもその手段がないのだ。
考えた末にわたしは明日の夕方、彼の実家を訪ねることにした。彼の自宅の前で待ち伏せるより安全だろうし、おば様に頼んで直接とおやに連絡してもらえば、仕事帰りに寄るよう伝えてもらえる筈だ。
(でも待って。おば様に何て言うの? とおやの部屋にスマートフォンを忘れたから連絡して欲しいって正直に言うの?)
そんなことを聞いたら、おば様は一体どう思うだろう。わたしの親の耳にも話が入るかもしれない。「年頃の娘が男の部屋に」なんて叱られるのは避けたかったし、親同士の関係にヒビが入るのはもっと避けたかった。
(仕方ない。夕方、とおやの部屋に行こう)
その日は何をする気も沸いてこず、入浴と家事を済ますとその日は早めに就寝をした。
*
翌日。
ひょっとして、とおやの職場に顔を出せば直ぐに事は収束するかもしれない、なんて考えたのだが流石に止めておいた。どう考えても迷惑がかかってしまう。彼の終業時間が何時になるのかもわからない。昨日行ったマンションもオートロックだったし、部屋の玄関先で待つわけにもいかない。
(困ったな……)
とりあえず、入れ違いになることは避けなければと思い、十七時半には彼のマンションへ着くように家を出た。車は近くのコインパーキングに停めてある。何処で待つのが良いだろうと頭を捻り、わたしは駐車場の入口手前の植え込みに腰掛け、とおやの帰宅を待つことにした。
しかし暇である。そもそもスマートフォンがないし、こういう時に限って本を忘れる。仕方がないのでぼうっと通過して行く車を眺めて時間を潰した。
(──あ)
どのくらい待ったのか、わからない。黒いジープを運転するとおやが、駐車場に入ってきた。立ち上がったわたしを見つけて、目を丸くしている。
「ほたる!」
「おかえり、おつかれ」
「お前何やってんだよ!」
運転席から身を乗り出し、わたしを怒鳴り付けるとおや。四月のこの時期は、さすがまだ少し冷える。少し寒いなとは思っていたが、まさかここまで冷えるとは。
「スマホ、取りに来たの」
「とりあえず乗れよ」
車に乗り込み助手席に腰を下ろすと、とおやの温かい手がわたしの手を握りしめた。その拍子に昨日のキスのことを思い出してしまい、カッと顔が熱くなった。
「会社か、実家にでも行けばよかっただろうが」
「それは……色々迷惑がかかるじゃない」
「お前と俺の仲で、そんなこと気にすんな」
(お前と俺の仲──……)
それは幼馴染だから、ということなんだろうか。答えを聞いたところで、どうなるわけでもないのに。
「スマホ、部屋に置いてるから来いよ」
「……うん」
ここで待っているから持ってきてと言えば、それで済んだのにわたしは──とおやの背について行く。昨日起きたことを考えれば、これは得策ではなかっただろうに。身の危険を犯してまで、どうしてついて行ったのかと問われればそれは──
──ちゃんと話をして、この胸のモヤモヤを取り払いたかったから。
とおやが本当にわたしのことが好きなら好きで、どうするのかなんて考えてはいなかった。だって昨日のあれはきっと──彼本人が酔っていて思わず零れた冗談なのだと信じていたから。
(だから──「そんな冗談、わたしが信じるわけないでしょバカ。キスしたことは忘れてあげるから今度なにか奢ってよね」と言って帰ればいいんだ)
そうすればきっと、今までの関係に戻れる。
会話もないまま五階のとおやの部屋へと到着した。沈黙が気不味い。上着を脱ぎネクタイを弛めながら歩くとおやを目の端で捉えながら、わたしは靴を脱ぎ、玄関の壁に背を預けた。
「なんかスーツ姿って新鮮だね」
「惚れたか?」
「別に。でもちょっとドキッとした」
「……ふうん」
わたしのスマートフォンを片手に、とおやが玄関へと戻ってきた。「こっちに来いよ」と声をかけられたが、「ここでいい」と首を横に振った。
「……昨日のことなんだけど」
「……ああ」
「急に帰ってごめん。とおや、本当は酔ってたんだよね?じゃなきゃ──」
「──違う」
肩を強く掴まれ、わたしの体は壁に固定された。逃げるな、と強い視線で射ぬかれ動くことが出来ない。とおやの顔が……唇が迫ってくる。
「──っ!」
「今、酔ってねえ。昨日のあれは嘘じゃない。俺は、お前が好きだ」
繰り返される口づけから、逃れることが出来ない。どうして──?
嫌なら突き飛ばせばいいのに、わたしは──。
誰かとキスをするのが、久しぶりだったから?その味に毒され、酔いが回ってきたのかもしれない。恋人でもない男と重ねる唇に、スリルを求めてしまったのかもしれない。
部屋に二人きりで、邪魔するものは何もない。強いて言えばこのラインを超えられない感情と、服だけが邪魔だった。
(駄目、なのに、とおや、なのに──)
甘い、甘い口づけに夢中になっていた。躊躇いがちにわたしの胸に触れたとおやの手を、払いのけることなど今のわたしには出来なかった。
「駄目、とおや……だめ」
ここでとおやが止めてくれれば、止まることが出来たかもしれない。しかし彼は止まるどころか胸に触れていた手を、服の中へと忍び込ませてきた。
「だめ、いや……っ、やめ、て」
「本当に嫌なのか?」
反対側の手は撫で回すように、わたしの太股を這う。同時に漏れたわたしの声に、とおやの口づけが一層激しいものとなった。
「あッ……やあッ…………ん、だめ……」
「本当に、嫌なのか?」
とおやのキスはわたしを惑わせた。見かけによらず優しいそれは、わたしの秘めていた感情を──女の欲望を掻き立てた。
元彼と別れて二年。その間固く閉じていた欲にまみれた扉が、とおやによって少しずつこじ開けられてゆく。感情が、激しく揺さぶられてゆく。
──したい。
誰でもいい、というわけではなかった。
とおやと、したい。したくなってしまった。きっとこれは毒のせい。そう、毒のせい──……。
(もう、駄目……ッ)
繰り返されるキスと愛撫のせいで、判断力が鈍ってゆく。唇を離し目を開けると、とおやの真っ直ぐな瞳に捕まった。
「とお、や」
「……なに」
「わたし……わたし」
「やりたい?」
問われて、視線が彷徨う。即座に肯定なんて出来なかった。こんな自分を認めたくないという矜持のようなものが、わたしの前に立ち塞がる。彼が止めてくれればこの感情に蓋をすることが出来る──きっと、まだ出来る。
(でもとおやが本気だったら?)
ごちゃごちゃと考えている間にも、とおやのキスは濃厚なものにってゆく。
(どうしよう、どうしたらいい、わたし……)
靴を脱ぎ少しずつ移動を重ね、リビングへと到着すると勢いよくソファに押し倒さた。降りてきた唇から舌が伸び、絡まり、声が漏れ、愛撫に喘ぐ。
(ああ、もういいかな──)
もう、溺れてしまえと矜持を手放した瞬間だった。
「……あ」
「んっ……なに」
「悪い、ほたる……駄目だ」
「なにが?」
「出来ねえ」
「……は?」
わたしの上から降りたとおやは、早足で寝室へと向かう。すぐに戻ってくるとばつが悪そうな顔で、わたしの隣に座った。
「ゴムがねえわ」
「……え」
「悪い」
言葉が出てこない。何と返せば良いのか、そんなことさえ考えることが出来ない。
「そんなにやりたいなら、買ってこようか?」
「馬鹿っ! 誘うんなら、ちゃんと確認しなさいよ……」
「だから、」
「もういい、帰る」
「悪かったってば、怒るなって」
「別に、怒ってないし」
「怒ってるだろ」
「うるさい!」
最悪だ。もう、わけがわからない。
(こんなことで怒るなんて、まるでわたし──とおやとやりたくてやりたくて、仕方がなかったみたいじゃない!!)
溺れかけていた感情から、無理矢理引き上げられて助かったと──初めの段階でなら、そう思えたかもしれない。
けれど、あそこまでのことをされて、気持ちが揺らいで、彼に欲情して──全てを投げ出した所で、突き落とされた。
(もう嫌、こんな自分っ!)
自分自身の、中途半端な感情に嫌気が差した。結局わたしは、自分の意志では何一つ決められなかった。彼が望むのであればどちらでも良いと流されて、自己判断を投げ出すことにより、自らの行動を肯定化した──楽をした。
(……馬鹿みたい)
きっととおやもこんな女、と嫌気が差しただろう。しばらく自分から連絡をとるのは控えようと心に決め、わたしは彼の部屋を後にした。
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