歪な戦士の異世界転生録 〜授かった【変換】スキルが尖り過ぎてて異常な性能を得る〜

チャド丸

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希望の炎編

パーティーへの勧誘

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「いなくなった・・・」

アイと名乗った少女は、ユウが一瞬よそ見をした瞬間にいなくなった。

なぜ薬草採集が途中だと知っていたのか、なぜユウが動けなくなったことを知っているのか。

聞きたいことは沢山あったが、少女はもういない。

不思議な少女だった。思い返してみれば、あんなに近くにいたというのにゴブリンが少女に気付いていなかったのも気になる。



モヤモヤしながら森に向かって歩き出す。そうして森に入るというタイミングで、少女が指さした木の根元をチラっと見た。

―――そこには3房の薬草があった。

「・・・ふふっ、本当にあった。」

これで依頼の数ぴったり。考えても分からないことを考えていた自分がなんだかおかしくなって、つい笑ってしまった。



「また会えるかなぁ・・・」

想いをわざと口に出して、ユウはその場を離れた。少女に届くことを期待して。



~~~~~



ギルドに帰ってきて薬草を納品する。報酬を待っていると、ユウに声をかける受付嬢がいた。

「ユウさん!初依頼はいかがでしたか?」

「あぁ、リリアさん。無事に完遂できました。」



話しかけてきたのは、先日ユウの冒険者登録を一貫して対応してくれた受付嬢―リリアだ。昨日のうちにそこそこ仲良くなり、こうして話しかける程度の仲になった。



「まだ日も落ちていないのに流石ですね!そして実は・・・そんなギルド期待の星であるユウさんに、さっそくスカウトが来ています!」

そういってリリアは、ユウの前に一枚の紙を出した。



スカウト。

パーティーやクランに来て欲しいと思う冒険者に声をかけることだ。

まさか登録して次の日に、そんな誘いを受けることになるとは思わなかった。



「勧誘したのは新進気鋭の若手パーティーである【希望の炎】です!発足してまだ間もないですが、かなりやり手だと噂のパーティーですよ。噂と違わず、人を見る目もあるみたいですねぇ」

リリアはうんうんと頷きながら説明を続ける。希望の炎か・・・



「それで・・・どうなさいます?もう少しソロで続けてみますか?」

少し考えていると、リリアが顔を覗き込んでくる



確かにもう少しソロで自由にやりたいという思いもあるが、身体のこともあって単独で動くのは多少不安がある。

人数が増えて少しでも有利にクエストが受注できるならそれに越したことは無い。難しく報酬の高いクエストに出れば、自立も早められるだろう。

なにより会わないで断るというのも失礼に感じる。



「そうですね、ぜひ一度会ってみたいです。」

そう答えて、ユウは希望の炎についての情報を聞いた。



~~~~~



(そろそろだな・・・)

もう少ししたら希望の炎がギルドに現れる時間だ。聞くところによると男性1人と女性2人のパーティーらしい。

少しそわそわしながらユウは待っていた。すると・・・



「ケール!まだ日は高いのに、なんでギルドに戻ってきたの?」

「あのなぁ・・・今朝出したスカウト、早ければこの時間に結果が分かるって言ったろミュア。さて、どうだろうなぁ?なぁ、パルファ。」

「・・・少なくとも、会って話は聞いてくれるようね。」



男女3人が話しながらギルドに入ってきて、その内の一人の女性がユウを見て足を止める。

残り男女もユウに気づき、男性の方はニカっとした笑みを見せた。



~~~~~



「まずは会ってくれてありがとうな!俺はケール、希望の炎のリーダーで拳闘士だ!」

ケールと名乗った青年はスキンヘッドで、獰猛そうだが人懐っこい笑みを含めた顔をしている。

冒険者に相応しい背丈と体格をしており、情報を聞いていなければ若手だなんて分からなかっただろう。



「私はミュア。ケールとは同郷で魔法使いよ。よろしく~。」

次に挨拶をしたのはミュアという魔法使いの女性だ。金髪釣り目なので少しキツそうな印象を受ける。あまりユウに興味がないのか、よそ見をしながらヒラヒラと手を振ってきた。



「・・・私はパルファ。王都出身の剣士よ。」

そして最後に、先ほどユウにいち早く気付いたパルファという剣士の女性だ。黒髪ショートのすらっとした女性で、こちらは逆にユウのことをしっかりと見て挨拶をしてきた。



「ユウです。職業は・・・戦士です。あと、今回はお誘いいただきありがとうございます。それで、なぜ僕を?」

一番の疑問を早速聞いてみた。そして正直に言うと、この質問の回答次第で全てを決めるつもりだった。

もし若くて話題性がありそうだった、小間使いにしたかったなどの理由であれば、申し訳ないが断るつもりだ。もしそういった理由を隠して取り繕おうとしても、ユウの右目なら違和感を見逃さない。



するとケールは目をぎらつかせながら答えた。

「俺はな、偉大な事を成し遂げたいんだ。だから新人の時点ですでに偉業を成し遂げるレベルの奴にしか声をかけない。」



「俺とミュアはここから離れた街で、魔物の進行をたった2人で抑え込んだことがある。パルファもギルドに登録して次の日、偶然遭遇した盗賊団をかすり傷ひとつ負わずに討伐した。」



パーティーの面々を振り返りながらケールは話し、そしてユウを見据えた。



「そしてユウ、お前はあのシルバさんの試験に合格した冒険者だ。そんなお前となら偉大なことができると思って、パーティーに勧誘したんだ。俺の目標は全員がSランクのパーティーを作ること。その内の一人にお前ならなれると思った。」
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