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希望の炎編
凶刃の行方
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~~~アルside~~~
絶対に許せない。
アルは今、宿屋で襲われたユウの病室に来ている。
ギリギリで急所を外して幸い命に別状はなかったものの、今もまだ目を覚ましていない。
犯人は窓から逃げた痕跡があった。恐らく物音で部屋の外に集まってきた人達に見られるのを避けたのだろう。
すやすやと寝ているユウの頬に手を当てる。
さっきギルドの受付嬢をしているリリアが見舞いに来た。そして、ここ数日でユウがどんな目にあったかを聞いた。
どうしてこの子ばかりこんな目にあうのか。大切な人や身体の機能を失って、遂にはやっと出来た仲間も失った。
そして今回の事件。絶対に許せない。
騎士団はこの事件の目星をすでに付けていた。ユウを狙う動機があり、このように剣を使う者となったら1人だけしかいなかったのだ。
コンコン、と病室がノックされる。入ってきたのは騎士数名と、その騎士たちに囲まれた「元」希望の炎メンバーのひとりである剣士のパルファだった。
~~~~~
「っ!・・・ここは・・・?」
目を覚ますとユウは知らない部屋にいた。
スっと起き上がるが上手く力が入らず、床に盛大に倒れ込む。
実はユウは5日ほど寝ていて、さらには失血もしている。本来なら痛みやダルさで起き上がれないが、ユウはそれを感じないのが裏目に出てしまった。
バタバタと廊下をかける足音が聞こえる。倒れ込んだ状態からなんとか上半身を持ち上げると、ドアを開けて入ってきたアルと目が合った。
「ユウくん・・・うわぁぁぁん!よかったぁぁぁ!」
ぽろぽろと涙を零しながら、アルは床に座り込むユウを抱きしめた。
ユウは何事かと驚いたが、心地よい暖かさを感じてどうでもよくなる。
(脂肪を変換して寒がりになってから、抱きしめられるのに弱いのかな?もしかして・・・)
そんなことを感じながら、久方ぶりの人のぬくもりを身に染み込ませていた。
~~~~~
「えぇ!?パルファが・・・」
ユウは今ベッドにもう一度寝かされ、自分が何故こんなことになっているのかを聞いた。
自分が寝ている最中に、剣を突き立てられたこと。
言われてみれば、右の脇腹あたりになにか違和感を感じる。
それに・・・確かになんとなく覚えている。ローブを着た何者かと、自分の胸めがけて突き立てられる剣を。
そしてその最有力容疑者として今、パルファが拘留されているのだった。
「剣を使った犯行、さらにユウくんを狙う動機がある。パルファさ、、んが犯人である可能性が高いの。」
果物を剥きながらそう言うアル。しかしパルファが、か・・・
確かになんとなくだが覚えている。襲撃者は剣を使っていた。
「本人も未だ黙秘しているそうなの。・・・ちなみにユウくん、本当に犯人の顔をっ」
コンコン、とノックの音がして、アルの言葉は止まった。続いてガチャリ、と音と共に病室に入ってきたのは、ギルド長であるソディスであった。
「ほっほ、起きた知らせを受けてやってきたが、今までが嘘のような顔色じゃのう。」
そう言ってソディスはユウのベッドに近づいてくる。するとアルが突然立ち上がり、ユウに告げた。
「・・・ごめんねユウくん。騎士団にユウくんが起きたら戻るって伝えていたから・・・そろそろ戻らなきゃなんだ。」
そう言って、少し困ったような顔で頭を撫でるアル。病室の扉に向かって行く最中、アルは怒っているような目でソディスを一瞥した。
「・・・から。」
ソディスとすれ違う際にボソッと何かを呟き、アルは病室を出ていった。
「・・・ほっ、献身的な娘じゃのう。まるで本当の姉弟のようじゃて。」
アルが出ていった方をしばらく見つめて、ソディスはそう言う。
そしてユウに向き合った。
「まずは、無事に目が覚めたようでなによりじゃ。知り合ったばかりの少年が、老い先短いジジイよりも先に死ぬなんて、考えたくないからのう。」
そう言ってソディスは、優しい顔で笑った。
・・・前見た時から感じていたが、ソディスを見ていると村の皆を思い出して安心する。
もし先日のあの場にいたのがソディスでなければ、話し合いの終わりは違っていたかもしれない。
「さて、まずはこれじゃ。・・・えーと、そうじゃな。一応、身近にあった方が安心するかと思ってのう。」
そう言って、宿にあったはずのバランの形見の2本の剣をユウに渡す。
(いや・・・病室で貰っても困るな)
そう思いながらも「いらないので持って帰ってください」とは言えず、ベッドの脇に立てておいた。
「続いて報告じゃ。マリとやらについて、深淵の森全域に調査団を派遣した。今朝方調査団が戻ったのじゃが、そんな者の存在は全く無かったそうじゃ。」
椅子に座り、髭を撫でながらマリという男の調査について報告をしてくれた。
「そして最後じゃが、これじゃ。」
そう言ってソディスは、ユウにカードのようなものを渡す。これは・・・新品の冒険者証だ。
硬質カードのような冒険者証には、ユウの名前と共に「Eランク冒険者」の文字がしっかりと書いてあった。
ユウは以前、Fランクの冒険者であった。
そしてFランク冒険者の場合、冒険者証は発行されない。
極たまにただ腕っ節の強い村人などが、記念や酔狂で冒険者講習を受けて冒険者証を得ることがある。
そんな人達にかかるコスト削減のため、このカードタイプの冒険者証は依頼をいくつかこなして、Eランクにならないと発行されないのだ。
「パーティが解散したものの、ちょうどあのクエストでお前さんはランクアップだったもんでな。肌身離さず持っとくのじゃぞ。」
ソディスはにこやかに告げて、よっこらしょと立ち上がった。
「さて、そろそろ行くわい。くれぐれも安静にしとるんじゃぞ。ここは安全だから大丈夫じゃ。」
そう言って病室を出ていく。
・・・静かになったら眠くなってきたな。
(少し・・・寝るか・・・)
そうしてユウは再度眠りにつき、それを遠くから眺めていた者は動き出した。
絶対に許せない。
アルは今、宿屋で襲われたユウの病室に来ている。
ギリギリで急所を外して幸い命に別状はなかったものの、今もまだ目を覚ましていない。
犯人は窓から逃げた痕跡があった。恐らく物音で部屋の外に集まってきた人達に見られるのを避けたのだろう。
すやすやと寝ているユウの頬に手を当てる。
さっきギルドの受付嬢をしているリリアが見舞いに来た。そして、ここ数日でユウがどんな目にあったかを聞いた。
どうしてこの子ばかりこんな目にあうのか。大切な人や身体の機能を失って、遂にはやっと出来た仲間も失った。
そして今回の事件。絶対に許せない。
騎士団はこの事件の目星をすでに付けていた。ユウを狙う動機があり、このように剣を使う者となったら1人だけしかいなかったのだ。
コンコン、と病室がノックされる。入ってきたのは騎士数名と、その騎士たちに囲まれた「元」希望の炎メンバーのひとりである剣士のパルファだった。
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「っ!・・・ここは・・・?」
目を覚ますとユウは知らない部屋にいた。
スっと起き上がるが上手く力が入らず、床に盛大に倒れ込む。
実はユウは5日ほど寝ていて、さらには失血もしている。本来なら痛みやダルさで起き上がれないが、ユウはそれを感じないのが裏目に出てしまった。
バタバタと廊下をかける足音が聞こえる。倒れ込んだ状態からなんとか上半身を持ち上げると、ドアを開けて入ってきたアルと目が合った。
「ユウくん・・・うわぁぁぁん!よかったぁぁぁ!」
ぽろぽろと涙を零しながら、アルは床に座り込むユウを抱きしめた。
ユウは何事かと驚いたが、心地よい暖かさを感じてどうでもよくなる。
(脂肪を変換して寒がりになってから、抱きしめられるのに弱いのかな?もしかして・・・)
そんなことを感じながら、久方ぶりの人のぬくもりを身に染み込ませていた。
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「えぇ!?パルファが・・・」
ユウは今ベッドにもう一度寝かされ、自分が何故こんなことになっているのかを聞いた。
自分が寝ている最中に、剣を突き立てられたこと。
言われてみれば、右の脇腹あたりになにか違和感を感じる。
それに・・・確かになんとなく覚えている。ローブを着た何者かと、自分の胸めがけて突き立てられる剣を。
そしてその最有力容疑者として今、パルファが拘留されているのだった。
「剣を使った犯行、さらにユウくんを狙う動機がある。パルファさ、、んが犯人である可能性が高いの。」
果物を剥きながらそう言うアル。しかしパルファが、か・・・
確かになんとなくだが覚えている。襲撃者は剣を使っていた。
「本人も未だ黙秘しているそうなの。・・・ちなみにユウくん、本当に犯人の顔をっ」
コンコン、とノックの音がして、アルの言葉は止まった。続いてガチャリ、と音と共に病室に入ってきたのは、ギルド長であるソディスであった。
「ほっほ、起きた知らせを受けてやってきたが、今までが嘘のような顔色じゃのう。」
そう言ってソディスはユウのベッドに近づいてくる。するとアルが突然立ち上がり、ユウに告げた。
「・・・ごめんねユウくん。騎士団にユウくんが起きたら戻るって伝えていたから・・・そろそろ戻らなきゃなんだ。」
そう言って、少し困ったような顔で頭を撫でるアル。病室の扉に向かって行く最中、アルは怒っているような目でソディスを一瞥した。
「・・・から。」
ソディスとすれ違う際にボソッと何かを呟き、アルは病室を出ていった。
「・・・ほっ、献身的な娘じゃのう。まるで本当の姉弟のようじゃて。」
アルが出ていった方をしばらく見つめて、ソディスはそう言う。
そしてユウに向き合った。
「まずは、無事に目が覚めたようでなによりじゃ。知り合ったばかりの少年が、老い先短いジジイよりも先に死ぬなんて、考えたくないからのう。」
そう言ってソディスは、優しい顔で笑った。
・・・前見た時から感じていたが、ソディスを見ていると村の皆を思い出して安心する。
もし先日のあの場にいたのがソディスでなければ、話し合いの終わりは違っていたかもしれない。
「さて、まずはこれじゃ。・・・えーと、そうじゃな。一応、身近にあった方が安心するかと思ってのう。」
そう言って、宿にあったはずのバランの形見の2本の剣をユウに渡す。
(いや・・・病室で貰っても困るな)
そう思いながらも「いらないので持って帰ってください」とは言えず、ベッドの脇に立てておいた。
「続いて報告じゃ。マリとやらについて、深淵の森全域に調査団を派遣した。今朝方調査団が戻ったのじゃが、そんな者の存在は全く無かったそうじゃ。」
椅子に座り、髭を撫でながらマリという男の調査について報告をしてくれた。
「そして最後じゃが、これじゃ。」
そう言ってソディスは、ユウにカードのようなものを渡す。これは・・・新品の冒険者証だ。
硬質カードのような冒険者証には、ユウの名前と共に「Eランク冒険者」の文字がしっかりと書いてあった。
ユウは以前、Fランクの冒険者であった。
そしてFランク冒険者の場合、冒険者証は発行されない。
極たまにただ腕っ節の強い村人などが、記念や酔狂で冒険者講習を受けて冒険者証を得ることがある。
そんな人達にかかるコスト削減のため、このカードタイプの冒険者証は依頼をいくつかこなして、Eランクにならないと発行されないのだ。
「パーティが解散したものの、ちょうどあのクエストでお前さんはランクアップだったもんでな。肌身離さず持っとくのじゃぞ。」
ソディスはにこやかに告げて、よっこらしょと立ち上がった。
「さて、そろそろ行くわい。くれぐれも安静にしとるんじゃぞ。ここは安全だから大丈夫じゃ。」
そう言って病室を出ていく。
・・・静かになったら眠くなってきたな。
(少し・・・寝るか・・・)
そうしてユウは再度眠りにつき、それを遠くから眺めていた者は動き出した。
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