短編小話

kuro

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ヤンデレ後輩ちゃん

契約の枷

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ここはどこだろうか…目を覚まして辺りを見渡してみるが、周囲は真っ暗な空間になっていた。
何故こんな所にいるのだろう…それに足には何か枷のようなものが取り付けられていて重たい。

とりあえず、なぜここにいるのかを考えてみよう。
確か俺は高校の帰り道に教師から後輩の女子の家に宿題やら書類やらを届けにきて…それから…………

「あっ、目覚めましたか?先輩」

視界は以前変わらないが、どこからか後輩の声が聞こえた。 

「あら、これじゃあ動いてるかどうか分からないですね…ちょっと待っててくださいね!」

そう言って声は途切れ、俺は言われた通り待つことにして数分後…

「よいしょ…っと先輩、おはようございます」

「おはよう……じゃないだろ。一葉、これはなんだ?」

とりあえず状況を把握しなければ…足にこんなものが付いている以上、動くのは容易ではない。できることなら取り外して貰いたいのだが…取り付けた張本人がこいつなら…

「先輩を捕まえました」

「直ぐにとっぱらってくれ」

「それは出来ないです。せっかく捕まえたので逃したくありません。」

「だと思ったよ、ならせめて説明してくれ」

「それはですね…せっかく先輩が来てくれたんだからもう逃がさないようにしようかなと。」

「なるほど、わかった。」

「いいんすか?」

少なくとも今は無理だ。逃げられる訳がない。

「じゃあここに誓ってください」

「わかったーー…こうか?」

なにやら赤い紙を渡されてそこに名前を記入する。
それを見た一葉は満面の笑みをその場で浮かべた。
まるでーーそう…狩猟者が獲物を捉えたかのような……そんな猟奇的な笑み。

「これで…先輩は私のモノっす。逃げようとしたらここに戻されちゃうので気を付けてくださいね。」

「わかったわかった。じゃあこれを外してくれ。」

「分かりました!」

そうして隙を作り玄関を飛び出した俺だったが、外に出た瞬間に首を何かに締め付けられた感覚に襲われ、そのまま意識を失いかけて…痛みが収まると俺はあの部屋へと戻されてしまうのだった。

「あっ、おかえりなさーい。言ったじゃないですか、逃げられないって」

そうして彼女はおれの手に手錠をかけた。

「これからは私が先輩のお世話をするので!よろしくお願いしますね!」

今の状況を理解した俺は大人しく従うのだった。
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