【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方

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魔王城での会合

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「お帰りなさいませ。我が主」

 視界が色を取り戻すとそこにはゴブくんが膝をついて頭を下げていた。
 それは完璧な従者を想像させる振舞だ。

「ただいま」

 俺は羽織っている学校の制服を渡し、頭を上げさせる。

「早いお帰りですね…………そちらのお方たちは?」

 少し、疑うような目で俺と先輩たちを見ている。

 最初のころは良かった。
 対等な相棒。という関係が続いていたからだ。
 しかし、ここ最近、子ども扱いされているような気がする。
 それこそ教師と生徒のような。
 魔族と子供の成長速度は違うのだろうか?

 俺はそんなことを思いながらゴブくんに頼む。

「学校の先輩たちだよ。少しだけ魔王城案内させてやってくれない?」
「はッ。分かりました。主はどちらに?」
「俺はまお…………父さんのところに行ってくるよ」

 流石に義理だとしても父のことを魔王と呼ぶのは普通ではないのだろう。
 俺はそう思い、言い直した。
 すると真面目ぶっているゴブくんがうつむいた。
 こういう時は隠れて笑っている時だ。

「ちなみにアレ・・は言ってないから」

 俺が離れざまにそう言うとゴブくんの表情は一瞬で真剣な表情に戻る。
 そして、こくんと首を縦に振った。

 俺はその様子を確認してから魔王室へと向かった。



「……………………これが本当にこの国の魔王なのかな」

 俺はため息交じりにそう口にする。
 すると魔王は飛び跳ねるように俺の方を向き、

「…………ぶッ………………ノックぐらいしてくれよ。本当に配下に見られたと思ったじゃないか」

 俺がこっそり扉の音をたてずに魔王室に入ると、ソファに寝転がってお菓子をつまみながら、何やら箱みたいなのを見て笑っていた。

(そんなだらしない恰好をしている人が魔王? 俺がこっそり魔王をのっとってやろうか)

 なんて冗談を思うくらいの体たらくだった。

「で、それは何なの?」

 いつも魔王は不思議なものを所持しているが、その全貌はまだ誰も知らない。
 俺がその光っている箱を見ながら聞くと、魔王は少し頭を抱えて考え込む。
 そして、やけくそみたいな表情で口を開いた。

「これはな。テレビって言う機械なんだよ。アレンも知らないだろ?」

 俺はその問いに首を縦に振る。

「俺しか作り方を知らないってのがネックなんだよなぁ…………まぁそのうちこの国にも普及させてやるさ」

 魔王は苦笑いしながらそう言った。
 正直、光る箱を見て何になるのか、と俺は思っているのだが、魔王がそれは嬉しそうに俺にいうものだから、すごいものなのかもしれない。

「…………あとで、俺にも見せてよ」

 少しうつむきながら口にした俺を見て魔王は苦笑いから一瞬で嬉しそうな表情になった。

「おお! い、いまからでもいいんだぞ?」

 この一年、食事以外、趣味や余興などにおいて特に魔王と一緒に同じことをするということがあまりなかった。
 なのでとても嬉しいのだろう。息子同然の俺と一緒に何かすることが。

「先に報告しないとね。父さんも気づいてたんでしょ?」

 俺がそう聞くと気持ち悪いほどの笑みを浮かべながら頷いた。
 絶対に今は脳にテレビのことしか入ってない顔だ。

「分かったから。今日の夜、時間空いて――」
「本当か!? 魔王室で待ってるからな! 絶対来てくれよ?」

 まだ最後まで言い切ってないのに魔王は声をかぶせるように言い、俺の肩をぶんぶんと振って、興奮している。
 俺はしばらく魔王が静まるまでずっと振られ続けた。

「…………よし。落ち着いた。で、その巨大の魔力反応はアレンが関係してると?」
「うん。ちょっと待ってね」

 俺は後ろを振り返って何もない空間に腕を伸ばす。
 そして、

「【召喚コール】!」

 ラークとは先ほど契約したため、大きく強固な不可視のつながりが出来ている。
 それをたどって【テレポート】と組み合わせる。それが【召喚コール】という魔法だ。

 すると何もない空間に一人の神魔獣が現れる。
 その姿からまるで雷の神、雷神を想像させるような容姿だ。

「お初にお目にかかります。魔王様。私はアレン様の下僕、神雷鳥デックスの『ラーク』です。以後お見知りおきを」

 召喚コールしたときに【念話リークス】で詳細は説明していたので、ラークはすぐに魔王に向かって首を垂れた。
 魔王はいつもならすぐに頭を上げさせる。
 しかし、何故か反応が返ってこなかった。

 俺は魔王の方を見ると、魔王は全身を震わせながら吠えた。

「貴様! 何の目的でアレンに関わった!」

 俺は初めて見てしまった。
 あの魔族の王が本気で憤る瞬間を。

「私は本心からアレン様の力になりたいと考えております」
「…………え? どういうこと?」

 俺がその状況に戸惑いながら聞くと、魔王は少しゆっくりと口を開いて言った。

「こいつは魔獣統率者の八魔獣の一人…………『電撃の紫電鳥』だ」
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