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その1
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黙って私の話を聞いていた洋子さんは、別人を見る目で私に顔を向けた。
「ふうん、なるほどね。私のイメージしてる森川さんとはずいぶん違ってる。あ、ごめんね。勝手に他人を判断しちゃいけないわね。ところで何人かの人とおつき合いしたようだけど、恋愛の経験は?」
「ないんです。人を好きになったことはないんです。おかしいですか?」
「おかしくなんかないわ。出会いがなかっただけよ。好きな人がいたなら違った経験になったかもね。さてと、ビジネスの話し。今はインターネットとスマホがある。組織とか他人を通さずに個人経営で働くことが出来るけど、やってみる気はある?」
「でも私には問題が・・・。男の人を喜ばせることは、今も出来ないと思うんです」
「うん、さっきの話だね・・・」と洋子さん、しばらく考え込んでから、
「真知子さんに昔の話をさせたから、お返しにあたしのちょっとした恥ずかしい昔話をするわね」と言った。
洋子さんはコホン、と空咳をしてから、意を決したように話し始めた。
「あたしは五十三になるの。真知子さんなんかよりずっと不細工で、おっぱいやらおなかなんかたるみっぱなし。そんなあたしだけど、今でも男遊びがやめられないの」
洋子さんは旦那さんも子どもさんもいるはずで、仲良く暮らしているんじゃなかったっけ?と思ったけれど黙って聞いていた。
「そう、家族はあるわ。今の旦那と結婚するまで、あたしは経験無しだったの。それがなんでこんなになったかというと、仕事柄ってのかな?ナースの仕事が悪かったのね」
そう言うと、洋子さんは窓の外、遠くの景色に目線を向けた。
「ふうん、なるほどね。私のイメージしてる森川さんとはずいぶん違ってる。あ、ごめんね。勝手に他人を判断しちゃいけないわね。ところで何人かの人とおつき合いしたようだけど、恋愛の経験は?」
「ないんです。人を好きになったことはないんです。おかしいですか?」
「おかしくなんかないわ。出会いがなかっただけよ。好きな人がいたなら違った経験になったかもね。さてと、ビジネスの話し。今はインターネットとスマホがある。組織とか他人を通さずに個人経営で働くことが出来るけど、やってみる気はある?」
「でも私には問題が・・・。男の人を喜ばせることは、今も出来ないと思うんです」
「うん、さっきの話だね・・・」と洋子さん、しばらく考え込んでから、
「真知子さんに昔の話をさせたから、お返しにあたしのちょっとした恥ずかしい昔話をするわね」と言った。
洋子さんはコホン、と空咳をしてから、意を決したように話し始めた。
「あたしは五十三になるの。真知子さんなんかよりずっと不細工で、おっぱいやらおなかなんかたるみっぱなし。そんなあたしだけど、今でも男遊びがやめられないの」
洋子さんは旦那さんも子どもさんもいるはずで、仲良く暮らしているんじゃなかったっけ?と思ったけれど黙って聞いていた。
「そう、家族はあるわ。今の旦那と結婚するまで、あたしは経験無しだったの。それがなんでこんなになったかというと、仕事柄ってのかな?ナースの仕事が悪かったのね」
そう言うと、洋子さんは窓の外、遠くの景色に目線を向けた。
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