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第二章
2-11
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雪が久賀に手紙を差し出したまま動かないので、読んで良いのだと理解して受け取ると手紙に目を通した。
男友達と喧嘩して胸を触らせたら、大人しくなったと…。
————おい。
何を言ってるんだ。
「いつもこんな話をしてるの…?」
「ひっく、そこじゃなくて…違います、その下を読んでください…ひくっ」
促され続きを読めば、薫からの明日の約束が書いてあり、久賀はそれを読んで顔を顰めてしまう。
雪にその顔は見せないよう、手紙で隠しはしたが。
「神社で会おうって書いてあるけど」
「僕、それ読んで会いたくなって…薫の話はいつも面白いし、会った事もない僕の事を友達だって呼んでくれるし! 薫からの手紙を読んでたら前向きになれて!! 会おう、って書いてあるのを読んですごく嬉しくて会って喋りたくなって…ひっく…でも久賀様と会わないって約束してるし、でも明日行かなければもう文通も終わってしまう、って悩んで、明日、久賀様に言わずにこっそり会いに行けばばれないかもって思っちゃったりして…こんなに優しい久賀様に嘘を吐こうとするなんて僕はなんて馬鹿なんだろう…!!!」
わんわんと泣きじゃくる雪に久賀は怒りは沸いては来なかった。
会わないという約束を雪は破ろうとはしたが、良心が痛み、それを悔いて泣いているのだ。最終的には嘘を吐き続けることが出来ず、吐露している。それをどうこう怒る気にならない。雪にちょっかいを出す男には手厳しいし、雪が自分以外と親しくしているのが許せない心狭い男だが雪には甘いのだ。しかもこれは久賀の事で悩んで泣いているのだから、責める必要性はなかった。
それに、なんて従順だろう。
「久賀様に言えなくて。文通も辞めたくないし、でも久賀様に嘘吐きたくないし…悩んでたら食欲なくなって…」
まだグズグズと泣く雪の涙を拭いて上げると、久賀は苦笑しながら答えた。
「素直に白状したんだから、怒らないし、失望もしないよ。悩んだんでしょう? 辛かったね」
と久賀は雪の頭を撫でた。
すると雪は顔をくしゃくしゃにして余計泣きじゃくった。
そんな雪を久賀は引き寄せると、抱き締めた。背中を数回優しく撫でる。
泣かれるのは正直辛い。
近い将来雪を手に入れようとしているが、雪に泣かれるのは正直辛いのである。この男は一番は雪の笑顔が好きなのだ。
「会って話したいの?」
雪は久賀の腕の中で首を縦に振った。
それを見て、やはり久賀の中で黒い靄がかかるのだ。
それは女相手だろうが、雪に会って欲しくはなかった。
交流関係をこれ以上広げさせたくない。
「場所は橋の先だよ。そのずっと先は雪がいた花街。見つかるかもよ?」
「ひっく…明るい時間でもやっぱり駄目ですか…?」
腕の中で、上目遣いで見つめられれば、揺らぐものはある。
しかし、その理性はここで壊すものではなかった。
「雪に危険な目に遭って欲しくないんだよ。怪我をされたら心配でたまらないでしょ」
「薫が前に変な男に絡まれたら股間を蹴り上げろって言ってました」
「まぁ…効果はあるけど。相手が大男ならその足を掴まれて終わりだよ」
それに、と久賀は続けた。
「普段こんな卑猥な話をしてくるの? 嫌がらせじゃないか。あまりこういう話は雪にして欲しくないんだよ」
正直なところ、雪には擦れずに真っ直ぐ育って欲しいのである。
「卑猥…? どの辺が…?」
「胸を触らせたってところが」
「笑い話ではないのですか…?」
お互い解釈違いがあるようだ。
「胸は卑猥なのですか? 久賀様は好きなのに?」
「…好き?」
あぁ、と久賀は頷いた。そういえば過去に雨宿り中に雪がそんな事を言った記憶が蘇る。
あれは、肇が言い出したのではなかったか。元を辿れば、兄貴ではあるが…。
嫌いではないし、寧ろ好きな部類だが、どうも雪とは会話が噛み合わない。
「ごめんね、雪。変な事を聞くけど…雪の中でどれが卑猥な部類に入る?」
久賀に質問をされ、雪は考えた。
しかし、雪の辞書に卑猥という文字がない。
唯一目にした卑猥な物の言えば、由希と久賀が外でまぐわっていたものだが、知識に乏しい雪はあれを抱き締めあっているだけで恋人同士の密会だと思っている。雪には繋がった下半身は見えていなかった。
雪を買った男のイチモツも逃げようと必死だった為、見ていない。
「————なんでしょう?」
「—————」
————そういえば、雪は”下の世話”を知らなかった。
男友達と喧嘩して胸を触らせたら、大人しくなったと…。
————おい。
何を言ってるんだ。
「いつもこんな話をしてるの…?」
「ひっく、そこじゃなくて…違います、その下を読んでください…ひくっ」
促され続きを読めば、薫からの明日の約束が書いてあり、久賀はそれを読んで顔を顰めてしまう。
雪にその顔は見せないよう、手紙で隠しはしたが。
「神社で会おうって書いてあるけど」
「僕、それ読んで会いたくなって…薫の話はいつも面白いし、会った事もない僕の事を友達だって呼んでくれるし! 薫からの手紙を読んでたら前向きになれて!! 会おう、って書いてあるのを読んですごく嬉しくて会って喋りたくなって…ひっく…でも久賀様と会わないって約束してるし、でも明日行かなければもう文通も終わってしまう、って悩んで、明日、久賀様に言わずにこっそり会いに行けばばれないかもって思っちゃったりして…こんなに優しい久賀様に嘘を吐こうとするなんて僕はなんて馬鹿なんだろう…!!!」
わんわんと泣きじゃくる雪に久賀は怒りは沸いては来なかった。
会わないという約束を雪は破ろうとはしたが、良心が痛み、それを悔いて泣いているのだ。最終的には嘘を吐き続けることが出来ず、吐露している。それをどうこう怒る気にならない。雪にちょっかいを出す男には手厳しいし、雪が自分以外と親しくしているのが許せない心狭い男だが雪には甘いのだ。しかもこれは久賀の事で悩んで泣いているのだから、責める必要性はなかった。
それに、なんて従順だろう。
「久賀様に言えなくて。文通も辞めたくないし、でも久賀様に嘘吐きたくないし…悩んでたら食欲なくなって…」
まだグズグズと泣く雪の涙を拭いて上げると、久賀は苦笑しながら答えた。
「素直に白状したんだから、怒らないし、失望もしないよ。悩んだんでしょう? 辛かったね」
と久賀は雪の頭を撫でた。
すると雪は顔をくしゃくしゃにして余計泣きじゃくった。
そんな雪を久賀は引き寄せると、抱き締めた。背中を数回優しく撫でる。
泣かれるのは正直辛い。
近い将来雪を手に入れようとしているが、雪に泣かれるのは正直辛いのである。この男は一番は雪の笑顔が好きなのだ。
「会って話したいの?」
雪は久賀の腕の中で首を縦に振った。
それを見て、やはり久賀の中で黒い靄がかかるのだ。
それは女相手だろうが、雪に会って欲しくはなかった。
交流関係をこれ以上広げさせたくない。
「場所は橋の先だよ。そのずっと先は雪がいた花街。見つかるかもよ?」
「ひっく…明るい時間でもやっぱり駄目ですか…?」
腕の中で、上目遣いで見つめられれば、揺らぐものはある。
しかし、その理性はここで壊すものではなかった。
「雪に危険な目に遭って欲しくないんだよ。怪我をされたら心配でたまらないでしょ」
「薫が前に変な男に絡まれたら股間を蹴り上げろって言ってました」
「まぁ…効果はあるけど。相手が大男ならその足を掴まれて終わりだよ」
それに、と久賀は続けた。
「普段こんな卑猥な話をしてくるの? 嫌がらせじゃないか。あまりこういう話は雪にして欲しくないんだよ」
正直なところ、雪には擦れずに真っ直ぐ育って欲しいのである。
「卑猥…? どの辺が…?」
「胸を触らせたってところが」
「笑い話ではないのですか…?」
お互い解釈違いがあるようだ。
「胸は卑猥なのですか? 久賀様は好きなのに?」
「…好き?」
あぁ、と久賀は頷いた。そういえば過去に雨宿り中に雪がそんな事を言った記憶が蘇る。
あれは、肇が言い出したのではなかったか。元を辿れば、兄貴ではあるが…。
嫌いではないし、寧ろ好きな部類だが、どうも雪とは会話が噛み合わない。
「ごめんね、雪。変な事を聞くけど…雪の中でどれが卑猥な部類に入る?」
久賀に質問をされ、雪は考えた。
しかし、雪の辞書に卑猥という文字がない。
唯一目にした卑猥な物の言えば、由希と久賀が外でまぐわっていたものだが、知識に乏しい雪はあれを抱き締めあっているだけで恋人同士の密会だと思っている。雪には繋がった下半身は見えていなかった。
雪を買った男のイチモツも逃げようと必死だった為、見ていない。
「————なんでしょう?」
「—————」
————そういえば、雪は”下の世話”を知らなかった。
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