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第四章
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足を怪我した雪を久賀は背中に負ぶって来た道を戻った。
女の子らしく頬に丸みが出てきて太ったように見えたが相変わらず軽かった。
「私、太ったんですよ」と声がして「もっと太って」と返すと「久賀様も太って下さい」と返され、思わず男は笑い声を上げた。
道中、老医師の北と出くわし、二人の姿を見て安堵したように目を細めたられ、雪はその顔をじっと見つめた。
何故、自分にあのような嘘を吐いたのかと問おうと思ったが、「良かったね」と優し気に北から微笑まれて、雪はあれは自分を帰らせる為に吐いた嘘なのだと気付いた。自分はそんなに帰りたそうな顔をしていたのだろうか、と思ったが、このような、嘘もあるのだな、と雪は思った。
ふと、久賀の兄があのような嘘を吐いたのも、弟を愛するが為に言ったのかと思った。
愛するからこそ、嘘を吐き、守ろうとした…。
何から守ろうとしたのか、分からないけれど…そういう嘘もあるんだ…。
『嘘』は好きではないけれど、そういう『嘘』を私も吐けたら良い、な…。
でも、誰も傷つけたくないから、吐けないかも…。
雪は久賀の首筋に顔を埋めると、男から嗅ぎ慣れない煙草の匂いが鼻を掠めて、煙草を吸うのだと初めて知った。自分の前では一切吸った所を見た事がなかったからだ。
でも嫌いな匂いではなかった。この男から匂うならば、嫌悪感など湧く訳がないのだから。
女の子らしく頬に丸みが出てきて太ったように見えたが相変わらず軽かった。
「私、太ったんですよ」と声がして「もっと太って」と返すと「久賀様も太って下さい」と返され、思わず男は笑い声を上げた。
道中、老医師の北と出くわし、二人の姿を見て安堵したように目を細めたられ、雪はその顔をじっと見つめた。
何故、自分にあのような嘘を吐いたのかと問おうと思ったが、「良かったね」と優し気に北から微笑まれて、雪はあれは自分を帰らせる為に吐いた嘘なのだと気付いた。自分はそんなに帰りたそうな顔をしていたのだろうか、と思ったが、このような、嘘もあるのだな、と雪は思った。
ふと、久賀の兄があのような嘘を吐いたのも、弟を愛するが為に言ったのかと思った。
愛するからこそ、嘘を吐き、守ろうとした…。
何から守ろうとしたのか、分からないけれど…そういう嘘もあるんだ…。
『嘘』は好きではないけれど、そういう『嘘』を私も吐けたら良い、な…。
でも、誰も傷つけたくないから、吐けないかも…。
雪は久賀の首筋に顔を埋めると、男から嗅ぎ慣れない煙草の匂いが鼻を掠めて、煙草を吸うのだと初めて知った。自分の前では一切吸った所を見た事がなかったからだ。
でも嫌いな匂いではなかった。この男から匂うならば、嫌悪感など湧く訳がないのだから。
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