神様に妻子の魂を人質に取られたおっさんは、地球の未来の為に並行世界を救う。

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102話 男の子ってこういうの好きなんでしょ?

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 三戸達より先んじて帰還していた藤井と中谷が伝えていたのだろう、基地ではみんなが三戸達を出迎えていた。一際巨大なデーモンがトライデントを振っている。

「誘導係かよ」
「でも目立って分かりやすいですね!」

 デーモンを見た三戸とアンジーが、チヌークのコックピットで和んでいる。また、そのデーモンの傍らにはナイチンゲールとアスキーがいたが、アスキーは何やらソワソワしているように見える。恐らくチヌークに吊り下げられているを見ているのだろう。
 チヌークはぶら下げたデーモンを潰さぬよう、絶妙な操縦で着陸する。それを見届けた後、護衛の岡本もライトニングⅡを垂直着陸させた。
 そしてチヌークから降りた三戸がアスキーに声を掛けた。

「まだ生きてると思うからよろしく頼む」
「ヒュー! 素晴らしい手並みだね! 麻酔も使わず生け捕りとは!」

 アスキーが軽いノリで称賛してくる。日本人がやるとちょっとイラッとする口調と仕草だが、このイケメンがやると不思議と嫌味がなくて三戸は笑ってしまった。

「ははは。それは藤井達の手柄だよ。ああ、それから――」
「ん? 何かね?」

 すぐ側に立つデーモンを見ながら三戸は続けた。

「こいつらと意志の疎通は出来るのか?」
「ふむ……今は一方的に命令を伝えるだけだからね。やってみよう」

 アスキーはそれを聞いて真顔になった。三戸が意図する魔物からの情報収集。それを汲み取ったのだろう。

「それじゃあ、宜しく頼む」
「うむ! 任せたまえ!」

 アスキーに声を掛け、捕獲したデーモンの事を任せると、三戸達はテントの中へと入っていった。
 ナイチンゲールとアスキーを除いた全員がテントに集まったところで、三戸達は留守番組から労いの言葉を掛けられた。そのノリで、アダムとエヴァも含めて歓談の場となり、アンジーが用意したレーションに舌鼓を打ちながら思い思いに話に花を咲かせた。

「そう言えばさ、この基地も滑走路やテントだけじゃなくて、もっとしっかりした拠点にした方が良くないか?」

 そんな歓談の最中に、三戸が思い出したように発した言葉。
 拠点を持つ事は、今まで巡った時代ではそれほど重要ではなかった。飛ばされた先には魔物の巣穴があり、すでに人類と魔物との戦いが行われた状況であり、すぐさま戦闘に突入していたからである。
 この時代も魔物に遭遇したのはすぐだったが、今のところ魔物の巣穴は確認されていない。もしかしたら長期間、腰を落ち着けて攻略する必要があるかもしれない。

「そうね。アダムさんとエヴァさんを守る必要がある以上、クリミアのような要塞があればいいかもしれないわ」

 ジャンヌが言うように、クリミアでの難民防衛戦の折に見せた要塞の防御力は実証済み。

「そうなると、また余とエクスカリバーの出番であるな」

 褐色の美女の姿で横に座るエクスカリバーにちらりと目をやりながら、リチャードが頷く。

「そうじゃな。だがまだ敵に見つかっていない現状、要塞を作って目立つのはどうかと思うがの?」
「そこはそれがしに任せていただこうか。青龍の力があれば、木々に紛れされる事も容易かろう」

 ある意味当然とも言えるサラディンの懸念にも、関羽が胸を張って対策案を出す。要は基地を密林で囲ってしまおうという訳だ。

「いいっすね、こういうの! 早速、基地の設計の方、始めましょう!」

 岡本が目を輝かせている。居住区の設定や対地、対空火器の配置など、わいわいと騒ぎながらもとんとん拍子に話が進んでいく。そして大雑把にではあるが設計が決まったところで、関羽とリチャード、そして藤井、中谷、岡本は外に出て行った。リチャードの地形操作であっと言う間に要塞は完成するだろう。藤井達は細かい修正の指示を出すために同行したと思われる。

「なあ、アンジー。迎撃用の兵器を多数配置する事になったが、お前の演算能力の負荷はどうなんだ?」
「う~ん、そうですねえ……」

 三戸の問いかけに、アンジーは顎に人差し指を当てて少し考えた。そして、そのアンジーが言うには、ciwsなどは動力と弾丸を供給するだけで、あとはセンサーやレーダーが自動的に敵をマークするのでそれほど負担はないらしい。
 だが、前回のように複数の機動兵器、ガンタンクや10式、アパッチ・ロングボウなどを遠隔操作しながらの戦闘はさすがにキツいという。

「なるほど。遠隔操作する場合は制御に集中しないとダメだって事なら、ciwsを固定砲台トーチカみたいな運用にしちまった方がいいか」
「そうですね! あっ、でも、陸戦兵器限定なら方法がない事もないです!」

 そう言って、アンジーは両方の手のひらから何かを出現させようと集中を始めた。すると、三十センチ程の大きさの、丸くデフォルメされたデザインの赤いファントムが現れた。

「それ、ラジコンか?」

 どう見てもおもちゃっぽいそれを見て、思わず三戸がそう零す。

「えへへへっ! これは機動兵器制御用のAIです! 可愛くないですか!?」

 アンジーはふよふよと飛び回る、デフォルメされた赤いファントムを見ながら胸を張った。
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