いや、自由に生きろって言われても。

SHO

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西国編

炎の少女

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 「何者だお前は? ただの人間では無さそうだが…その翼は鳥の獣人か?いや、それにしては魔力が強烈すぎる…まあいい。ここは私のテリトリーだ。用が無いなら即刻立ち去れ。」

 空中でソレが来るのを待っていた俺。彼方より飛んで来たのは燃えるような赤髪の少女だった。短めの髪はボーイッシュな印象だがやや丈の短めの赤いワンピースが美少女である事をアピールしている。両手首と足首にバンドを巻いているが、そのバンドの側面には焔を模った意匠のアクセサリーが付いている。それもやはり赤だ。

 しかし、人間でない事は明らかだ。尖った耳。肘から先と膝から下は赤い鱗に覆われている。尻からはトカゲのような尾が生えていてそれにもやはり赤い鱗。そして背中には被膜で出来た赤い翼。

 「なるほど、サラマンダーだな、見た目通りに。」

 「私を火の精霊王サラマンダーと知って尚怯まないとはな。」

 「ああ。そりゃお前に用があって来たからな。アソを噴火させたのお前だろ?」

 「そうだが?」

 「おかげで関係ない人々が甚大な被害を受けた。すぐに山を鎮めろ。」

 「あれは人間共が悪い。海から上陸してきた人間共が我が聖域たる山を荒らし始めた。当然の報いだろう。」

 「山を荒らしていたのは異国の軍隊だろう?元々地元に住んでいた人々は山を崇めていたハズだ。」

 「…知らんな。人間は人間だ。どの国とか私の知った事ではない。」

 なんだコイツ。露骨に狼狽え始めたぞ?受け答えから判断するに、想像と違って結構理性的なヤツだと思っていた。ところが罪もない地元民にまで類が及んだ事に言及した途端にサラマンダーの魔力が荒ぶって来たのだ。

 「…罪もない、お前を崇めていた人達が大勢死んだらしいぞ?住処も失い田畑も荒れ果て、ボロボロになって各地を彷徨っている。」

 「知らん!知らんと言ったら知らん!!私は悪くない!!」

 なんだろうな。子供が親に叱られて素直になれないような、そんな感じだ。索敵にある反応は赤くはない。つまり現段階ではこいつはまだ敵じゃないって事だ。う~む。

 「山を鎮める気は無いか?」

 「無いっ!私に口出しするな!」

 段々興奮状態になって来たな。目つきが…と言うか瞳孔が縦に細長くなってまるで蛇の目だ。キレちまったか?魔力も暴走気味になって来たぞ。

 「鎮めて貰わないと困るんでな。ちょっとばかりお仕置きする事になるが?」

  俺の言葉を聞いたサラマンダーの魔力が膨れ上がる。

   「悪いのは人間どもだ!私は悪くない!何故私がお仕置きされねばならん!」

   サラマンダーが無造作に手を払う。払った手から灼熱の炎が放射され周囲の空気が燃え上がる。

   それにしても、「私は悪くない」とは?多少なりとも罪悪感があるって事か?そしてそれを認めたくないってトコか?

   アクアの水のヴェールに覆われている俺には全く影響はないが、あたり一面は火の海だ。子供の責任転嫁にしちゃちょっとやりすぎだな。やっぱりこれはお仕置き確定だな。

  『風の精霊達よ。延焼を食い止めろ!水の精霊達よ。この巫山戯た火を消してしまえ!』

  俺は精霊達に命じた。今の俺は精霊王そのもの。風と水の精霊は全て俺の支配下だ。風は延焼を食い止めるべく中心にいる俺達に向かって風向きを変える。空には分厚い雨雲が発生し豪雨を降らせる。これで地上にいるスプライト達は大丈夫だろう。精霊達、よくやった。

   「おいこら、火の奴。お前、癇癪を起こしたにしちゃやりすぎだ。今から一発入れるからそこを動くなよ?」

   「…なかなかの力を持っている様だが、こんな小雨程度で私の炎を消せると思うなよ?あまり私を舐めない事だ。」

   ふん。舐めてるのはお前だよ。ちょっとしてやろう。
  
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

書き掛けの原稿があったので短いですが1話アップします。スマホでのタイピングは捗りませんわ…
入院捗りミニマムで1週間程らしいです。早く家に帰りたい(T . T)

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