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【4話】
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「もちろん、ゼレウスも不義密通の罪で公爵家のベルゼ嬢との婚約は解消。後ろ楯がなくなったら王位継承権も破棄させられるだろうな。だからこそ、同じ公爵家のベリルに目を付けた。私を不義密通の罪に仕立てる為に、唆してベルゼ嬢の振りをさせたんだろう?」
私もゼレウスと婚約をした時に誓約書にサインをした。
家でのゼレウスと義妹の不貞行為は使用人の何人かが目撃しているので、言い逃れは出来ないだろう。
「そして、さも私が不貞を働いたかのように巻き込んで転ばせた。そこにタイミング良くメガイラが叫べば、不貞現場の出来上がりだ。ベリルはメガイラが私を問い詰めている間に姿を眩まして着替えれば、今日から学園に復帰したベルゼ嬢に罪を擦り付けられるハズだった」
後妻であるお義母様が、私と私の母の事を悪し様に言っていたからか、義妹も私を見下すようになった。
私の持ち物は全て奪わなければ気が済まない、わがままな義妹。
こんな事に加担しなければそれなりの家に嫁げたでしょうに…。
「私を不貞の罪で廃嫡に追い込み、罪を擦り付けられたベルゼ嬢は、良くて修道院送り、最悪、私を誘惑した悪女として処刑ってところか」
その結果は前回に実際起きた出来事。
「その後は何食わぬ顔で、失意に暮れたメガイラを娶れば、新たな後ろ楯も出来るし、王位継承権も第一になる。腹の子も時期を偽れば生んでも問題はないだろうな。ベリルの血筋だと側室にしてやるとでも言っておけば喜んで協力するだろう。何か不測の事態が起きれば切り捨てるのはベリルだけで済む。どうだ?間違いがあったか?」
「あ…そ‥その…」
「穴だらけの杜撰な計画だな。病に倒れた婚約者をどれだけ蔑ろにしてたんだ?3ヶ月も会わず、見舞いすら行かないなんて、随分と薄情な婚約者だな」
言い逃れ出来ないと解ったのか、ゼレウスは項垂れてその場に膝を付いた。
「お前も義理とはいえ姉妹なのだろう?同じ家に住んでいて顔も合わせないとは、薄情な妹もいたもんだな。優しくて慈悲深いと噂の公爵家の娘はお前ではないな」
震えたままベリルもその場にへたり込んだ。
捨て駒扱いには気付いてないみたいだ。
周りからはヒソヒソと誹謗中傷の声が聞こえる。
2人は抵抗する気力もないのか、大人しく衛兵に縛り上げられていた。
「わたくしは不貞など働いていませんわ!いくらハーディ様とはいえ、言いがかりはやめて下さいまし!」
そんな中、メガイラ様が叫んだ。
「では、腹の子供はなんだ?隠していたようだが、ここ3ヶ月程、度々具合が悪いと言って登城出来ずに妃教育を休んでいたな。悪阻で具合が悪かったんだろう?」
ただ、既にハーディ様が調べていたようだ。
「そ、そんな事はありませんわ!本当に具合が悪くて…「いい加減にしろっ!調べは付いていると言ってるだろう!」…っ」
「お前の家の主治医もお前が妊娠している事を認めたぞ?言え!誰の子だ?」
「…それ‥は…そうですわ!ハーディ様の子で間違いありませんわ!」
諦めが悪いのか、あろう事かハーディ様の子だと言い出したメガイラ様。
ハーディ様の視線に殺気が籠りました。
運悪くメガイラ様の後ろで見ていた生徒が、何人か気を失ったようです。
近くに居る私も気を失いそうになるのを必死で堪えている。
「私達は結婚するまでは清い婚約を貫くと誓約書にサインをし誓ったな?もちろん、私にもそんな記憶はない」
「はい!でも、若気の至りと言うものは誰にでもありますわ!ハーディ様と過ごしたあの夜は忘れられませんでしたわ!」
周りを味方に付けてでも誤魔化そうとしているのか、メガイラ様は語りだした。
「いつの話だ?」
「嫌ですわ。4ヶ月前の晩でございますわ」
「確かに4ヶ月前なのだな?」
「ええ。忘れもしませんわ。あの晩、お酒を召したハーディ様が私を…これ以上はご容赦下さいませ」
あ、メガイラ様詰んだわ。
顔を赤らめて恥ずかしそうに扇子で隠したメガイラ様は、周りからの冷やかな視線に気付いていない。
確かにハーディ様は18歳でお酒を召しても問われない年齢。
だけど、その期間はだめだ。
「4ヶ月前。私はまだこの国に戻ってきてはいない」
「え?」
「交換留学から帰ってきたのは、3ヶ月前だ!」
そう。
ハーディ様は、5ヶ月前から3ヶ月前まで往復2週間はかかる国に交換留学されていた。
「あっ!」
メガイラ様も気付いたみたい。
学園に居る誰もが知っている事を忘れるなんて、言い訳にしてもお粗末過ぎる。
「自分の婚約者がここまで愚かだとはな。正式な決定は後になるだろうが、今はっきり伝えておく。メガイラ、お前との婚約は破棄させてもらう。更に、不義密通の罪に、私とベルゼ嬢を陥れようとした罪。虚偽罪も追加だな。その罪は決して軽くはないと思え。腹の子に罪はないとは言え、罪人の子供として生まれてくる事を肝に命じておくんだな。衛兵は3人を城の幽閉棟に入れておくように」
項垂れたメガイラ様の手首に縄が掛けられる。
妊婦なので考慮されたみたい。
私もゼレウスと婚約をした時に誓約書にサインをした。
家でのゼレウスと義妹の不貞行為は使用人の何人かが目撃しているので、言い逃れは出来ないだろう。
「そして、さも私が不貞を働いたかのように巻き込んで転ばせた。そこにタイミング良くメガイラが叫べば、不貞現場の出来上がりだ。ベリルはメガイラが私を問い詰めている間に姿を眩まして着替えれば、今日から学園に復帰したベルゼ嬢に罪を擦り付けられるハズだった」
後妻であるお義母様が、私と私の母の事を悪し様に言っていたからか、義妹も私を見下すようになった。
私の持ち物は全て奪わなければ気が済まない、わがままな義妹。
こんな事に加担しなければそれなりの家に嫁げたでしょうに…。
「私を不貞の罪で廃嫡に追い込み、罪を擦り付けられたベルゼ嬢は、良くて修道院送り、最悪、私を誘惑した悪女として処刑ってところか」
その結果は前回に実際起きた出来事。
「その後は何食わぬ顔で、失意に暮れたメガイラを娶れば、新たな後ろ楯も出来るし、王位継承権も第一になる。腹の子も時期を偽れば生んでも問題はないだろうな。ベリルの血筋だと側室にしてやるとでも言っておけば喜んで協力するだろう。何か不測の事態が起きれば切り捨てるのはベリルだけで済む。どうだ?間違いがあったか?」
「あ…そ‥その…」
「穴だらけの杜撰な計画だな。病に倒れた婚約者をどれだけ蔑ろにしてたんだ?3ヶ月も会わず、見舞いすら行かないなんて、随分と薄情な婚約者だな」
言い逃れ出来ないと解ったのか、ゼレウスは項垂れてその場に膝を付いた。
「お前も義理とはいえ姉妹なのだろう?同じ家に住んでいて顔も合わせないとは、薄情な妹もいたもんだな。優しくて慈悲深いと噂の公爵家の娘はお前ではないな」
震えたままベリルもその場にへたり込んだ。
捨て駒扱いには気付いてないみたいだ。
周りからはヒソヒソと誹謗中傷の声が聞こえる。
2人は抵抗する気力もないのか、大人しく衛兵に縛り上げられていた。
「わたくしは不貞など働いていませんわ!いくらハーディ様とはいえ、言いがかりはやめて下さいまし!」
そんな中、メガイラ様が叫んだ。
「では、腹の子供はなんだ?隠していたようだが、ここ3ヶ月程、度々具合が悪いと言って登城出来ずに妃教育を休んでいたな。悪阻で具合が悪かったんだろう?」
ただ、既にハーディ様が調べていたようだ。
「そ、そんな事はありませんわ!本当に具合が悪くて…「いい加減にしろっ!調べは付いていると言ってるだろう!」…っ」
「お前の家の主治医もお前が妊娠している事を認めたぞ?言え!誰の子だ?」
「…それ‥は…そうですわ!ハーディ様の子で間違いありませんわ!」
諦めが悪いのか、あろう事かハーディ様の子だと言い出したメガイラ様。
ハーディ様の視線に殺気が籠りました。
運悪くメガイラ様の後ろで見ていた生徒が、何人か気を失ったようです。
近くに居る私も気を失いそうになるのを必死で堪えている。
「私達は結婚するまでは清い婚約を貫くと誓約書にサインをし誓ったな?もちろん、私にもそんな記憶はない」
「はい!でも、若気の至りと言うものは誰にでもありますわ!ハーディ様と過ごしたあの夜は忘れられませんでしたわ!」
周りを味方に付けてでも誤魔化そうとしているのか、メガイラ様は語りだした。
「いつの話だ?」
「嫌ですわ。4ヶ月前の晩でございますわ」
「確かに4ヶ月前なのだな?」
「ええ。忘れもしませんわ。あの晩、お酒を召したハーディ様が私を…これ以上はご容赦下さいませ」
あ、メガイラ様詰んだわ。
顔を赤らめて恥ずかしそうに扇子で隠したメガイラ様は、周りからの冷やかな視線に気付いていない。
確かにハーディ様は18歳でお酒を召しても問われない年齢。
だけど、その期間はだめだ。
「4ヶ月前。私はまだこの国に戻ってきてはいない」
「え?」
「交換留学から帰ってきたのは、3ヶ月前だ!」
そう。
ハーディ様は、5ヶ月前から3ヶ月前まで往復2週間はかかる国に交換留学されていた。
「あっ!」
メガイラ様も気付いたみたい。
学園に居る誰もが知っている事を忘れるなんて、言い訳にしてもお粗末過ぎる。
「自分の婚約者がここまで愚かだとはな。正式な決定は後になるだろうが、今はっきり伝えておく。メガイラ、お前との婚約は破棄させてもらう。更に、不義密通の罪に、私とベルゼ嬢を陥れようとした罪。虚偽罪も追加だな。その罪は決して軽くはないと思え。腹の子に罪はないとは言え、罪人の子供として生まれてくる事を肝に命じておくんだな。衛兵は3人を城の幽閉棟に入れておくように」
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妊婦なので考慮されたみたい。
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