【冤罪で処刑された逆行令嬢は奇策にて冤罪を晴らす】

In・san・i・ty=DoLL

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【6話】

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全ての事が終わるまでに約1年がかかった。

主犯であるベリルは犯罪者用の修道院に送られた。

彼女は生涯そこから出られない。

罰としては重いと思われたが、何しろ狙った人物がこの国の第一王位継承者なのだ。

各貴族からは国外追放や処刑の声も多かったという。

唆された事実もある事から、生涯監視で留まった。

しかし、派手好きで我が儘な彼女には質素な修道院が一番堪えるだろう。

ゼレウスは王位継承権剥奪の上、王家に伝わる罪人の棟に隔離され、二度と子供が作れない体にされたとか。

兄王子を貶める為に立てた計画も酷いが、未婚の女性を何人も妊娠させた罪で、母親である元側室様が厳しく罰するようにと言って出ていかれたからである。

そう。

メガイラだけでなく、ベリルも妊娠していたのだ。

もちろん、ゼレウスの子供。

彼女はゼレウスに惚れていた。

だからこそ、ゼレウスの婚約者になった私の事が嫌いだったのだ。

でなければ、いくらなんでもあんな馬鹿な計画には乗らなかっただろう。

ベリルの子供は、可哀想だが罪人の子供というレッテルを貼られた。

我が儘なベリルでも、自分とゼレウスとの子供ぐらい育てるだろうと思っていたが、捨て駒にされそうになった事実に憤慨し、こんな子供要らないと育児放棄していた。

すぐに救済処置として、公爵家所縁の孤児院に引き取られた。

その孤児院と併設されている修道院には元側室様がいる。

まがりなりにも王家の血が入った子供で、元側室様にとっては孫に当たる。

責任を持って育てると約束してくれた。

他にも3人程ゼレウスの子を身籠っている女性が居た事実に驚いたが、全員身分の低いメイドや学生だった事から強要されたと解り、全員元側室様の元に保護された。

表向きは行儀見習いとなっている。

彼女達の将来を考慮した結果なので、子供はひっそりと取り上げられ孤児院に預けられた。

全員、元側室様の元ですくすく育っている。

メガイラも公爵家改め侯爵家から除籍されたが、身重なまま放り出す訳にもいかず、侯爵家の領地で子供が生まれるまでは監視されていた。

事件から半年後には元気な男の子が生まれた。

生んでからしばらくは侯爵家で面倒を見ていたメガイラも、3ヶ月後には領地からも追い出され、今はどこで何をしているか解らないそう。

貴族だった女性が一人で生きていける程甘い世の中ではないが、一緒に庭師が消えたというので、もしかしたら手を取り合って暮らしているのかもしれない。

唯一の救いは、侯爵家が生まれた子に罪はないからと、生まれてすぐに侯爵家の跡取りとして子供を引き取った事だろうか。

元々、王家に嫁いだメガイラの第二子が継ぐ予定だったのだからと、王家も目を瞑ったようだ。

その代わり、将来は王家の決めた縁談以外は認められないと制限が儲けられた。

まぁ、最善の処置だろう。

元お父様はお爺様によって離縁手続きをされ、公爵家とは縁を切られた。

今はご実家の伯爵家の領地で、大人しく暮らしているらしい。

捕縛された元お義母様は、その後も罵詈雑言の嵐で、陛下をも罵った為に不敬罪として牢に入れられた。

罪としては計画を知っていただけなので、反省さえすればすぐに牢から出られたというのに、元お父様と離縁され、牢から出ても前のような華やかな生活は出来ないと知った元お義母様は、狂ったように喚きながら看守に掴みかかって罪を増やし、そうこうしている内に、今では罪人奴隷として過酷な場所で働かされていると聞いた。

元お義母様は一体どんな罪を犯したのやら…。

一応これで関係者の処罰は終わった形になる。

私はと言えば、減量生活でようやく元の体型に戻ったところ。

太るのはすぐなのに、痩せるのには3倍以上かかった。

でも、まぁ、死ぬ運命よりはましだろう。

領地からお爺様が来た当初は私の体型に驚いていたが、事件の全容を知った途端、抱き締めてくれた。

毎月来る報告には私の筆跡に似せた手紙があり、恙無く暮らしていると思っていたそうだ。

実際は、元お父様には無視され居ない者として扱われていた。

会話は必要事項だけ、一方的に告げられる。

元お義母様には罵られて蔑まれ、体罰は無かったにしろ、まともな口を聞いた事は無かった。

元義妹には好き勝手され、私物といえるものは両手で数える程しか残っていなかった。

お母様の形見の品も全て義妹の部屋から出てきたぐらいだ。

一応、第二王子の婚約者という事で、醜聞にならない最低限の生活が出来ていただけ。

食事が抜かれる事はないが、一緒に食べた記憶もない。

必要な夜会やお茶会には、婚約者としてゼレウスからドレスや宝石一式が送られてきたが、終われば義妹が部屋から持っていく。

そんな私に同情した使用人達は、表立っては無理だが、裏ではとても良くしてくれていた。

汚されたドレスはこっそり綺麗に洗濯されていたり、家族旅行で私だけ置いていかれた時は、これでもかと豪華な食事やおやつを作ってくれた。

だから、ツラくはなかったと言える。

この1年も、負担にならないような減量計画を立ててくれ、食事や運動に気を使って貰った。

この春に学園を卒業してようやく全てが終わった。

…と、思っていた。
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