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≪本編≫
【本編35】
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十夜さんを残してインターフォンのモニターを確認しに行くと、木村さんだった。
「遅くなってすいません」
木村さんはカメラ越しに頭を下げている。
「大丈夫です。あの、少し出掛けたいんですけど契約外ですか?」
「どちらへ?」
「十夜さん達が借りてるマンションです。明日使う荷物を今の内に取りに行きたいんです」
「そうですか…解りました。それなら、車を出しますね。その方が安全でしょう」
木村さんは少し考えていたけど、了承して提案してくれた。
電車で行く気だったからありがたい。
「支度が出来たら降りてきて下さい。下で車を用意しておきますね」
「ありがとうございます。お願いします」
よし。
「十夜さん、木村さんが行ってくれるって…支度、早いですね」
「聞こえてたし、ヅラ被って眼鏡かけるだけだもん」
「まぁ。そうですね」
十夜さんは先に玄関に行って上着を着ている。
俺もその後に続いて、上着を着て財布とスマホを上着のサイドポケットに入れる。
「十夜さん。マフラー忘れてる」
「ん」
差し出すと、そのまま頭を差し出される。
可愛いなぁ。
そう思いながら巻いてあげる。
「ありがと。お前はしないの?」
「俺はそこまで寒くないから大丈夫です」
下駄箱の上にあったスマホを持って、2人でマンションの地下にある駐車場に向かう。
敷地内も警戒は必要だけど、このマンションには最上階専用エレベーターがあり、直通で地下まで行ける。
母さんが拘ったエレベーターだ。
そして、地下の駐車場はエレベーター前に車を停めておけるようになっていて、エレベーターのドアが開くとそのまま車に乗り込めるようになっている。
まぁ、これはマスコミやファン対策だよね。
「あ、さすがにちぃと竜也に連絡しなきゃまずいかな」
車に乗り込んでから十夜さんが言い出した。
「お二人側には護衛の方々に私からご連絡しておきましたよ」
「じゃ、いいですね」
木村さんがそう言うから、俺は電話しようと手に持っていたスマホを上着の胸ポケットに入れた。
慣れてないからと車のナビじゃなくてスマホのナビを開く木村さん。
木村さんに聞かれるまま、十夜さん達のマンションの住所を教えて車で向かってもらう。
「大体1時間ぐらいの距離ですね」
木村さんはそう言って車を走らせた。
免許が無い俺には距離と時間の感覚が解らない。
ただ、今日は金曜日だから、今の時間だと混むのかな?ぐらいだったけど。
十夜さんと明日の撮影の話をしてる内に十夜さん達のマンションに付いた。
駐車場に車を停めて3人で部屋に向かう。
「一応、私が先に行きますので、鍵を貸して頂けますか?」
エントランスに入ると、木村さんが回りを警戒しながら十夜さんに言った。
十夜さんは素直に鍵を取り出し、木村さんに渡した。
「部屋番号は?」
木村さんは警戒して緊張しているのか、声が大きくなってしまっている。
「208」
「208号室ですね?ああ、開きました」
小声で言った十夜さんの部屋番をでかい声で繰り返した。
木村さん、大丈夫?
「遅くなってすいません」
木村さんはカメラ越しに頭を下げている。
「大丈夫です。あの、少し出掛けたいんですけど契約外ですか?」
「どちらへ?」
「十夜さん達が借りてるマンションです。明日使う荷物を今の内に取りに行きたいんです」
「そうですか…解りました。それなら、車を出しますね。その方が安全でしょう」
木村さんは少し考えていたけど、了承して提案してくれた。
電車で行く気だったからありがたい。
「支度が出来たら降りてきて下さい。下で車を用意しておきますね」
「ありがとうございます。お願いします」
よし。
「十夜さん、木村さんが行ってくれるって…支度、早いですね」
「聞こえてたし、ヅラ被って眼鏡かけるだけだもん」
「まぁ。そうですね」
十夜さんは先に玄関に行って上着を着ている。
俺もその後に続いて、上着を着て財布とスマホを上着のサイドポケットに入れる。
「十夜さん。マフラー忘れてる」
「ん」
差し出すと、そのまま頭を差し出される。
可愛いなぁ。
そう思いながら巻いてあげる。
「ありがと。お前はしないの?」
「俺はそこまで寒くないから大丈夫です」
下駄箱の上にあったスマホを持って、2人でマンションの地下にある駐車場に向かう。
敷地内も警戒は必要だけど、このマンションには最上階専用エレベーターがあり、直通で地下まで行ける。
母さんが拘ったエレベーターだ。
そして、地下の駐車場はエレベーター前に車を停めておけるようになっていて、エレベーターのドアが開くとそのまま車に乗り込めるようになっている。
まぁ、これはマスコミやファン対策だよね。
「あ、さすがにちぃと竜也に連絡しなきゃまずいかな」
車に乗り込んでから十夜さんが言い出した。
「お二人側には護衛の方々に私からご連絡しておきましたよ」
「じゃ、いいですね」
木村さんがそう言うから、俺は電話しようと手に持っていたスマホを上着の胸ポケットに入れた。
慣れてないからと車のナビじゃなくてスマホのナビを開く木村さん。
木村さんに聞かれるまま、十夜さん達のマンションの住所を教えて車で向かってもらう。
「大体1時間ぐらいの距離ですね」
木村さんはそう言って車を走らせた。
免許が無い俺には距離と時間の感覚が解らない。
ただ、今日は金曜日だから、今の時間だと混むのかな?ぐらいだったけど。
十夜さんと明日の撮影の話をしてる内に十夜さん達のマンションに付いた。
駐車場に車を停めて3人で部屋に向かう。
「一応、私が先に行きますので、鍵を貸して頂けますか?」
エントランスに入ると、木村さんが回りを警戒しながら十夜さんに言った。
十夜さんは素直に鍵を取り出し、木村さんに渡した。
「部屋番号は?」
木村さんは警戒して緊張しているのか、声が大きくなってしまっている。
「208」
「208号室ですね?ああ、開きました」
小声で言った十夜さんの部屋番をでかい声で繰り返した。
木村さん、大丈夫?
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