誰か、僕の怠惰を聴いてくれ!

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パスタが食べたい僕

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パスタが食べたい。そう思ってしまった。



御覧の通り。具材がない。



買ってくるか。



…。外に出るのか…。



仕方ない。身だしなみを整えよう。



-------------------



鏡の前に立つ。顔がぶちゃいく。



うつろな目。半開きの口。



機嫌でも悪いんですか。



なんとなく笑ってみる。



ボサボサの髪が目立つ。まずはここから。



僕は天パよ!聴いてくれ。



これが現代アート。社会の混沌。



この髪が過去を向いていて。この髪が未来を向いている。



人それぞれの行く方向を表している。



なわけあるか。



これを直すのは社会ぐらい複雑だけど。



とりあえず、シャワーを浴びよう。



お風呂場はカラオケボックス。



マイク片手に大熱唱。水が出るけど。



響きがちょうど良い。上手く聞こえる。



--------------------



ふう、すっきり。髪が落ち着いている。



このままなら、いけるな。乾けばね。



ここからが問題。面倒な問題。



ドライヤーとの共同戦線。



方向性の違いを起こさせないように。



ドライヤーがまとめてくれる。



右に乾かして。左に乾かして。



髪を押さえて。風を当てて。



よし。どうだ。鏡を見る。



前髪「僕は上を目指します!」



殺意を覚える。



お前が上を目指したところで、こっちは下を向くしかないねん。



前髪の意志は固い。何を言っても折れないようだ。



僕「上だけ見てると足下に転がる大事なものを見逃してしまうよ」



・・・。少し自分に響いてくる。



僕「足元を見てごらん」



前髪が下を向く。



僕「大切なものは意外と身近に広がっているものさ」



前髪「確かに・・・。でも!」



僕「こーら。」



前髪が上を見るのを抑える。そして続ける。



僕「でも気付くことはできたよね。ほら見て、神様から頑張ったご褒美だよ。」



天パ神、ヘ・アスプレーの降臨。振りまかれる純白な神からのお恵み。



前髪も神の尊厳さに頭があがらない。今も尚、祈りを捧げている。



神をセットした。これで髪をセットした。



--------------------



・・・。なにをしているのだろうか。



風邪を引いてしまう。服を着よう。



服選びとは非常にめんどくさい。



おしゃれに興味がない。組み合わせがわからない。



常にくじを引いている感覚。



そこにある服を適当に引っ張ってくる。



正解のないパズルはきらいだ。



自由でいいんだよ。その通り。



でも、正解を心の拠り所として、そこから昇華させたい。



だから、悩んでいるのだ。



単に面倒だからじゃない。



よし。考え抜いた。



いつもの服でいいや。



後は。歯を磨いてと。



これで口臭の公衆衛生が保たれた。



さて、出かけるか。



玄関で座って靴を履く。



さて、出かけるか。



体に力を入れる。



さて、出かけるか。



重い腰を上げる。



さて、出かけるか。



重い腰を下ろす。



さて、出かけるか。



・・・。



めんどくさくなってきた。



こういうときは勢いに乗らないと。



足を前に出せ。パスタ食べるんだろう。



パスタ。パスタ。



せーの、パスタ。



我ながらやばいな。



ご褒美はパスタだ。



帰ったら、パスタが待っている。



今日は頑張った。せっかくだし楽しもうではないか。



そう、僕の怠惰が言っている。



怠惰を自負している癖に、どこか大人になれないその怠惰と共に。



今日も僕は生きる。
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