誰か、僕の怠惰を聴いてくれ!

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買い物に行く僕

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外に出るのが嫌いだ。



普段社会に揉まれると疲労が溜まる。



決して誰かが悪いということではない。



ただ、そこに生まれる雰囲気を人一倍感じ取ってしまう。



気にしすぎと言われればそれまでなのだが。



その疲れを癒すために家は最高の場だ。



1人になれる。誰にも邪魔されない。



だから、外に出たくない。



土日ぐらい休ませてくれ。休日の父親がそう言っていた。



今ならその気持ちが分かる気がする。



少なくとも僕は何も成し遂げていないのだが。



ただ、怠惰に身を任せている。



その怠惰の中にたまに顔を出すものがある。



“きまぐれ”というやつだ。



シェフのきまぐれパスタ。今日がそれだ。



-----------------------



外に出た。どこに買い物に行こうか。



大型スーパーは歩いて15分。遠い。



しかしある程度の材料を得るにはスーパーが適切だろう。



知り合いに会う可能性はあるが。できれば会いたくない。



決して会いたくないというわけではない。



ただ、会ったときに話さないといけない。



急に起こるイベントが苦手なのだ。一連の流れに身を任せていたい。



うまく話せているだろうか。



うまく笑えているだろうか。



そんなことを考える。



ありのままで話せればいいが、心の中の何かがそれを邪魔する。



心の中で何かが引っかかる感覚。



気を遣いすぎている自分を嘆く。



結局、疲労が溜まる原因は自分自身であることに後から気づく。



…。今日はいっぱい食べよ。



外に出るのが嫌いといったが、外に出てしまえばこっちのものだ。



矛盾しているようだが。



ただ、ある行動を一つ起こすための心の壁を乗り越えるのが大変なのだ。



まあ、パスタで簡単に乗り越えたんですけどね(^^♪



のんびり歩くのは嫌いではない。マイペース、マイペース。



おっと、狭い道だ。



この道は車が二台通れないのになぜ一通ではないのか。



前から1人、車が1台。



どちらが避けるべきだろうか。



でも左にはみ出るのは危険だ。この人も後ろの車に気づいていないかもしれない。



僕が右に避けよう。



…。鏡でも見ているのだろうか。



左、右、左、右。



お互いにダンスをしている。



終演にゲストに一礼して終了。



ゲストから祝福のクラクション。



お楽しみいただけただろうか。



広い道にでた。



信号が点滅した。渡れないか。



あーっと。曲がろうとしている車が止まっている。



渡れるような渡れないような絶妙な位置。



多分あと3回ぐらいの点滅で赤に変わる。



こっちの道です。渡りません。



感謝を伝える。こっちの道へ。



車を見送る。



Uターンする。信号を待つ。



何をやっているんだ。僕は。



スーパーは目の前だ。信号を渡る。



-----------------------



スーパーについた。入口はあそこだ。



大型駐車場を通る。どこを通っていいものか。



足がふわふわする。たぶん空も飛べる。



入口について、かごをとる。



このフィットしない手持ちが良い。



野菜コーナーのお出迎え。



野菜たち「暑かったでしょう。」



冷ややかな水蒸気と共に。



今日はどのパスタソースにしようか。



トマトを入れよう。ミニトマトをかごに入れる。



おしゃれじゃん。



バジルなんかいれちゃおう。



これで僕もイタリアーノ。トレビアーノ。



トマト缶も買おう。トマトからソースを作る技術はない。



パスタはあるし。調味料は…。



さしすせそ。



砂糖、塩…。家にあるだろう。



お会計は…。



…。あるよな。



戻る。目の前に立つ。



あったはず。



…買うか。



でもあったときの無駄金だけは控えたい。



よし、買わなくていい。



最悪、塩が無くても。砂糖があれば。



ちょっと甘めなのが好きだ。異論は認める。



-----------------------



お会計に進む。セルフレジへ。



1人でピッピ、ピッピするのが楽しい。



童心に帰った気分。



ピっ。



「年齢確認商品です。」



おっと。聞かなかったことに。



これで終わりと。現金、現金。



「お会計は1469円です。」



(店内BGM~運命~)



9円だと…。



おい、一番めんどくさいじゃないか。



5円玉と1円玉4枚。



どうしてあと1円頑張んなかったんだ。



ちょっとぐらい背伸びしたっていいじゃないかあ!(よくない)



財布にあると思うか!普段きっちりおつりが出ないようn…



ジャラ…



してませんでした。



5円と…



イチマーイ。



ニマーイ。



サンマーイ。







イチマイタリナーイ。



膝から崩れ落ちる。



心の中で。



スッ。



1500円と。



僕は敗北したのである。神から見放されたのだ。



「お会計ありがとうございました。」



ビー



その“かみ”はいらない!!



…。帰ろう。



剣士の背中は大きい。



「この戦いが終わったら、絶対にパスタ作るんだ。」



ダンジョンの出口から一歩踏み出す。



旗が立つ。



あ、今日ポイント3倍デーか。



…まあ、いいや。



家に帰ろう。



嗚呼、今日も平和だった。



先ほど、来た道をまたなぞる様に歩く。



歩く。ただ歩く。



怠惰の中の“きまぐれ”を噛みしめながら。



ただ歩いている。
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