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第二話
魔法学校
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明るい。朝なのに、明るい。あのホテル暗いところに立ってたから絶対有り得ないのに、、、。ぱちっと瞼を上げた。
あれ、天井が白い。雨漏りしまくった焦茶だったはず、、、。むくっと起き上がると、明らかにいつもと違う。あ、そうだ。ここは魔法学校の寮。私、魔界に来たんだった。ベッド横のサイドテーブルの上に置いてある時計を見た。午前4時。まだ全然早いな。ボフンとベッドに寝っ転がった。
「暇だなぁ。」
いつもこの時間に起きてバイトに行っているから、暇で暇で仕方がない。ちらっと寝っ転がりながら窓を見た。この前夕日見て、下見たら確か中庭があった。
「行ってみよっと。」
どうせ暇だしね。扉側の壁にいあるクローゼットを開いた。制服が入っていた。なぜ制服と分かったかというと、雷神も同じようなものを着ていたからだ。紺色のポンチョのようなもの。そこには赤い宝石の入ったブローチが。あれ、これって扉に埋め込まれてたやつと同じだ。なんかシンボルみたいなもんなのかな。紺色のスカート。パパッと着替えてガチャっとドアを開けた。多分雷神はまだ寝てんな。そっと玄関を出て、階段を下っていった。
降りているうちに、寮は4階にあるということがわかった。3階には食堂と体育館見たいなところ。2階には教室。1階には職員室や理科室見たいな特別教室。1階から外に出ると大きな中庭があった。白い石が敷き詰められていて、それをぐるりと囲うようにネモフィラの花が植えてあった。真ん中には丸く花壇があって、そこには白い石像があった。私より少し年上の女の人。それを囲うようにクリスマスローズのような薄紫色の花が植えてあった。あれ、この人、私に似て、、、。と思ったら、ギュルルとお腹がなった。時計を見ると、6時半。そろそろ戻ろっと。
自分の寮の扉のまあ絵で立ち止まり、コンコンと扉を叩いた。するとギィィっと扉があいた。
「どこ行ってたんだ?まだ寝てるのかと思った。」
びっくりした顔をした雷神に、
「いや、ちょっと探検に、、、。」
はははと笑いながら言うと、ふわっと美味しそうなトーストや目玉焼き、ソーセージの香りがした。
「なにこれ、いい匂い。」
鼻をヒクヒクさせながら聞くと、
「朝ごはんだよ。もうできてんぞ。」
雷神が当たり前のように言った。
こいつ料理できたんだな。てかめっちゃ美味しそうな匂いする、、、。
テーブルに向かうと、食欲のそそる香りと見た目。
「いただきます、、、。」
パクッと一口含むと、
「うま!」
キラッと目を輝かせた。いや、高級ホテルの朝食か!てかここホテルみたいな内装だし、、、。こういう手作りとか久しぶりに食べたな。夢中でガツガツ食べていると、雷神が私をじっと見ていることに気づいた。
「?何?」
私がきょとんと聞くと、雷神がいや、といい、
「俺、お前のこと観察してたんだけどさ。こんなに感情豊かだったんだな。って。バイトしてる時も、家にいる時も、全然表情変わってなかったし。」
それは、、、。
「多分、誰かといるからだと思う。こんな、友達とかと一緒にいるの、久しぶりだから。」
前は、顔も名前も覚えてないけど、誰かと一緒に毎日遊んでいた気がする。、、、あれは、誰だったんだろう。
雷神が食べ終わった皿を片付けていると、
「お前、料理できんの?」
そう唐突に聞かれた。
「いや、できないけど。」
「んじゃ、明日の朝ご飯今日のうちに購買、、、食堂にあるから、そこで買っといて。今日は俺が、明日はお前がで交代に朝ごはんと夕飯作るから。昼は食堂で各自な。」
なるほど。とか色々話していたら、いつの間にか7時50分になっていて、2人で教室まで向かった。すると教室の前で先生が、
「女神さん!そこの入り口で待ってて!」
と教室の前で言われたので、言われた通りそこでまった。
そして先生が、
「はいみんな席座ってー。今日は、転校生を紹介しまーす。」
すると教室がザワっとした。雷神くんのパートナーかな?とか人間なんでしょ?楽しみ~と言う声が聞こえてきた。うわーーめっちゃ緊張する、、、。
少し緊張しながら教室に入り、
「女神 女衣歌です。えっと、よろしくお願いします。」
ぺこっとお辞儀をすると、ぱちぱちと拍手をしてくれた。顔を上げると、みんなニコニコしていた。こうしてみると、黒髪、金髪、茶髪、赤毛、目の色も、青、緑、黒、茶色、紫まで。でも、赤は、、、。
「じゃ、女神さんは雷神くんの隣ね~。」
雷神の隣の空席を指さして言われた。
そこの席に着くと、5分休憩中人がドッと押し寄せてきた。
「どこの国から来たの?」
「目赤~いすごい綺麗!」
「魔法って何?」
めっちゃきた、、、。
「えっと、日本から来ました。魔法??」
「あ、お前魔法調べてもらってないのか。」
雷神に言われた。
「あ、女神さん!ちょっと来てくれる?」
先生が人混みをかき分けて私に言った。先生のところに行くと、
「ここにいる子はみんな、一人一人自分だけの魔法を持っているの。だから、女神さんがパートナーに選ばれたってことは、才能があるってこと。それを調べに今から校長先生のところに行くね。」
長い廊下の突き当たりに、大きな大きなドアがあった。
そしてやはり、取っ手がなかった。しかし、肝心の宝石がとても小さく、普通のものの10分の1くらいの大きさだった。すると先生は髪を縛っていたゴムを外した。それにはドアに入っているものと同じくらいの大きさの宝石が付いていた。それをコツンとドアに埋め込まれているものにぶつけた。するとゴゴゴゴゴゴゴゴと音を立てて、大きな扉が開いた。中には大きな机と、その後ろにお婆さんが座っていた。
先生が失礼しますと言ったので、私もボソボソっと失礼しますと言った。
「こんにちは。あなたが女神さんね。では、少し調べさせてもらいますね。」
校長先生がそういうと、ぼうっと私の制服についていたブローチが光った。
「ふむ、、、。なるほど、、、。はぁ、、、。」
あまりにも期待できない様子に、私は眉を顰めて、
「あのう、どうです?」
と心配そうに聞いた。すると校長先生はため息をついて、
「あなたは、そのう、なんというか、魔法っていう魔法がないですね。あ、でも、あなたは剣が使えます!『魔剣』という魔界独自の剣が。でも、今は魔剣を使える人がいないんです。だから、魔法の剣、、、。水で剣を作り出し、それで攻撃するという方に教えてもらえれば良いのですが、そういう先生は今いないんです。だから、クラスの誰かに教えてもらえればいいのですが、、、。」
すると先生が、申し訳なさそうに、
「すみません、今はそういう生徒はうちにいなくて、、、。」
と言った。
「そう、いいのよ。あなたのせいじゃないもの。でも、とりあえず魔剣だけ渡しておくわね。体育館みたいなところに練習場があるから、よければ放課後にでも練習してみてね。」
「わかり、ました。」
私は少し戸惑いながら返事をし、教室へ戻った。
「校長先生はなんて?」
雷神が聞いてきた。
「魔剣ってやつだって。」
私がいうと、魔剣?と聞き返してきた。
「魔剣って使うやつなんか滅多にいなくない?俺だってみたことないし。、、、いや、一回だけ見たことあるかも。小さい時に。あれって、誰だったんだ?」
ぶつぶつと呟いている雷神を見て、何かが引っかかった。そんなことを考えていると、チャイムがなった。
「ねぇ、次って何やるの?」
そう聞くと、
「次は魔法科学だ。多分魔力増加の薬作るんだと思う。あ、あと移動教室だから遅刻すんなよ。」
魔法科学???魔力増加の薬???
よくわからないが、とりあえず寮から持ってきた教科書とかを用意しておく。みんなが行く方について行くと、大きな黒い鍋がずらっと並んだ部屋についた。わぁ、魔法の薬作る感がやばい!
「じゃあ、班ごとに始めるよ。手順はこの前確認したし、やり方の書いた紙も机に置いておくから、始めてどうぞ!」
先生はこんなこと話しているが、私はどこに行けばいいのかさえわからないから、キョロキョロとしていると、雷神がこっちこっちと手招きしたので、雷神の方へ行くと、机と黒い鍋が。机の上には、中庭に咲いていた紫色のクリスマスローズみたいな花。花びらの尖った白い花。黒い百合、謎のドロっとした液体。
そして一番最初に私の目に止まったもの。赤色の宝石。なぜかわからないけど、それが気になって気になって、、、。
「おーい、転校生!」
パンっと私の顔の前で手を叩かれた。びっくりして顔を上げると、赤ちゃっぽい髪のそばかすの少年。いや、私も少女か。隣には、白い髪の女の子。
「よろしくね、めーか!」
すごいな。初対面に向かってタメ、、、。
「この4人が班だから、ちゃんと覚えとけよ。」
雷神が私に言った。そして「あと」と繋げた。
「こっちの白いのが想神 想。で、こっちの生意気そうなほうが火神 炎。」
生意気そうとはなんだ!と炎?がツッコミを入れた。
「ほら、早く始めるぞ。」
炎を怒らせたことをしれっと忘れ、雷神が仕切った。まず想がポイポイポイと机の上に置いてあったものを鍋に入れた。
「ここからが大事だ。みんな、この鍋に魔力を込めろ。」
雷神に言われ、みんな鍋に手をかざした。
「え、やり方わかんないんだけど、、、。」
私が聞き返すと、
「ま、力込めればいいんだよ。手からビーム出すイメージ?」
そんなテキトーな、、、。苦笑いを浮かべたが、そのあとググッと私は力を入れた。
そのあとコップのようなもので鍋の中の液体をとり、ずずっと雷神が飲み込んだ。
「ん、いい感じ。お前らも飲めよ?」
トクトクボトルに注ぎながらニコッと笑って言った。
配られて液体を飲んだ。げ、にっが、、、。
みんな渋い顔をしていた。
「お前らなぁ、俺は美味しいからいい感じって言ったんじゃないんだからな?魔力がちゃんと入ってるかどうかのことだからな?」
どうやら雷神も正直美味しくなかったらしい。みんなで苦い~とか言いながら飲み干し、少し面白くてくすくすみんなで笑いながら時間が過ぎていった。
なんて過ごしていたら、放課後になっていた。そういえば。もらった魔剣を見た。体育館に練習場があるとか言ってたな。行ってみよ。そう思い体育館にむかった。ほんとだ。なんか棒みたいなのある。
私はスゥっと剣を抜いた。重たい感じが何か、、、。カンっと棒に魔剣を叩きつけた。あれ、これ、、、。カッカッカカンっキンと音を鳴らした。なんか、懐かしいような、、、。飛んだりして踊るように練習をしていると、いつの間にか2時間が過ぎていた。汗でベタベタになった。寮に戻ったらシャワー浴びよ。重たい剣を持ち帰ってシャワーを浴びて、ベッドに寝っ転がった。そういえば、さっきなんで懐かしいって思ったんだろ、、、。ま、いいや。
あれ、天井が白い。雨漏りしまくった焦茶だったはず、、、。むくっと起き上がると、明らかにいつもと違う。あ、そうだ。ここは魔法学校の寮。私、魔界に来たんだった。ベッド横のサイドテーブルの上に置いてある時計を見た。午前4時。まだ全然早いな。ボフンとベッドに寝っ転がった。
「暇だなぁ。」
いつもこの時間に起きてバイトに行っているから、暇で暇で仕方がない。ちらっと寝っ転がりながら窓を見た。この前夕日見て、下見たら確か中庭があった。
「行ってみよっと。」
どうせ暇だしね。扉側の壁にいあるクローゼットを開いた。制服が入っていた。なぜ制服と分かったかというと、雷神も同じようなものを着ていたからだ。紺色のポンチョのようなもの。そこには赤い宝石の入ったブローチが。あれ、これって扉に埋め込まれてたやつと同じだ。なんかシンボルみたいなもんなのかな。紺色のスカート。パパッと着替えてガチャっとドアを開けた。多分雷神はまだ寝てんな。そっと玄関を出て、階段を下っていった。
降りているうちに、寮は4階にあるということがわかった。3階には食堂と体育館見たいなところ。2階には教室。1階には職員室や理科室見たいな特別教室。1階から外に出ると大きな中庭があった。白い石が敷き詰められていて、それをぐるりと囲うようにネモフィラの花が植えてあった。真ん中には丸く花壇があって、そこには白い石像があった。私より少し年上の女の人。それを囲うようにクリスマスローズのような薄紫色の花が植えてあった。あれ、この人、私に似て、、、。と思ったら、ギュルルとお腹がなった。時計を見ると、6時半。そろそろ戻ろっと。
自分の寮の扉のまあ絵で立ち止まり、コンコンと扉を叩いた。するとギィィっと扉があいた。
「どこ行ってたんだ?まだ寝てるのかと思った。」
びっくりした顔をした雷神に、
「いや、ちょっと探検に、、、。」
はははと笑いながら言うと、ふわっと美味しそうなトーストや目玉焼き、ソーセージの香りがした。
「なにこれ、いい匂い。」
鼻をヒクヒクさせながら聞くと、
「朝ごはんだよ。もうできてんぞ。」
雷神が当たり前のように言った。
こいつ料理できたんだな。てかめっちゃ美味しそうな匂いする、、、。
テーブルに向かうと、食欲のそそる香りと見た目。
「いただきます、、、。」
パクッと一口含むと、
「うま!」
キラッと目を輝かせた。いや、高級ホテルの朝食か!てかここホテルみたいな内装だし、、、。こういう手作りとか久しぶりに食べたな。夢中でガツガツ食べていると、雷神が私をじっと見ていることに気づいた。
「?何?」
私がきょとんと聞くと、雷神がいや、といい、
「俺、お前のこと観察してたんだけどさ。こんなに感情豊かだったんだな。って。バイトしてる時も、家にいる時も、全然表情変わってなかったし。」
それは、、、。
「多分、誰かといるからだと思う。こんな、友達とかと一緒にいるの、久しぶりだから。」
前は、顔も名前も覚えてないけど、誰かと一緒に毎日遊んでいた気がする。、、、あれは、誰だったんだろう。
雷神が食べ終わった皿を片付けていると、
「お前、料理できんの?」
そう唐突に聞かれた。
「いや、できないけど。」
「んじゃ、明日の朝ご飯今日のうちに購買、、、食堂にあるから、そこで買っといて。今日は俺が、明日はお前がで交代に朝ごはんと夕飯作るから。昼は食堂で各自な。」
なるほど。とか色々話していたら、いつの間にか7時50分になっていて、2人で教室まで向かった。すると教室の前で先生が、
「女神さん!そこの入り口で待ってて!」
と教室の前で言われたので、言われた通りそこでまった。
そして先生が、
「はいみんな席座ってー。今日は、転校生を紹介しまーす。」
すると教室がザワっとした。雷神くんのパートナーかな?とか人間なんでしょ?楽しみ~と言う声が聞こえてきた。うわーーめっちゃ緊張する、、、。
少し緊張しながら教室に入り、
「女神 女衣歌です。えっと、よろしくお願いします。」
ぺこっとお辞儀をすると、ぱちぱちと拍手をしてくれた。顔を上げると、みんなニコニコしていた。こうしてみると、黒髪、金髪、茶髪、赤毛、目の色も、青、緑、黒、茶色、紫まで。でも、赤は、、、。
「じゃ、女神さんは雷神くんの隣ね~。」
雷神の隣の空席を指さして言われた。
そこの席に着くと、5分休憩中人がドッと押し寄せてきた。
「どこの国から来たの?」
「目赤~いすごい綺麗!」
「魔法って何?」
めっちゃきた、、、。
「えっと、日本から来ました。魔法??」
「あ、お前魔法調べてもらってないのか。」
雷神に言われた。
「あ、女神さん!ちょっと来てくれる?」
先生が人混みをかき分けて私に言った。先生のところに行くと、
「ここにいる子はみんな、一人一人自分だけの魔法を持っているの。だから、女神さんがパートナーに選ばれたってことは、才能があるってこと。それを調べに今から校長先生のところに行くね。」
長い廊下の突き当たりに、大きな大きなドアがあった。
そしてやはり、取っ手がなかった。しかし、肝心の宝石がとても小さく、普通のものの10分の1くらいの大きさだった。すると先生は髪を縛っていたゴムを外した。それにはドアに入っているものと同じくらいの大きさの宝石が付いていた。それをコツンとドアに埋め込まれているものにぶつけた。するとゴゴゴゴゴゴゴゴと音を立てて、大きな扉が開いた。中には大きな机と、その後ろにお婆さんが座っていた。
先生が失礼しますと言ったので、私もボソボソっと失礼しますと言った。
「こんにちは。あなたが女神さんね。では、少し調べさせてもらいますね。」
校長先生がそういうと、ぼうっと私の制服についていたブローチが光った。
「ふむ、、、。なるほど、、、。はぁ、、、。」
あまりにも期待できない様子に、私は眉を顰めて、
「あのう、どうです?」
と心配そうに聞いた。すると校長先生はため息をついて、
「あなたは、そのう、なんというか、魔法っていう魔法がないですね。あ、でも、あなたは剣が使えます!『魔剣』という魔界独自の剣が。でも、今は魔剣を使える人がいないんです。だから、魔法の剣、、、。水で剣を作り出し、それで攻撃するという方に教えてもらえれば良いのですが、そういう先生は今いないんです。だから、クラスの誰かに教えてもらえればいいのですが、、、。」
すると先生が、申し訳なさそうに、
「すみません、今はそういう生徒はうちにいなくて、、、。」
と言った。
「そう、いいのよ。あなたのせいじゃないもの。でも、とりあえず魔剣だけ渡しておくわね。体育館みたいなところに練習場があるから、よければ放課後にでも練習してみてね。」
「わかり、ました。」
私は少し戸惑いながら返事をし、教室へ戻った。
「校長先生はなんて?」
雷神が聞いてきた。
「魔剣ってやつだって。」
私がいうと、魔剣?と聞き返してきた。
「魔剣って使うやつなんか滅多にいなくない?俺だってみたことないし。、、、いや、一回だけ見たことあるかも。小さい時に。あれって、誰だったんだ?」
ぶつぶつと呟いている雷神を見て、何かが引っかかった。そんなことを考えていると、チャイムがなった。
「ねぇ、次って何やるの?」
そう聞くと、
「次は魔法科学だ。多分魔力増加の薬作るんだと思う。あ、あと移動教室だから遅刻すんなよ。」
魔法科学???魔力増加の薬???
よくわからないが、とりあえず寮から持ってきた教科書とかを用意しておく。みんなが行く方について行くと、大きな黒い鍋がずらっと並んだ部屋についた。わぁ、魔法の薬作る感がやばい!
「じゃあ、班ごとに始めるよ。手順はこの前確認したし、やり方の書いた紙も机に置いておくから、始めてどうぞ!」
先生はこんなこと話しているが、私はどこに行けばいいのかさえわからないから、キョロキョロとしていると、雷神がこっちこっちと手招きしたので、雷神の方へ行くと、机と黒い鍋が。机の上には、中庭に咲いていた紫色のクリスマスローズみたいな花。花びらの尖った白い花。黒い百合、謎のドロっとした液体。
そして一番最初に私の目に止まったもの。赤色の宝石。なぜかわからないけど、それが気になって気になって、、、。
「おーい、転校生!」
パンっと私の顔の前で手を叩かれた。びっくりして顔を上げると、赤ちゃっぽい髪のそばかすの少年。いや、私も少女か。隣には、白い髪の女の子。
「よろしくね、めーか!」
すごいな。初対面に向かってタメ、、、。
「この4人が班だから、ちゃんと覚えとけよ。」
雷神が私に言った。そして「あと」と繋げた。
「こっちの白いのが想神 想。で、こっちの生意気そうなほうが火神 炎。」
生意気そうとはなんだ!と炎?がツッコミを入れた。
「ほら、早く始めるぞ。」
炎を怒らせたことをしれっと忘れ、雷神が仕切った。まず想がポイポイポイと机の上に置いてあったものを鍋に入れた。
「ここからが大事だ。みんな、この鍋に魔力を込めろ。」
雷神に言われ、みんな鍋に手をかざした。
「え、やり方わかんないんだけど、、、。」
私が聞き返すと、
「ま、力込めればいいんだよ。手からビーム出すイメージ?」
そんなテキトーな、、、。苦笑いを浮かべたが、そのあとググッと私は力を入れた。
そのあとコップのようなもので鍋の中の液体をとり、ずずっと雷神が飲み込んだ。
「ん、いい感じ。お前らも飲めよ?」
トクトクボトルに注ぎながらニコッと笑って言った。
配られて液体を飲んだ。げ、にっが、、、。
みんな渋い顔をしていた。
「お前らなぁ、俺は美味しいからいい感じって言ったんじゃないんだからな?魔力がちゃんと入ってるかどうかのことだからな?」
どうやら雷神も正直美味しくなかったらしい。みんなで苦い~とか言いながら飲み干し、少し面白くてくすくすみんなで笑いながら時間が過ぎていった。
なんて過ごしていたら、放課後になっていた。そういえば。もらった魔剣を見た。体育館に練習場があるとか言ってたな。行ってみよ。そう思い体育館にむかった。ほんとだ。なんか棒みたいなのある。
私はスゥっと剣を抜いた。重たい感じが何か、、、。カンっと棒に魔剣を叩きつけた。あれ、これ、、、。カッカッカカンっキンと音を鳴らした。なんか、懐かしいような、、、。飛んだりして踊るように練習をしていると、いつの間にか2時間が過ぎていた。汗でベタベタになった。寮に戻ったらシャワー浴びよ。重たい剣を持ち帰ってシャワーを浴びて、ベッドに寝っ転がった。そういえば、さっきなんで懐かしいって思ったんだろ、、、。ま、いいや。
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