ガラスの靴は誰のもの?〜王子様あなたのことを最大限利用させて頂きます〜

kfa

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予定通りにはいかない!?王城から届いた手紙の返事は……

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ーーお父様、私これからどこまでも歩いて行ける気がするわ!!



初めて自分用に作って貰った靴への嬉しさから、はしゃぐように伝えると、父は大きな手で優しく頭を撫でてくれた。



ーーーーー



ーーーー



ーーー



ーー



この間の舞踏会で出会ったガラスの靴を落としていった少女よ、次の祝日に広場にて靴を持参して待っている。
そして…ぜひ私の妃になってくれ。
by王子



秋も深まるある日のこと、そんな内容の手紙が王城から王子の誕生日に開催された舞踏会に参加した各家に届けられた。



「最っ悪……。」



作業していた手を止め、手袋越しにその手紙を受け取ったのは、フードを目深に被り、大きめのゴーグルを着用した全身灰まみれの少女だった。



「む~!!」



艷やかな茶色の長い髪を靡かせ、日の光を浴びたことがないような真っ白な肌に、よく映える血色の良いプルンとした唇を不機嫌そうにつき出した、手紙を持ってきた年齢不詳の女性に、煤で汚れた顔を顰めると突き返す。



「……はぁ~。行かなきゃ良かったかな……。」



そう!この灰まみれの少女こそが王子の意中相手だったのだ。


 
「当日になって『やっぱりどうしても参加する!!』って私に急いで準備を手伝わせたのはシンドラちゃんでしょ!もぅ!何で置いて来ちゃったの?」



少女ーーシンドラは、舞踏会へ参加するべきか、最後の最後まで悩み続け、ある目的から苦渋の思いで、舞踏会参加を当日になって決断したのだった。



「こんな事になるなんて想像もしていなかったし!王子だけじゃなく後ろに近衛騎士達も居たのよ!?どうやって取りに戻れと言うの?」



そして、目的が達成された瞬間、急いで帰ろうと舞踏会の会場から抜け出し、王城の階段を駆け下りている途中で、右足に着用していたガラスの靴が脱げてしまった。




「……どうにかして?」



シンドラは急いで取りに戻ろうとしたが、尋常じゃない勢いで追いかけて来た王子と、大勢の近衛騎士達を前になす術なく、靴を置き去りにすると、そのまま王城を後にした。




「……。」



それを体験していない女性の、相変わらず無責任な発言に黙り込み、途中までにしていた作業を続けようと振り返り、女性に背を向けた。



「……さて……これから、どうしようかな……」



灰の中に両手を入れると、中に埋まっているものを探し当て作業を再開しながら、シンドラは一人、打開策を模索し始める。



「……あっ、でも…向こうからやってきてくれるみたいだし、待てば良いんじゃない?」



「……待ってどうするの?」


 
背を向けられた女性が、少し焦るように打開策にもならない提案を投げかけた。
その様子に慣れきったシンドラは、振り返ることなく女性に呆れるような声で問いかける。



「……靴を履く?」



「履いてどうするの?」



一択しかない答えに辿り着いた女性に、シンドラは作業する手を止めずに、背姿のまま被せるように更に問いかける。



「……王子様と一緒に王宮へ……まぁ!多くの女性が夢見るパターンよね!」



それしかない答えに辿り着いた女性の声は少し高くなり、左右の指を目の前で交互に組むと、瞳をキラキラと輝かせ始める。




「それが無理!なのだから、履きに行ける訳が無いでしょう!!」



然しそんな夢見る声に、シンドラは作業していた手を再び止め、後ろを振り返ると女性に向かって指を指し、大声で叫んだ。


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