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再出発
至れり尽くせり幸せごはん
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しばらく待つと、にぃにとピエリスさんが両手に食事ぶら下げて戻ってくる。ピエリスさんの持ってる中にスープがはいっていそうなツボは、ワラで編まれた網に入れられていて持ち運びが楽そうだ。にぃにが持ってるのは、両側に取っ手の付いた深めの木皿の上にカゴの中に山盛りになったパン。
よそのテーブルの上から察するに、木皿の中身は薄切りお肉を焼いたものに違いない。
「まず、コレとコレがスープっしょ~」
ドンと置かれた壺の中身は、サイノメに切られたヴェルリーニョがゴロゴロ入った赤いポモスープと、モツがたっぷり塩スープの二種類。どちらからも、暴力的なまでに幸せな匂いが漂って、口からタラリとヨダレが落ちる。
――いけない、いけないっ。
乙女の尊厳がっ!!
慌てて拳で拭っておすまししたら、ピエリスさんが吹き出した。
「そこっ! 見ないふりする場面でしょうっ」
「え~! 爆笑する場面っしょ」
ゲラゲラ笑いながら、ピエリスさん。
わたしは、ほっぺをプーっと膨らまして彼のことを睨みあげた。
「じゃあ、ピエリスさんの分はフェリシアが食べちゃう?」
「では、ソレで」
美味しそうなご飯を余分に食べられるのなら、文句はありません。
「ええっ、そりゃひどい! 俺も腹ペコなのにっ」
「き~こえない~っ」
「しかも、買ってきたの俺っしょ!?」
お耳を伏せてそっぽを向くと、にぃにはちょっぴり悪い顔で笑いつつ、お料理をピエリスさんから遠ざけて、私の元へと移動させる。
給仕役はわたし。そういうことですね? 了解です。
ピエリスさんには、ミルクスープをちょっぴりで。
「ええっ、うっそぉん!? 冗談じゃなくてっ!?」
「昔から、口は災の元というだろう」
「ちょっとからかっただけなのにぃ~っ! ごめんってぇ~!」
「え~……?」
言い方に誠意を感じられないなと思いつつ、スープを継ぎ足す。
ピエリスさんも獣魔師だし、さっきフォレチェルをめいいっぱい従属させたばっかりだから腹ペコなはずだ。形だけかもしれないけど、一応はからかったことを謝ってくれたことだし許してあげよう。
いい女は、心も広くないとねっ。
「わ~いっ! フェリシアちゃん、大好きっ! 可愛い! いいオンナ!!」
ムフフンと胸を張ると、にぃにが呆れた声で「お世辞で喜ばない」と呟いた。
でも、お世辞だと分かっていても、悪い気はしないんだから仕方がない。
にぃにのお小言を聞こえないふりして、お肉をたっぷり詰め込んだパンにがぶりとかじりつく。
「ん……っ! おいひぃ~!」
薄く削がれたお肉はちょっぴり硬いけれど、噛めば噛むほど旨味が口の中に広がった。味付けに使われている甘辛いタレがまた、肉の旨味によく合っていてほっぺが落ちてしまいそう。
モギュモギュゴクンと飲み込むと、お次の一口が止まらない。
幸せの連鎖だねっ!
「スープも美味しいよ、フェリシア」
「ほみゅ?」
目の前に差し出されたスプーンをパクっと咥えて、もぐもぐり。
――イイね、イイ。
サイノメに刻まれたヴェルリーニョがポモで作ると、爽やかさな甘さと酸味を感じさせるスープになる。コレは、焼肉で甘辛くなっていたお口の中がスッキリさんになって、とても良い。
交互に味わえば、無限に食べれちゃいそうだね。危険すぎる。
「モツのスープも上手いんだけど、いらんの~?」
「モチロン、いただきますともっ」
ズイッとお椀を突き出して、モツスープ、プリーズ!!
ピエリスさんがニヨニヨしながらモツを山盛りにしてくれたので、汁をこぼさないように気をつけつつモツからモグリ。
「……やわい」
スープに入っていたモツは、長時間煮込まれていそうな割にモニュモニュクニクニした食感は失われていなくって、モグモグするのがちょっと楽しい。それに、焼肉の甘辛さと喧嘩をしない塩スープだっていうのもいいところだ。
――コレは、順番々で食べていくのがジャスティスだね!
甘辛の焼肉を詰めたパンを食べ→ポモスープでホッと一息お口の中を爽やかに→ちょっぴりこってりモツスープの味と食感を楽しんだら最初に戻る。
――うん、幸せがループしてるっ!
なにせこのループは、自動給餌システム付きだ。
焼肉パンを食べてる間にクリナムさんがポモスープをよそってくれるし、ポモスープに取り掛かったタイミングでモツスープが継ぎ足される。そんでもって、その間ににぃにが焼肉をパンに詰めて用意してくれるのだ。
なんて素晴らしく、至れり尽くせりなお食事タイムっ……!
「しゃーわせ……」
それにしても、お宿のご飯がこんなに美味しいとは思わなかった。いつかは、自分でも作れるようになりそうな範囲の美味しさだというのも、ポイントが高い。
なにせ、ここ最近は魔神様と一緒にご飯を作ってて、そうすると自力で作るよりもずっとずっと美味しいものが出来上がる。でも、それを自分の力だけで再現するのはかなり厳しい。
だって、ほぼほぼ魔神様クオリティになってしまってるんだもの。
ここにきて、自分でも再現可能と思われる美味しさのサンプルが食べられたのは、ちょっと嬉しい。
――まず目指すのは、このランクだねっ!
今日のところは、ここでた~~~~くさん食べて、味をしっかり覚えますっ!
よそのテーブルの上から察するに、木皿の中身は薄切りお肉を焼いたものに違いない。
「まず、コレとコレがスープっしょ~」
ドンと置かれた壺の中身は、サイノメに切られたヴェルリーニョがゴロゴロ入った赤いポモスープと、モツがたっぷり塩スープの二種類。どちらからも、暴力的なまでに幸せな匂いが漂って、口からタラリとヨダレが落ちる。
――いけない、いけないっ。
乙女の尊厳がっ!!
慌てて拳で拭っておすまししたら、ピエリスさんが吹き出した。
「そこっ! 見ないふりする場面でしょうっ」
「え~! 爆笑する場面っしょ」
ゲラゲラ笑いながら、ピエリスさん。
わたしは、ほっぺをプーっと膨らまして彼のことを睨みあげた。
「じゃあ、ピエリスさんの分はフェリシアが食べちゃう?」
「では、ソレで」
美味しそうなご飯を余分に食べられるのなら、文句はありません。
「ええっ、そりゃひどい! 俺も腹ペコなのにっ」
「き~こえない~っ」
「しかも、買ってきたの俺っしょ!?」
お耳を伏せてそっぽを向くと、にぃにはちょっぴり悪い顔で笑いつつ、お料理をピエリスさんから遠ざけて、私の元へと移動させる。
給仕役はわたし。そういうことですね? 了解です。
ピエリスさんには、ミルクスープをちょっぴりで。
「ええっ、うっそぉん!? 冗談じゃなくてっ!?」
「昔から、口は災の元というだろう」
「ちょっとからかっただけなのにぃ~っ! ごめんってぇ~!」
「え~……?」
言い方に誠意を感じられないなと思いつつ、スープを継ぎ足す。
ピエリスさんも獣魔師だし、さっきフォレチェルをめいいっぱい従属させたばっかりだから腹ペコなはずだ。形だけかもしれないけど、一応はからかったことを謝ってくれたことだし許してあげよう。
いい女は、心も広くないとねっ。
「わ~いっ! フェリシアちゃん、大好きっ! 可愛い! いいオンナ!!」
ムフフンと胸を張ると、にぃにが呆れた声で「お世辞で喜ばない」と呟いた。
でも、お世辞だと分かっていても、悪い気はしないんだから仕方がない。
にぃにのお小言を聞こえないふりして、お肉をたっぷり詰め込んだパンにがぶりとかじりつく。
「ん……っ! おいひぃ~!」
薄く削がれたお肉はちょっぴり硬いけれど、噛めば噛むほど旨味が口の中に広がった。味付けに使われている甘辛いタレがまた、肉の旨味によく合っていてほっぺが落ちてしまいそう。
モギュモギュゴクンと飲み込むと、お次の一口が止まらない。
幸せの連鎖だねっ!
「スープも美味しいよ、フェリシア」
「ほみゅ?」
目の前に差し出されたスプーンをパクっと咥えて、もぐもぐり。
――イイね、イイ。
サイノメに刻まれたヴェルリーニョがポモで作ると、爽やかさな甘さと酸味を感じさせるスープになる。コレは、焼肉で甘辛くなっていたお口の中がスッキリさんになって、とても良い。
交互に味わえば、無限に食べれちゃいそうだね。危険すぎる。
「モツのスープも上手いんだけど、いらんの~?」
「モチロン、いただきますともっ」
ズイッとお椀を突き出して、モツスープ、プリーズ!!
ピエリスさんがニヨニヨしながらモツを山盛りにしてくれたので、汁をこぼさないように気をつけつつモツからモグリ。
「……やわい」
スープに入っていたモツは、長時間煮込まれていそうな割にモニュモニュクニクニした食感は失われていなくって、モグモグするのがちょっと楽しい。それに、焼肉の甘辛さと喧嘩をしない塩スープだっていうのもいいところだ。
――コレは、順番々で食べていくのがジャスティスだね!
甘辛の焼肉を詰めたパンを食べ→ポモスープでホッと一息お口の中を爽やかに→ちょっぴりこってりモツスープの味と食感を楽しんだら最初に戻る。
――うん、幸せがループしてるっ!
なにせこのループは、自動給餌システム付きだ。
焼肉パンを食べてる間にクリナムさんがポモスープをよそってくれるし、ポモスープに取り掛かったタイミングでモツスープが継ぎ足される。そんでもって、その間ににぃにが焼肉をパンに詰めて用意してくれるのだ。
なんて素晴らしく、至れり尽くせりなお食事タイムっ……!
「しゃーわせ……」
それにしても、お宿のご飯がこんなに美味しいとは思わなかった。いつかは、自分でも作れるようになりそうな範囲の美味しさだというのも、ポイントが高い。
なにせ、ここ最近は魔神様と一緒にご飯を作ってて、そうすると自力で作るよりもずっとずっと美味しいものが出来上がる。でも、それを自分の力だけで再現するのはかなり厳しい。
だって、ほぼほぼ魔神様クオリティになってしまってるんだもの。
ここにきて、自分でも再現可能と思われる美味しさのサンプルが食べられたのは、ちょっと嬉しい。
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