にいにと一緒に世界をめぐる~奉納スキルでアイテムゲット☆彡~

霧ちゃん→霧聖羅

文字の大きさ
120 / 123
トレルリ神民国~魔道具師のたまご~

魔道具講師 六日目 ~サロ君とお買い物~ その2

しおりを挟む
 ピエリスさんの笑いの発作がおさまったあと、わたしとサロ君は、お札屋さんに教えてもらった素材屋さんを覗いて回った。大通りにあった紙屋さんよりも一段質の低いEランクの藁紙を手に入れられたのが、わたしとしては今のところで一番の収穫だ。そして今――


「お嬢ちゃん。コレは、どこで手に入れた?」


 筆の材料を持ち込みで注文できないかと聞いたところで、筆記用具屋さんのおじさんに青い顔で詰め寄られてる。


「え? え……??」


――なんでこの人、こんなに怖い顔してんの??


 掴みかからんばかりに距離を詰めてきたおじさんにビックリだ。
そして、引きつった笑顔と血走った目が、メッチャ怖いっ。


「ああ。ブロッキ神国の森ん中で薬草探してたときに見っけたやつっしょ」


 あまりの強さに固まったところで、ピエリスさんが割って入ってくれて、ホッと体の力が抜ける。チョイチョイと指先で自分の後ろに回るように指示されたことをありがたく思いつつ、ピエリスさんの背中に隠れさせてもらった。


「ブロッキ神国ぅ?」

「そ。北にまっすぐ行ったとこの山を越えた先にあって――」


 ピエリスさんが口先三寸でお相手を煙に巻くのを聞きながら、その嘘っぱちな内容にニヤけそうになる口を軽く握った拳で隠す。

――ソレ、ミントわたしの従魔の抜け毛ですよ?

 それなのに、北の国で薬草採集をしてて見つけた凶暴な魔獣の痕跡に大慌てで逃げ出したなんてお話してる。語り口が上手いのか、気がついたらお店のおじさんだけでなく、他のお客さんまでが固唾を飲んで話に聞き入っていた。

 ピエリスさんに言い包められたおじさんに、ミントの毛とフルーツトレントの枝を渡して筆作りを依頼したら、お次は夏の門方面へ移動する。
お目当てのお店は、この間、髪留めパーツを大量購入した金物屋さん。
あそこのお兄さんが親切に色々と教えてくれたので、のちのちの事を考えてサロ君のことをご紹介しておくつもりなのだ。サロ君だって、ある程度自分の技量が上がってくれば金属系の魔道具に興味が出てくるはず。
男の子って武具類が好きらしいし、彫金体験のときは他の作業よりも真剣だった。
なので、かなりの確率でそうなると思う。


「おに~さ~ん♪」


 店の中を覗いてみると、お目当てのお兄さんがいたのでサロ君の手を引っ張って中に入る。


「お? 今日はカレシと一緒かぁ」


 おませさんだなぁと笑うお兄さんに違うと否定しつつ、ご紹介っ。


「魔道具師見習いの、サロ君ですっ! 数年後にはお得意さんになるかもっ」

「おおお、そりゃあ楽しみだ。ヨロシクな、未来の大魔道具師さん」

「え? あ? いや……その、ヨロシクオネガイシマス……」


 何故かカチコチになって頭を下げるサロ君を、微笑ましいものを見るような目で見てから、お兄さんはわたしのほうに視線を戻す。


「なんかウズウズしてっけど、もしかして、この間買ってったヤツでなんか作った?」

「ニシシシシ~♪ お兄さん、分かってるぅ~♪」


 「ホレホレ、見せてみろ」と言わんばかりに差し出された手の上に、お花を彫ったバレッタを乗せる。彫金の技術はまだまだだけど、はじめて作ったアクセサリーだ。
出来ることなら、褒めて欲しい。


「こりゃあ……魔道具か?」

「うにうに♪」

「――道具を買い込んでいったのは、三日前だよなぁ……」


 なんか、ショックを受けたような表情で呟くお兄さんに、ワクワク・ドキドキしてた気持ちがしぼんでく。

――ダメダメだったかな……?

 評価するにも足りなかっただろうかと、ザワザワどよんとした気分になって、お耳がぺったり頭に張り付く。ションボリ悲しい気分になって、視線を下に向けた瞬間、サロ君に背中をバンと叩かれて零れそうになってた涙が引っ込んだ。


「アホ。そっちじゃねーよっ」

「うにゅ……?」


――じゃあ、なんだろう?

 答えを求めてお兄さんに視線を戻すと、彼は「あっ」と小さく叫んで、慌てた様子で言い訳を始める。


「あ、いや。違うっ! デキが良いとか悪いとかそういうんじゃなく……まあ、まだまだ技術自体はつたないけどな? たったの三日で、キチンと見れる作品を作ってくるのってやっぱ才能なのかなとかそういう……な? 自分の技術不足とかセンスの無さとか、そういうのにショックを受けたたっつーか……そういうのだっ」


 アワアワと、いっぱいいっぱいな様子で言い連ねるのを聞きながら首を傾げて、も一度見上げた。


「んじゃ、はじめてとしては……?」

「上出来だっ!」


 返ってきたお返事にホッとして、口元が緩む。
お兄さんには、たくさんたくさん頭をワシャワシャされて、何度も何度も謝られたけど――初心者にしては、上手にできてたらなら、ソレでいいやと思います。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~

枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。 同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。 仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。 ───────────── ※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。 ※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。 ※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

処理中です...