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トレルリ神民国~魔道具師のたまご~
魔道具講師 最終日
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本日で、臨時の魔道具講師業は終了予定。
最後の授業は、今までに教えたことをザクッとでも分かってるかどうかを確認しつつ、どうやれば効率的にスキルを鍛えられるかを考えることになっている。
「まあ、サロ君の場合はDランクに上がるまでは魔石を作り貯めるのが一番だと思う」
「小遣い稼ぎついでにスキルを鍛えられるのはいいけど、フェリシア相手にするほど高くは売れねーのはちょっとキツいなぁ……」
わたしが毎日サロ君から買い取っていた金額は、HランクもGランクも、銅貨一枚。
魔道具屋さんで売ってるのと、ほとんど同じお値段だ。
本当はHランクだと十個のまとめ売りで銅貨八~九枚なんだけど、HランクだろうがGランクだろうが大差なさそうだったので同じ金額で買い取っていた。だって、計算が面倒だったんだもの……
「とりあえず、一緒に作った『湧水のツボ』。わたしが作ったヤツは置いていくから、ソレを使えばソコソコのランクの魔石は作れると思う。高ランクの魔石が作れれば、それなりに資金は稼げるんじゃないかな」
「マジで?」
「火の精霊さんに焼き上げてもらったものを確認したら、Aランクの魔道具に仕上がってたので良い仕事をしてくれるはずっ!」
ランクを聞いて咳き込み始めたサロ君の背中をさすりつつ、受け取ってもらえそうな理由をなんとかひねり出す。
「実はね。サロ君がはじめて作った魔道具の『湧水のツボ』。うっかり落として割りました」
ハッとした表情で振り返るサロ君に、申し訳無さそうな表情を作りつつ話し続ける。
「せっかく記念品になるはずだったのに、台無しにしちゃったからね。そのお詫びとして受け取ってほしいんだけど……ダメかなぁ?」
「……ソレ、ウソだろ」
なんか、超速攻でバレた。
「ホントは?」
「――割れたのは本当だけど、元の素焼きの質のせいでした」
こうね、焼いてる最中に、パキっていったっぽい。
たまにあるんですよ。そういうの。
デキの悪い素焼きにあたっただけなので、単純に運が悪かったんだと思う。同じ環境で焼いた、わたしの方のツボは割れなかったし。
「それなら仕方ないし、フェリシアの作ったツボは受け取れない。そうでなくても魔道具ってたけーのに、そんな高ランク品に見合う対価が出せるワケないだろ」
「うにゅぅ……」
――困った……
サロ君に押し付ける気満々で、Sランクの魔石を割ったのに……
ホントは、Aランクの魔石があればそっちを使ったんだけど、手元にあるのはS・B~E・G・Hランクだけ。AとFランクの魔石は手持ちにないのだ。
「まさか、俺に寄越す気で作ったとか、いわねーよな……?」
ショボンとしたわたしの様子を不安に思ったのか、サロ君が訊ねる。
その、『マサカ』ですよ?
魔道具屋さんに並んでる湧水のツボって、どれもこれもキレイな絵が書かれていたり造形が独特だったりと別方面での付加価値もついているのだ。
魔道具としての質だけは良いものの、わたしの作った湧水のツボは見た目がすこぶるつきで悪い。実用性だけしか見ない人にはいいだろうけど、売り物にするのには難がありまくる。
「こう……スキルアップ支援的な気持ちで?」
「マジかっ!?」
「正直、見た目が悪すぎるので売れないと思うし」
「マジかぁ……」
一緒に彫ったツボを思い出したのか頭を抱えたサロ君は、たっぷり三十分ほど悩んだあとで、わたしの作った湧水のツボを受け取った。「俺、絶対に国一番の魔道具師になるからなっ!」っていう言葉とともに。
――わたしはその頃、どこで何をしてるんだろうね?
何年後になるか分からないこのお約束だけど――いつか、「大魔道具師サロ』の名前が聞けることを楽しみにしていようと思います。
※前半を書き直したいため、いったんここで完結とさせていただきます。
最後の授業は、今までに教えたことをザクッとでも分かってるかどうかを確認しつつ、どうやれば効率的にスキルを鍛えられるかを考えることになっている。
「まあ、サロ君の場合はDランクに上がるまでは魔石を作り貯めるのが一番だと思う」
「小遣い稼ぎついでにスキルを鍛えられるのはいいけど、フェリシア相手にするほど高くは売れねーのはちょっとキツいなぁ……」
わたしが毎日サロ君から買い取っていた金額は、HランクもGランクも、銅貨一枚。
魔道具屋さんで売ってるのと、ほとんど同じお値段だ。
本当はHランクだと十個のまとめ売りで銅貨八~九枚なんだけど、HランクだろうがGランクだろうが大差なさそうだったので同じ金額で買い取っていた。だって、計算が面倒だったんだもの……
「とりあえず、一緒に作った『湧水のツボ』。わたしが作ったヤツは置いていくから、ソレを使えばソコソコのランクの魔石は作れると思う。高ランクの魔石が作れれば、それなりに資金は稼げるんじゃないかな」
「マジで?」
「火の精霊さんに焼き上げてもらったものを確認したら、Aランクの魔道具に仕上がってたので良い仕事をしてくれるはずっ!」
ランクを聞いて咳き込み始めたサロ君の背中をさすりつつ、受け取ってもらえそうな理由をなんとかひねり出す。
「実はね。サロ君がはじめて作った魔道具の『湧水のツボ』。うっかり落として割りました」
ハッとした表情で振り返るサロ君に、申し訳無さそうな表情を作りつつ話し続ける。
「せっかく記念品になるはずだったのに、台無しにしちゃったからね。そのお詫びとして受け取ってほしいんだけど……ダメかなぁ?」
「……ソレ、ウソだろ」
なんか、超速攻でバレた。
「ホントは?」
「――割れたのは本当だけど、元の素焼きの質のせいでした」
こうね、焼いてる最中に、パキっていったっぽい。
たまにあるんですよ。そういうの。
デキの悪い素焼きにあたっただけなので、単純に運が悪かったんだと思う。同じ環境で焼いた、わたしの方のツボは割れなかったし。
「それなら仕方ないし、フェリシアの作ったツボは受け取れない。そうでなくても魔道具ってたけーのに、そんな高ランク品に見合う対価が出せるワケないだろ」
「うにゅぅ……」
――困った……
サロ君に押し付ける気満々で、Sランクの魔石を割ったのに……
ホントは、Aランクの魔石があればそっちを使ったんだけど、手元にあるのはS・B~E・G・Hランクだけ。AとFランクの魔石は手持ちにないのだ。
「まさか、俺に寄越す気で作ったとか、いわねーよな……?」
ショボンとしたわたしの様子を不安に思ったのか、サロ君が訊ねる。
その、『マサカ』ですよ?
魔道具屋さんに並んでる湧水のツボって、どれもこれもキレイな絵が書かれていたり造形が独特だったりと別方面での付加価値もついているのだ。
魔道具としての質だけは良いものの、わたしの作った湧水のツボは見た目がすこぶるつきで悪い。実用性だけしか見ない人にはいいだろうけど、売り物にするのには難がありまくる。
「こう……スキルアップ支援的な気持ちで?」
「マジかっ!?」
「正直、見た目が悪すぎるので売れないと思うし」
「マジかぁ……」
一緒に彫ったツボを思い出したのか頭を抱えたサロ君は、たっぷり三十分ほど悩んだあとで、わたしの作った湧水のツボを受け取った。「俺、絶対に国一番の魔道具師になるからなっ!」っていう言葉とともに。
――わたしはその頃、どこで何をしてるんだろうね?
何年後になるか分からないこのお約束だけど――いつか、「大魔道具師サロ』の名前が聞けることを楽しみにしていようと思います。
※前半を書き直したいため、いったんここで完結とさせていただきます。
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