隠していない隠し部屋

jun

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瞳の色は・・

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俺が兄のクリスに初めて会ったのは、3歳。
その時はてっきりどこかの家の子供だと思っていた。
同じ位の男の子なんていなかったからたまに行っちゃいけないって言われてる離宮の庭に忍び込んでは、その子と遊んでいた。
その子のお母様はとても優しくて、いつも美味しいお菓子をくれた。
クリスと庭で追いかけっこやかくれんぼをした。
でも、お母様に見つかると物凄く怒られるからたまにしか遊べなかった。
5歳になった頃、クリスのお母様のお葬式があった。
その時、初めて俺の兄だと知った。
そして、クリスのお母様を殺したのは俺の母親だと知った。
どうしてあんなにリーシャ様を嫌っていたのかも分かった。
そして、何度もクリスを殺そうとしていた事も。
それからはリーシャ様を殺した母親を母とは思わなくなった。
クリスを殺そうとする母をなんとかしようと何度も父上にお願いした。
父上は仕事の出来る母上を排除する事を躊躇した。
だから勉強をしてとにかく早く大きくなってクリスを守りたかった。
長剣も短剣も何でもやった。
クリスも自分を守る為に俺と一緒に訓練をしていた。
でも、母上はそこを狙った。
母上は、自分の子飼いの騎士に態と俺を狙わせた。
訓練用の刃を潰した剣に毒を塗って俺に傷をつけたクリスを処罰しようと考えたんだろう。

俺とクリスが対人訓練をしていた時、訓練を終え、皆と談笑していた。その時、急に腕まくりしていた左腕に痛みが走った。
そのうち頭痛と吐き気がしてきたので、一瞬ふらつき、クリスが剣を離し俺を支えた。
そいつがクリスの落とした剣と自分の剣を交換しようとしていたから、すぐに捕まえた。

「テメェ、誰に頼まれた?てか、母上だよな?クリスに罪を被せようとしたみたいだけど、クリスは俺に傷なんかつけらんねぇよ、俺の方が強いから。まだまだ甘いな、母上は!
それにこれくらいの毒は効かないな、王子舐めんなよ!毒慣れくらいやってるわ!
コイツの仲間がまだいるなら母上に伝えてくれ、クリスを殺そうとするなら、俺が死ぬ。
クリスが死んでも死ぬ。王位なんてクソ喰らえだ。俺達に消えてほしくなかったら、今後一切クリスに手ぇ出すな!
クリスを殺したら証拠なんか無くても母上を殺す。」

訳の分からない騎士達は驚き、顔色を変えた騎士は俺の圧に逃げ出すのを必死に耐えていた。

「ブライアン、落ち着け。それに俺はそんなに弱くないけど!お前、失礼だぞ!」

「悪い、頭に血が上った。」

捕まえた騎士を連れて行かせ、俺の毒を解毒する為、王宮医師の所に行った。
爺さん先生が、
「全く、お前の声がこっちまで聞こえたぞ。
そんなに怒鳴っておったら毒が廻るのが早くなるだろうが、ドあほが!」

こんな事が何度もあってからクリスが、継承権を捨てようと躍起になった。
本当は優しい奴なのに、女の子にも紳士な奴なのに、物のように扱うようになった。
王太子になってからはもっと酷くなった。
父上に俺が王太子になるからクリスを助けて欲しいとお願いしたが、あの女の思い通りになるのが嫌だったようだ。
もう少し、もう少しと言い続けた結果がこれだ。

もし、クリスの子が産まれたらあの女は絶対子供を殺す。
産んだキャルティも。
クリスが愛してるとかそんなのは関係ない。
クリスが気にかけている人間、全部が敵だと思ってるんだから。
クリスの子じゃなくても殺すかもしれない。
もう俺が母上を殺してしまおうか。

父上も腹を括った。
クリスの継承権を剥奪したが、俺の補佐として王宮に残す事は決定した。
母上を幽閉する方向へ舵を切った。
あの女をもう自由にはしない。

せめて子供は無事に産まれ、その後は俺達の近くにはいられないが、幸せになって欲しい。
だから、俺に付いてる諜報部隊を離宮に付け、厳重に警備した。

母上には手を出せない。
もう母上の周りにはショボい奴しか残っていないから。

そんな厳重な中で、キャルティのお産は始まった。
俺もクリスもそれぞれの執務室で出産が終わるのを待った。

そして、産まれたと知らせが来たのは夜中。
産まれた男の子の瞳の色は、

金色ではなかった。

それが良かったのか悪かったのか分からないが、親の側で育てる事が決定した。

すぐにヒーナス家に赤ん坊は届けられた。

乳母と医師を待機させていたヒーナス家には歓喜の声は聞こえなかったそうだ。
淡々と子供を受け取り、すぐに奥へ連れて行かれたと爺さん先生が言っていた。
キャルティは比較的安産だったのだとか。
産後の経過も順調らしい。

俺達の問題は解決した。

だが、クリスはその日から考え込むようになった。

「何が気に入らない?」

「ヒーナスに夫人はいない。子供はどうするのか考えていた。」

「勝手に向こうが考えるだろう。お前には関係ない。」

「俺のせいで、あの家の中を引っ掻き回した責任がある。
本来なら、キャルティが夫人としてヒーナス侯爵家に残っていたかもしれない。
ひょっとしたらエルザが残って子供の面倒を見ていたかもしれない。
エルザは…キャルティがいなくなったら戻れたかもしれない「クリス!それはお前が心配する事じゃない。」

「ブライアン…俺…彼女を泣かしてしまったんだ…。俺、あの泣き顔が頭から離れないんだ…」

「お前…もしかして好きなの?」

「分からない…でもまた泣いてるかもしれないと思った…」

「おいおい、フランがいるだろ?」

「だから分からないって言っただろ!」

「マジかよ・・・」


キャルティが出産した日、クリスの初恋を知った。















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