隠していない隠し部屋

jun

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お出かけしただけなのに

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デートをした後から、私も素直にシルビオにして欲しいこと、したい事が明確になってきた。
それまでは諦めてしまい、何も期待していなかったから、何をしてあげたいのかも、何をして欲しいのかも考えないようにしてた。

「ねえ、シルビオ、私シルビオに何か贈り物をしたいのだけど、何か欲しいものある?」

そう聞いただけなのに、またシルビオは泣いた。
よく泣くようになったなぁ…。

「ハンカチ!エルザが刺繍したハンカチ!それ一択!欲しかった、めっちゃ欲しかった!婚約者持ちや彼女持ちが自慢してきて、俺も欲しかった!」

「分かった、分かったから。頑張って作るから待ってて。」

熱量が凄い…。そんなに欲しかったのか…。

屋敷にある刺繍糸には私が欲しい糸がなかったからパールと手芸店に買い物に出かけた。
白いハンカチ数枚と欲しかった色の糸とエルビオ用に何か作ろうと細々したものを買った。
お会計を済ませ、お店を出ようとした時、急にパールが倒れた。
「パール⁉︎どうしたの⁉︎パール!」
突然倒れたパールにパニックになった私はどうしていいのか分からずオロオロしていると、お店にいたカップルのお客さんがパールを馬車まで運ぶのを手伝うと言ってくれて、男性の方がパールを抱き上げて馬車まで運び、馬車に乗せてくれた。

「突然の事に動揺してしまい、みっともない姿をお見せしてしまいました。申し訳ございませんでした。宜しければお名前を教えて頂けますか?後日お礼を───」

その後首にチクリと何かに刺され、意識を失くした。



次に気付いた時は、手も足も縛られ、辺りは真っ暗だ。
私がいる所は納屋か狩猟小屋か…。
匂いと空気の感じがどこか森の中だろうか…。

外に人の気配はする。

縛り方からすると素人っぽい。
私の意識がなかったからだろう、縛りが甘い。

パールは大丈夫だろうか・・・私だけなら良いが、パールまで捕まっていたら・・

いや、捕まえたのならここにいる。
と思いたい。

しかしこんな事をするのは誰だろう。
シルビオ系か?でもここまでするか?
あ、この前の令嬢の誰かか?
ここまでするぅ?

とにかくこの状況だと私は襲われる可能性大だ。
ただではさせない。
暴れるだけ暴れてやる。
処女ではないが、殺されてでも抵抗してやる。
私の身体の柔らかさ舐めんなよ。

縛られた手をソォーと座ったままお尻を通す。
足も通して、後ろ手になっていた手を前に持ってきた。
ワンピースのポケットに折りたたみナイフが入っているのを確認し、何とかポケットから出した。口と手で刃を出し、足のロープを切って、次に手のロープを血だらけになりながら切った。

ナイフをポケットにしまい、太腿の短剣をホルダーからすぐ出せるようチェックをし、小屋にある弓を拾い、矢を探す。
矢筒を見つけると矢が5本入っていた。
矢筒を背負い、小屋の窓から外を覗く。
焚き火をしながら、呑気に酒を飲みながら3人が談笑している。

サバーナ家舐めんな、長い年月武を極めてきた家だ、女でも幼い時から鍛えさせられた。

3人か…最近動いていないからキツイかな…。
でも弓矢があるから一人は確実にヤレる。
驚いた隙にもう一人。
後は一対一。

でもこの窓を開けれるか…。
気付かれるよね…

入り口からは敵の視界に入る。

試しに開けるか?でも、気付かれて小屋の中での戦闘は避けたい。
だったら入り口から一発勝負!
どうせ辱められるのなら死ぬ覚悟で私は戦う。

手が震える…

助けて、シルビオ・・・


矢を2本取り、ドアの取手に手をかけ、
「フゥ───」息を吐き、集中する。

しゃがみ、静かにドアを少し開けた。
弓で手前の男の背中を狙った。

「ギャァ」と叫ぶ男に驚いた残りの二人がこちらを向く前に、もう一人の背中も狙う。

「グッ…」ともう一人も蹲る。
やっとこっちに気付いた男は、
「テメェかぁーー」と走ってきた男にも矢を放ったが避けられた。

すかさず森に向かって走ったが、いかんせん裸足。
それでも薮を突っ切り、走った。

後ろで男が喚いているが、構ってなんかいられない。
とにかく走った。

ヤバい、運動不足・・・声も近くなってきた。
後ろをチラッと振り返ると剣を持っている。
短剣では分が悪いが、やれない事もない。

どうする、やるか?体力が無くなる前にやるしかないか…。
走るスピードを落とし、距離を縮めた。
男が掴みかかる直前、真横に転がった。
男は体勢を崩し、前のめりになり、転がった。
すかさず飛びつき、短剣を突き立てた。
急所ではないが、これで走れはしない。

「ギャァー、このアマ…グゥ…でも、これで終わりだと思うなよ…」

「ハア…ハア…ハア…死ね…」

死んだのか、意識を失くしたのか、男は動かなかった。
残りの男達はまだ動けるかもしれない。
ここにいるのは危険だ。

だけど限界だ・・・

少し歩き、登れそうな木に登った。
木の上で少し休んで辺りの様子を伺った。

誰も追っては来ていないようだったので、木を降り、歩いた。
段々明るくなってきた。
喉が渇いた…水が飲みたい…
足が痛い…お腹空いた…
あー帰りたい…
シルビオ心配してるだろうなあ…
早く来てよ…助けて…シルビオ…


そこで私の意識はなくなった。















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