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何かおかしい
しおりを挟むブライアン視点
最近、騎士団の空気がフワフワしているような、ピリピリしてるような不思議な感じがしている。
なんだろうと思って、なんとなく周りを見ると、あからさまに目を逸らす団員達。
逆に団長は俺から目を離さない。
何?
詰所に行こうとすると、すかさず団長が呼び止め、それといって、重要でもない話しをする。そんな時は必ず、詰所から誰かしらが出てきて団長に耳打ちする。
そして、「悪かった、ブライアン、もういいぞ」と言って帰っていく。
詰所に入れば、花道のように俺の前が開かれる。
「何?」と言えば、「いえ、何でもありません!」と三番隊が返事をする。いつもだ。
インクが切れたので、備品庫に行こうとすると、ミッシェルが、
「ブライアン、こんなとこまで、どうしたの?」と息を切らして走ってくる。
「お前こそ、なんだよ。俺はインクを取りに来ただけだ。」
「言ってくれれば持っていったのに。取ってくるから待ってて!」
「そこだろ、自分で取るよ。」
「ダメ!新人の女の子が今、着替えてるから!」
「ハア?なんで?」
「色々あるのよ、ほら、女の子だから!」
「なんだよそれ!忙しいんだよ、俺!」
「だから!取ってくるから!」
「ハァ~分かったよ、待ってるから。」
「分かった!」
と言って、ドアを少しだけ開け、滑り込むように入った。
中でドタバタ音がする。
またドアを少し開けて、ヌルっとミッシェルが出てきた。
「お待たせ!はい、コレ!」
「あ、ああ、ありがとう。」
仁王立ちのミッシェルが早く行けとばかりに手を振っている。
イーグルもそうだ。
チャーリーの所に行けば、ノックの後、必ずバタバタと音がする。
中に入ると、いつも甘い匂いがする。
「何の匂いだ?甘い匂いがする。」
「え?そうかな?気のせいですよ。」
と目を泳がせながらチャーリーは言う。
ラルス団長の所に行けば、バタバタ音はしないが、俺に早く帰って欲しそうな態度をとる。
そして、シックス副団長が、
「ブライアン、食堂に新作のスイーツがあるらしい。」と、俺を連れ出す。
何かおかしい。
「シシリー、最近、騎士団の雰囲気おかしくないか?」
「あー、多分、結婚式の余興の練習をしてるから、私達に知られたくないからよ。」
「そうなのか?」
「ヤコブは言わないけど、前に執務室で謎の練習を見たことがあるわ。
凄く動揺してて、申し訳なかったの。」
「そうか、だから、みんな俺が行くと邪魔者扱いするのか。」
「だと思うよ。私も行く所行く所、ヤコブが邪魔するから。」
「俺は団長だ。そうか、そういう事か~。
嫌われてるのかと思って、地味に傷付いてた。」
「違うわよ~ブライアンは騎士団のマスコット的存在なんだから!」
「ハア?何それ?」
「みんなに愛されてるってこと。」
「そうなのか?」
「そうよ、特に食堂使ってる人には。」
「食堂?」
「ハハ、ブライアンは可愛いから!」
「何だよ、それ。」
とにかく、謎は解けた。
でも、一つ気になる。
チャーリーは何をするんだろう…。
甘い匂いのする余興…。
やっぱり謎は深まるばかりだ。
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いつも読んで下さり、ありがとうございます!
書き溜めていたものを消すという失態を犯したうえ、台風も来てしまい、全く筆が進まず、皆様にはご迷惑をおかけしております。
とりあえず本編を終わらせて、番外編として、新たに追加する形にしようと思っております。
投稿も遅れがちですが、最後までお楽しみ下さい。
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