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照れた!
しおりを挟むロイ視点
あの気持ち悪い女が鼻をビカビカ虫にやられてから学院を休んでいる為、最近は思う存分リリーを堪能している。
授業の合間の休み時間にリリーの所に行こうと視線をリリーに向けたら、図書館で悲鳴をあげながら走り去った、派手で臭い女子生徒がリリーと話している。
何かリリーに危害を加えるならば阻止せねばと席を立ち、リリーと女子生徒の間に入る。
聞けば彼女はロンバーグ公爵家のアンネリッタ嬢であった。
リリー以外は一切興味もないので名前しか知らなかったが、リリーと話してる感じでは敵意はないようだ。
ビカビカ虫の今後の対応をどうすべきか考えているのだろう。
確かに気持ち悪い女は鼻が赤く腫れていた。
刺されるか噛まれるかしたのだろう。
蜂の類いならば放っておいても大丈夫だろうが、見た事のないモノは迂闊に手を出しては危険だ。
間違えてリリーが触りでもして刺されてしまったら大変だし。
令嬢はビカビカ虫の名前の由来を聞いて笑っていた。
リリーのネーミングセンスはいいのか悪いのか微妙だが、印象に残る名前だ。
ビカビカ…あまり女子は選ばない単語というかビカビカなんて聞いたことがない…でも的を得ている表現だ。
うん、やっぱりリリーは可愛い。それに尽きる。
そんな事を考えているうちに、令嬢は報告する為出て行った。
ん?
令嬢の背中の一カ所がビカビカしてる??
するとリリーが虫の存在に気付き走り出した。
僕も走り出す。
リリーが虫を鷲掴みする間際に腕を掴んだ。
まったく…脊髄反射で行動するリリーは目が離せない。
滅多にリリーには怒らない僕でも今のは焦ったので思わず声を荒げてしまった。
しょんぼりしているリリーの頬を撫でると顔をあげたので頭を撫でてあげた。
するとどうだろう…
リリーの顔が赤い…。
これはアレか、照れているのか!
ようやく意識してもらえた事が嬉しくて抱きしめてしまった。
なんて愛らしいのだろう。
なんて可愛いのだろう。
あー連れて帰りたい!
膝に乗せて頬擦りしたい!
あ、令嬢がいたんだった…。
とにかく令嬢にも怪我がなかったようでリリーも安心したようだ。
とりあえず戻ろうと二人で教室に入ると、授業中だった…。
怒られた後、放課後二人で反省文を書かされた。
リリーと二人きりならそれもまた幸せなのだ。
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