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認めない女
しおりを挟むルイジェルド視点
ロンバーグ公爵が帰った後、貴族牢に向かった。
気が重いが、イレーネ嬢に尋問しなければ。
貴族牢は、
窓は高い位置にあり、部屋は小さいが風呂、トイレ完備だ。
ただ内側から扉は開かない。
ノックをし、護衛とともに部屋に入り、
念の為、手枷を付けさせる。
「おとなしいな、反省したのか?」
「私は悪くない!」
「どうしてこんな事した。」
「私は悪くないわ。香水を使ったからよ!」
「質問を変えよう。リリーナ嬢を知っているな。」
「知らないわ!」
「知らないわけないだろう、昨日リリーナ嬢に絡みに行っただろ?」
「覚えてない!」
「じゃあ、ロナルド・グランディは?」
「…知ってるわよ、当然でしょ!」
「ロナルド・グランディを知ってるなら、リリーナ嬢の事も知ってるだろう?年がら年中一緒にいるんだから。」
「違うわ、ロナルド様は嫌がってるのに、あの女が引っ付いてるのよ!
だから、私が側にいけないのよ!」
「あの女って誰?」
「あの女はあの女よ!」
「あの女じゃ、分からない。名前知らないの?」
「知りたくもないわ!」
「でも顔は知ってると?」
「顔くらい知ってるわよ、あんなにロナルド様と一緒にいるんだから!」
「君が噛んだ相手の事は見た?誰だった?」
「だから知らない、覚えてないって言ってるじゃない!」
「あのな、ハッキリ言ってやる。
お前は香水使ったから正常じゃなかったって言い続けてるんだろうけど、香水使っただけでは、何も変わらないんだぞ。」
「え?」
「知らなかったか?」
「そんな事知らないわ!でも私は香水を使ったら噛みたくなったのよ!」
「お前、ロイの事好きなの?」
「好きよ、大好きよ!」
「だからリリーちゃんの事噛んだんだ?」
「そ、・・違うわ、そんなこと知らない!」
「強情だね、ロイが一番嫌いなタイプだ。」
「⁉︎」
「ロイが一番許せない事って何だと思う?」
「…分からない…」
「リリーちゃんを傷つけることだよ。」
「なんでよ!なんであの女が傷つくと許せないのよ、そんなのおかしいわ!」
「あの女ってリリーちゃんの事なんだね?」
「⁉︎・・・それはあなたがそう言うから…そうなんだと思ったのよ。」
「オレは一言もあの女がリリーちゃんだとは言ってないけど。」
「私にはそう聞こえたの!」
「問答はもうやめる。
イレーネ・クォーツ、
お前は、
自分の意思で、
リリーナ・ワソニックを、
襲った。
その事は、
もう立証されている。」
「知らない知らない、私は悪くない!」
「お前の処分が決まった。
お前は北の修道院に行く事になった。
あそこは辛いぞ。
温かい食事も出ない。
綺麗な洋服もない。
もちろん娯楽もない。
着替えもお風呂も掃除も何もかも自分でやる事になる。
もう少し反省しているようなら、マシな所にしてやれたが、一つも反省していない。
もし、心から反省して真面目に過ごしたらその時は考え直してもいいがな。
そして、学院は退学だ。」
「嫌よ嫌!私は悪くないもの!
お父様、助けて!お母様、お母様、早く迎えに来て!」
「最後に会えるようにはしてやる。」
「イヤーーーーーーーーーーー」
手枷をしっかり確認し、監視兼護衛を付け、影も念の為付けてから貴族牢を後にした。
「ハア…」
「殿下、大丈夫ですか?」と護衛が心配気に声をかけてきた。
「疲れたな、お前も疲れただろう?」
「そうですね、しばらく夢に見そうです…」
「だな…」
明日は両家に説明しないと…。
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