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カトリーヌが語る
しおりを挟むカトリーヌ視点
「隠密、どういう事だ!」
「体調を崩したリリー様をお送りしておりました。」
「何故、リリーは僕から逃げた!」
「・・・・リリー様は、登校した際、ロナルド様をお見かけいたしました。
ロナルド様がリリー様以外の女性と歩いているところを。」
「え‼︎」
「リリー様は、一人、立ち尽くしておりました…。
悲しそうな、泣きそうな、
そんな顔で一人で立っておられました…」
「リリー、見てたのか…あれを…」
「わたくしは『愛でる会』を発足し、今までお二人を遠くから見守ってきました。
お二人の楽しそうなお姿が、何より大好きでございます。
お二人の距離感は不快感がなく、
いつでもリリー様は、ロナルド様を守るように、
ロナルド様は後ろから、リリー様を優しく見守るように、
そんなお二人のお姿が何よりも大好きでございます。
ですが、今日はロナルド様のお隣りにはリリー様ではなく、別の方がいらっしゃいました。
わたくしですら、衝撃でしたのに、リリー様はそれ以上の衝撃だったと思います。
リリー様が教室から飛び出した時、
リリー様は木の陰で、
膝を抱えて、“もう帰りたい”と悲しそうな顔で呟いておりました。
今朝の事だけで、このような態度をリリー様が、取る訳がございません。
わたくしには何も分かりませんが、
どうかロナルド様、
リリー様の悲しみを無くして差し上げて下さいませ。
決してお二人の邪魔はしない、
邪魔させない、のが会のモットーですが、
今日初めて、お二人の邪魔をしてしまいました。
申し訳ございませんでした。
ですが、わたくしはリリー様の友人として間違った事はしていないと思っております。」
「・・・・・・・そうか…・・・・すまなかった。
隠密は間違っていない。
きっとあの時、リリーを捕まえたら、
激しく言い寄っていただろう…
リリーをもっと傷付けるところだった。
リリーを僕から守ってくれてありがとう。」
「いいえ、お二人をお守りするのが、『愛でる会』の使命ですから。
ですが、リリー様が心配でございます。
もし、
ロナルド様が今から追いかけるのであれば、わたくしが先生に報告して参りますが、どうされますか?」
「ありがとう、隠密!後は頼んだ!」
ロナルド様は走っていかれました。
お休みの間に何かあったのでしょう…
基本、リリー様は大雑把な方なので、小さな事は気にいたしません。
食堂でランチを食べていて、トレイの上に落ちたものなら迷わず食しますし、
中庭のベンチでサンドイッチを食べていて、
中身のローストチキンが落ちた時も、10秒は見つめていたので、迷っていらしたんだと思います。
ローストビーフサンドの時は、
ヤバい程見つめていらっしゃいました。
いつでも楽しそうにロナルド様の隣りで笑っているリリー様。
大口を開けて、ロナルド様のことを指さしながら爆笑しているリリー様。
廊下をほぼおんぶ状態でロナルド様を運ぶリリー様。
殺虫剤を何かにかけようとして自分にかけてしまって叫び声をあげているリリー様。
リリー様の可愛い所は、
話せばキリがありません。
ロナルド様、早くリリー様の笑顔を取り戻して下さいませ。
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