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お泊まり会
しおりを挟む今日はトリーちゃんとシンシアちゃんが遊びに来ています!
お泊まりです!
ロイは変わらず居ます!
そして、なんと、殿下も来ています!
殿下はロイも泊まると知り、烈火の如く怒り狂い、ロイはロイで一歩も引かず、結局殿下も来る事になりました。
本当はトリーちゃんの屋敷に遊びに行くはずだったのに、何故か陛下が猛反対したらしく我が家に変更しました。
折角の長期休み、何かと予定が合わず長期休暇後半になり、実現したのです。
シンシアちゃんとトリーちゃんの部屋を案内しています。
隣りなので二人も安心でしょう!
殿下は我が家の一番豪華な客室です。
トリーちゃんの隣りが良いと駄々を捏ねていたが、さすがにそれは出来ないので、なるべく殿下から遠く離れた部屋にしてやった。
ロイは、子供の時から決まっている私の隣りの部屋なので、殿下がまた駄々を捏ねていた。
「トリーちゃん、シンシアちゃん、何か足りない物や困った時はいつでも言ってね。」
「はい、リリー様。ありがとうございます。わたくし、今猛烈に感動しています!
ここでリリー様が暮らしているのですね。
なんということでしょう、あちこちでリリー様の匂いがします。
今日は興奮して眠れません!」
うわあ、久しぶりだぁ~この感じ。
最近シンシアちゃんばっかりだったから新鮮だぁ。
「リリー様が、ここで産まれてここで育った場所に私がいるなんて代理やってて良かった~!代表、会報に書かないとダメですね!」
「そうですね!書きましょう!・・・いえ、書きません、書いてはいけません!
リリー様のお屋敷の様子など書いてしまっては、どんな輩に目を付けられるか分かりません!決して情報を漏らしてはいけません!」
「それもそうですね、私だったらそんな情報手に入れたらすぐ忍び込みます!」
「そうです!わたくしもです。ですからシンシアさん、漏らしてはいけませんよ!会員にもです!」
「代表、了解しました!」
「よろしい!」
「トリーちゃん、シンシアちゃん、終わった?」
「失礼しました、リリー様を放って置いてしまい申し訳ございません。」
「良いの良いの、じゃあ荷物置いたら皆んなでお茶しよう。」
「「はい」」
二人を廊下で待ち、殿下とロイが待つサロンに行った。
「お待たせしました。」
「リリーちゃん、今日はお世話になる、よろしくね。」
「はい、殿下。トリーちゃんの部屋は殿下の部屋から一番遠い部屋にしました。」
「どうしてそんな意地悪するかな、リリーちゃん。いつからそんな子になったの?代理のせい?」
「殿下!どうして私のせいにするんですか!私はいつでも皆んなの為に走り回っているのに。」
「リリーはどうなっても可愛いのですが、何か文句でもあるんですか、殿下?
でも殿下の言うように、代理のせいでリリーは悪知恵が働くようになりました。すべて代理のせいです。」
「なんだろ、この男性陣…代表、怒って下さいよ!」
「シンシアさん、シンシアさんは敬うって言葉を知らないのですか?殿下は素晴らしい人です。」
「リリー様、ロナルド様に何か言ってください!」
「シンシアちゃん、ここに居る皆んなにそんな口利けるのシンシアちゃんだけだと思うよ」
こうしてお泊まり会は始まった。
最初はみんなでお茶を飲んだり、庭を散策したり、街に買い物に行ったりと楽しく過ごしていた。
夕方、我が家には緊張感が張り詰めている。
私達が街に行ってる間に来たお客様が誰なのか知らないが、その方が来てから空気が変わったんだとか。
何故か、お父様の緊張感が半端ない。
その来客はトリーのお母様だった。
あ、ちなみにトリーちゃんは“トリー”、シンシアちゃんは“シア”と呼んでと言うのでこれからは愛称で呼ぶことにした。
トリーのお母様が挨拶したいと訪問されたのだとか。
応接室に、お父様、お母様、トリーのお母様がソファに座っていた。
「お父様、お母様、只今帰りました。」
「あーーー待っていたよ、おかえり。
カトリーヌ嬢の母上のジュリア様がお越しだよ。ご挨拶を。」
「トリーのお母様、ご挨拶が遅れました。
リリーナ・ワソニックと申します。
いつもカトリーヌ様にはお世話になっております。」
「まあ、可愛らしいお嬢さんね、こちらこそはじめまして、ジュリア・イーガーですわ。娘がいつも貴女の話しばかりするのよ。
お友達になってくれてありがとう。」
と言うとジュリア様は立ち上がり、後ろに隠れるように立っていた殿下を見つけ、
「ジュリア・イーガーがルイジェルド殿下に御挨拶申し上げます。」
「イーガー夫人、久方ぶりです。お変わりありませんか。」
「はい、お陰様で何事もなく過ごさせて頂いております。
殿下には娘がお世話になっておりますようで、ワソニック侯爵様のお屋敷に滞在中の殿下に是非、御挨拶をと思い伺った所存でございます。
ワソニック侯爵様には突然の訪問にも関わらず、丁寧な御対応ありがとうございます。」
「態々、申し訳ありません。婚約の際にはあまり話せなかったので、ゆっくり挨拶したいと思っていました。」
殿下の口調がいつもと変わったので驚いた。
誰にでも横柄な口調なのに、私のお祖父様にも敬語じゃなかったのに、トリーのお母様には敬語…。
「さあさあ、皆さま立ったままでは疲れてしまいますよ、おかけになって。」
と何故か漂う緊張感をお母様が断ち切った。
皆、恐る恐るソファに座ると
「お母様、今日来るなどわたくしも知りませんでした。来るなら言ってくだされば良かったのに。」
とトリーが尋ねると
「ビックリさせたかったのよ、カトリーヌのお友達にも会いたかったしね。」
「そうだったのですね、それでは紹介させて貰っても宜しいですか?」
と聞くトリーに皆が首を縦に振る。
「先程リリー様は御挨拶をなさっていたので、こちらの方から。
こちらはグランディ侯爵の御子息ロナルド様、こちらがランソル伯爵の御息女シンシア様でございます。」
とロイとシアを紹介した。
シアは珍しく緊張していた。
紹介が終わると
「皆さん、これからも娘をよろしくお願いしますね。
私がいるとお邪魔になってしまうのでこれで失礼致しますわ。
アラン様、マリア様、急に申し訳ございませんでした。娘をよろしくお願いします。
あ、後アラン様、そんなに緊張なさらないで、私何もしませんわよ、何も無ければ。」
と言って颯爽と帰っていった。
ジュリア様を見送った玄関でトリー以外の全員が息を吐いた。
何故か私も皆んなに釣られ緊張していた。
お父様が小さな声で
「何かあったら何するっていうの?」
とお母様に震えながら聞いていた。
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