私の婚約者の苦手なもの

jun

文字の大きさ
83 / 125

お泊まり会

しおりを挟む




今日はトリーちゃんとシンシアちゃんが遊びに来ています!
お泊まりです!

ロイは変わらず居ます!
そして、なんと、殿下も来ています!

殿下はロイも泊まると知り、烈火の如く怒り狂い、ロイはロイで一歩も引かず、結局殿下も来る事になりました。

本当はトリーちゃんの屋敷に遊びに行くはずだったのに、何故か陛下が猛反対したらしく我が家に変更しました。

折角の長期休み、何かと予定が合わず長期休暇後半になり、実現したのです。

シンシアちゃんとトリーちゃんの部屋を案内しています。
隣りなので二人も安心でしょう!

殿下は我が家の一番豪華な客室です。
トリーちゃんの隣りが良いと駄々を捏ねていたが、さすがにそれは出来ないので、なるべく殿下から遠く離れた部屋にしてやった。

ロイは、子供の時から決まっている私の隣りの部屋なので、殿下がまた駄々を捏ねていた。


「トリーちゃん、シンシアちゃん、何か足りない物や困った時はいつでも言ってね。」

「はい、リリー様。ありがとうございます。わたくし、今猛烈に感動しています!
ここでリリー様が暮らしているのですね。
なんということでしょう、あちこちでリリー様の匂いがします。
今日は興奮して眠れません!」

うわあ、久しぶりだぁ~この感じ。
最近シンシアちゃんばっかりだったから新鮮だぁ。

「リリー様が、ここで産まれてここで育った場所に私がいるなんて代理やってて良かった~!代表、会報に書かないとダメですね!」

「そうですね!書きましょう!・・・いえ、書きません、書いてはいけません!
リリー様のお屋敷の様子など書いてしまっては、どんな輩に目を付けられるか分かりません!決して情報を漏らしてはいけません!」

「それもそうですね、私だったらそんな情報手に入れたらすぐ忍び込みます!」

「そうです!わたくしもです。ですからシンシアさん、漏らしてはいけませんよ!会員にもです!」

「代表、了解しました!」

「よろしい!」

「トリーちゃん、シンシアちゃん、終わった?」

「失礼しました、リリー様を放って置いてしまい申し訳ございません。」

「良いの良いの、じゃあ荷物置いたら皆んなでお茶しよう。」

「「はい」」


二人を廊下で待ち、殿下とロイが待つサロンに行った。


「お待たせしました。」

「リリーちゃん、今日はお世話になる、よろしくね。」

「はい、殿下。トリーちゃんの部屋は殿下の部屋から一番遠い部屋にしました。」

「どうしてそんな意地悪するかな、リリーちゃん。いつからそんな子になったの?代理のせい?」

「殿下!どうして私のせいにするんですか!私はいつでも皆んなの為に走り回っているのに。」

「リリーはどうなっても可愛いのですが、何か文句でもあるんですか、殿下?
でも殿下の言うように、代理のせいでリリーは悪知恵が働くようになりました。すべて代理のせいです。」

「なんだろ、この男性陣…代表、怒って下さいよ!」

「シンシアさん、シンシアさんは敬うって言葉を知らないのですか?殿下は素晴らしい人です。」

「リリー様、ロナルド様に何か言ってください!」

「シンシアちゃん、ここに居る皆んなにそんな口利けるのシンシアちゃんだけだと思うよ」


こうしてお泊まり会は始まった。



最初はみんなでお茶を飲んだり、庭を散策したり、街に買い物に行ったりと楽しく過ごしていた。


夕方、我が家には緊張感が張り詰めている。


私達が街に行ってる間に来たお客様が誰なのか知らないが、その方が来てから空気が変わったんだとか。

何故か、お父様の緊張感が半端ない。

その来客はトリーのお母様だった。

あ、ちなみにトリーちゃんは“トリー”、シンシアちゃんは“シア”と呼んでと言うのでこれからは愛称で呼ぶことにした。

トリーのお母様が挨拶したいと訪問されたのだとか。

応接室に、お父様、お母様、トリーのお母様がソファに座っていた。


「お父様、お母様、只今帰りました。」

「あーーー待っていたよ、おかえり。
カトリーヌ嬢の母上のジュリア様がお越しだよ。ご挨拶を。」

「トリーのお母様、ご挨拶が遅れました。
リリーナ・ワソニックと申します。
いつもカトリーヌ様にはお世話になっております。」

「まあ、可愛らしいお嬢さんね、こちらこそはじめまして、ジュリア・イーガーですわ。娘がいつも貴女の話しばかりするのよ。
お友達になってくれてありがとう。」

と言うとジュリア様は立ち上がり、後ろに隠れるように立っていた殿下を見つけ、

「ジュリア・イーガーがルイジェルド殿下に御挨拶申し上げます。」

「イーガー夫人、久方ぶりです。お変わりありませんか。」

「はい、お陰様で何事もなく過ごさせて頂いております。
殿下には娘がお世話になっておりますようで、ワソニック侯爵様のお屋敷に滞在中の殿下に是非、御挨拶をと思い伺った所存でございます。
ワソニック侯爵様には突然の訪問にも関わらず、丁寧な御対応ありがとうございます。」

「態々、申し訳ありません。婚約の際にはあまり話せなかったので、ゆっくり挨拶したいと思っていました。」


殿下の口調がいつもと変わったので驚いた。
誰にでも横柄な口調なのに、私のお祖父様にも敬語じゃなかったのに、トリーのお母様には敬語…。

「さあさあ、皆さま立ったままでは疲れてしまいますよ、おかけになって。」

と何故か漂う緊張感をお母様が断ち切った。

皆、恐る恐るソファに座ると

「お母様、今日来るなどわたくしも知りませんでした。来るなら言ってくだされば良かったのに。」
とトリーが尋ねると
「ビックリさせたかったのよ、カトリーヌのお友達にも会いたかったしね。」

「そうだったのですね、それでは紹介させて貰っても宜しいですか?」
と聞くトリーに皆が首を縦に振る。

「先程リリー様は御挨拶をなさっていたので、こちらの方から。
こちらはグランディ侯爵の御子息ロナルド様、こちらがランソル伯爵の御息女シンシア様でございます。」
とロイとシアを紹介した。
シアは珍しく緊張していた。

紹介が終わると
「皆さん、これからも娘をよろしくお願いしますね。
私がいるとお邪魔になってしまうのでこれで失礼致しますわ。
アラン様、マリア様、急に申し訳ございませんでした。娘をよろしくお願いします。
あ、後アラン様、そんなに緊張なさらないで、私何もしませんわよ、何も無ければ。」

と言って颯爽と帰っていった。


ジュリア様を見送った玄関でトリー以外の全員が息を吐いた。

何故か私も皆んなに釣られ緊張していた。



お父様が小さな声で
「何かあったら何するっていうの?」
とお母様に震えながら聞いていた。















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は既にフラれましたので。

椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…? ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する

ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。 夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。 社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。 ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。 「私たち、離婚しましょう」 アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。 どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。 彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。 アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。 こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。

【完結】白い結婚を終えて自由に生きてまいります

なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。  忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。  「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」 「白い結婚ですか?」 「実は俺には……他に愛する女性がいる」   それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。 私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた ――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。 ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。 「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」 アロルド、貴方は何を言い出すの? なにを言っているか、分かっているの? 「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」 私の答えは決まっていた。 受け入れられるはずがない。  自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。    ◇◇◇ 設定はゆるめです。 とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。 もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!

傾国の王女は孤独な第一王子を溺愛したい

あねもね
恋愛
傾国の王女と評判のオルディアレス王国の第一王女フィオリーナが、ラキメニア王国の第一王子、クロードに嫁ぐことになった。 しかし初夜にクロードから愛も華やかな結婚生活も期待しないでくれと言われる。第一王子でありながら王太子ではないクロードも訳ありのようで……。 少々口達者で、少々居丈高なフィオリーナが義母である王妃や使用人の嫌がらせ、貴族らの好奇な目を蹴散らしながら、クロードの心をもぎ取っていく物語。

結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。

真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。 親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。 そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。 (しかも私にだけ!!) 社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。 最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。 (((こんな仕打ち、あんまりよーー!!))) 旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。

【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~

夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。 しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。 しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。 夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。 いきなり事件が発生してしまう。 結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。 しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。 (こうなったら、私がなんとかするしかないわ!) 腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。 それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。

花言葉は「私のものになって」

岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。) そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。 その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。 美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。 青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。

これ以上私の心をかき乱さないで下さい

Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。 そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。 そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが “君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない” そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。 そこでユーリを待っていたのは…

処理中です...