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恐怖するアラン
しおりを挟むアラン視点
リリーの友達が泊まりに来る事になり、今まで無かったことだけにマリアと楽しみにしていた。
まあ、ロイ君も来るだろうとは思っていたが、まさか殿下まで来るとは思わなかった。
カトリーヌ嬢を心配して付いてくるらしい、どんだけ好きなんだか。
カトリーヌ嬢はとても丁寧で凛としている知的美人だ。
シンシア嬢は明るく活発そうで、リリーと気が合いそうなお嬢さんだ。
二人ともリリーをとても大切にしてくれているのが分かる、良い友達を持ったと思う。
殿下は変に気を遣われるのが嫌な方だから、ロイ君に任せておけば大丈夫だろう。
皆が街に出掛けてマリアと二人、のんびりしていたら、来客の知らせ。
・・・魔王が来た…。
な、な、なんで?今日?
カトリーヌ嬢が泊まるからと挨拶状は来てた。だが、魔王が来られるとは一言も書いてなかったはず!
マリアに、
「何か聞いてた?」と聞けば、
「何も。殿下も来てるから挨拶にでも来たんじゃないかしら。」
と呑気だ。
マリアは知らない…あの方は魔王様だという事を。
「お、お出迎えにあが、あがろう」
「アラン?吃ってるわよ、緊張してるの?」
「名門の家系だからな、イーガー家は!」
「そうね、行きましょう。」
マリアを誤魔化して玄関へ向かう。
玄関に魔王様が居られた。
「お待たせ致しました、お久しぶりです、ジュリア様」
「急に押し掛けてしまい、申し訳ございません。皆さんを驚かそうと思いまして連絡も致しませんでした。」
「いえいえ、来て頂き嬉しい…です」
「そうですよ、娘がカトリーヌ様にお世話になってるそうでこちらこそ申し訳ございません。さあさあ、ここではなんですから、奥へどうぞ。」
とマリアが対応してくれた。
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えさせていただきますね。アラン様、どうしました?」
「は⁉︎すみません、ボォーっとしてしまいました。さあ、どうぞ。」
と魔王様を案内する。
くそッ!イアンがゴネなかったらイーガー家にお泊まりだったのに!
応接室に案内し、マリアと雑談する魔王様。
目を合わせないように魔王様の眉間を見つめて話していると、一瞬、ニヤっと魔王様が笑った。
え?なんで笑った?え?
陛下が王太子の時に襲われた際の光景は凄まじかった…
足が…腕が…首が…
あたり一面真っ赤で、真っ黒な髪のジュリア様が血みどろで高笑いしてる姿は、心の底から恐ろしかった。
僕もそれなりに剣は扱える。
だが次元が違う。全く動けなかった僕達は笑っている彼女が何より怖かった。
その彼女が笑ったのだ、怖くないわけないじゃないか!
リリー、いつ帰ってくるんだろう…
早く帰って来て!
ふと、ジュリア様を見るとまたニヤっとした!
何なのこの人、何しに来たの?
殿下?殿下泊めるから怒ってるの?
何を話したのかよく覚えていない状態が続いた頃、リリー達が帰って来た。
子供達の紹介が終わり、魔王様は帰るという。
帰る際の
“何もしませんわよ、何も無ければ。”
何かあるの?何かあったら何されるの?
怖くてマリアにしがみついてその日は寝た。
陛下には抗議文を出した。
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