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ジュリア号泣
しおりを挟む〈陛下の部屋〉
ジュリア視点
「フゥーー終わったな。」
「はい、もうロータスの手下もいない様ですし。」
「皆、ご苦労だった。
こんなにも早く解決できたのは皆の協力があってこそだ。
危険な目にも合わせたが、誰も失くす事なく終われた。
ジュリアの怪我は私の軽率な行動が原因だ。しかしジュリアは怪我をしても尚捜索、警護、捕縛と活躍してくれた。
私からジュリアには何か褒美を授けたい。
考えておいてくれ。
サイモンもよく働いてくれた。
ここにいる皆が優秀ゆえに私は助かった。
良き臣下を持てて本当に良かった。
ご苦労だった。
解散!」
陛下の言葉で襲撃事件は終結した。
解散の言葉の後、護衛が到着し、すでに事件が解決している事に全員驚いていた。
本当に陛下が無事で良かった…。
陛下が私を恐れているのは知っていた。
というか陛下の周りは漏れなく全員私を怖がっている。
学生の時から早二十年・・
笑えば怯え、
動けば怯え、
話せば怯え、
何をやっても印象は変えられなかった。
私は、
真面目で友を大事にし、頭の回転も早く、
剣の腕もなかなかのもので、上に立つ者としての気構えもある素晴らしい陛下を尊敬している。
だが、
二十年・・・二十年、私を見る度、怯えていた陛下。
その陛下が、私を心配し、褒め、褒美…。
怪我した私を心配していた陛下…
無茶をして諌めていた陛下…
ハロルドには怒られたけど、捕縛して褒めてくれた陛下…
私の息子を褒めてくれた陛下…
などと心酔する陛下の事を考えていたら、
ハロルドに頭を叩かれた。
「お前、陛下の事考えてただろ!止めろ、他所の旦那だぞ、本当の旦那の事考えろよ!」
「だって…あんなに嫌ってた私の事…褒めてくれたから…グス…」
「泣くなよ…さっきまでの勢いはどこいったんだよ。」
「ハロルドーーーー私、頑張って良かったーーーーーーーーーーー」
「分かった分かった!泣くな、みっともない!魔王の名が泣くぞ。」
「だってーーーー」
「ほら、カイルもアランも殿下もサイモンもついでに陛下も引いてるぞ!」
「だって二十年だよーーーー二十年も嫌われてたんだよーーカイル様もアラン様もリチャード様も私の事、嫌ってたものーーーーーーーー」
「ジュ、ジュリア、嫌っていたのではないぞ、怖がっていたのだ。」
「そうです、嫌ってなど滅相もないです、目を合わせない様にしていただけです。」
「そうですよ、ジュリア様のお強さに若干引いていただけですよ。」
「ほらーーーーーみんなが私を嫌いってーーーーーーーー」
「「「言ってないし!」」」
「ジュリア、みんなそんな事言ってないし、思ってないよ。今回の事でジュリアには皆が感謝している。今までは少し怖がっていたかもしれないが、もう怖がってはいないよ、
なあ、みんな!」
「ジュリア、私は今回の事でジュリアの事を好きになったぞ。」
「私もジュリア様のファンになりました」
「私も娘共々お友達になりたいくらいです!」
「ほら、そう言ってるぞ、もう泣くな。」
「本当に?」
「「「本当です!」」」
「アラン様、本当にお友達になってくれるの?」
「へ?・・・・はい!」
「じゃあ、また家に娘と遊びに行ってもいいの?」
「是非!」
「ありがとう。ハロルド、ごめんね、たくさん泣いたらスッキリした!」
「さあ、お前は少し休め。傷口から血が滲んでるぞ」
「分かった…皆様、失礼します…」
「陛下、私はジュリアを部屋に連れて行きます。」
「うんうん、ゆっくりしてこい」
バタン。
「「「「「ハアァァァァーーーー」」」」」
「襲撃より疲れたぞ…」
「あんな可愛い感じで泣くんだな、ビックリした…」
「・・・・俺…お友達になった…」
「恥ずかしい!母親のあんな姿、恥ずかしい!」
「カトリーヌの母上は…なんというか…可愛らしい方だったのだな…」
ちょっとした嵐の様な出来事に少し癒されて、各自部屋に戻った。
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