116 / 125
寂しいカトリーヌ
しおりを挟むカトリーヌ視点
・・・・・・私、怒っています。
最近、全く、全く、学院でのリリー様達との楽しそうなイベントに関わっていません。
ロナルド様の女装も見れず、シンシアさんの領地にも行けませんでした。
我が家勢揃いだったというのに!
陛下が襲われた事は許せない事ですが、イーガー家が活躍したと聞けば、私だってと思ってしまいます。
ルイ様は私に一言も言わずに領地に行かれたのです。
後で聞かされ、私、泣きました…
大泣きしました…。
王子妃教育は大事です、私なりに頑張って参りました。もうすぐ終了となります。
大事な時でもあります。
ですが、私だけ…と思ってしまうのです…。
家に帰り、お気に入りのリリー様の姿絵を見ても、ルイ様の姿絵を見ても、頂いたロナルド様の女装の姿絵を見ても、気分が上がらないのです…。
そんな私を心配し、お父様もお母様もお兄様もお声をかけて下さりますが、尚悲しくなります。
お父様などは、
「カトリーヌ、今回は危険だったのだ。
殿下はそれを見越して声を掛けなかったのだろう。
お前が結婚する前に家族で行こう!
あそこの露天風呂は良かったぞー、混浴だからな!それに空気も良いし、景色も良かった!
バタバタしてゆっくりは出来なかったが、久しぶりにジュリアの勇姿も見れたし、今度はカトリーヌも行こうな!」
と傷口に塩を塗り、
お母様は、
「カトリーヌは行かなくて正解よ。あなたに何かあったら、どうするの?
殿下は立派だったわよ~陛下の片腕として的確な指示を出し、私の事も労る優しさがあり、良い婿様だわ~。リリーちゃんとも仲良くなったし、リリーちゃんのお父様のアラン様とも友達になれたのよ!凄いでしょ!」
と自慢し、
お兄様は、
「カトリーヌ、お前は行かなくて良かった。あそこの露天風呂は混浴なんだぞ!絶対、殿下は一緒に入ろうと誘ったぞ!
僕はロナルド君、ハンスと入っていたんだが、途中でリリーちゃん達が入って来た時のロナルド君は凄かったぞー。
そして、そこの宿の…シンシアは…とても可愛かった…。」
とほざきましたの!
家族全員、浮かれておりまして、
私だけが見てもいない、
知りもしないのです…。
とても…寂しいのです…。
そして、今日は王子妃教育の最終試験になります。
これに合格出来れば、また皆さんと一緒にいられます!
頑張ります!
試験は休憩を挟み、十時間かかりました。
終わった時は夜でした。
なんとか合格は貰えそうですが、一人王宮の廊下を歩いているのが、悲しくて涙が出そうです。
下を向いてトボトボ歩いていると、
「カトリーヌ!」
とルイ様の声がします。
顔を上げるとすぐ側にルイ様がいて抱きしめて下さいました。
「カトリーヌ、お疲れ様。今までよく頑張った!さっき聞いてきた、合格だ!」
「本当でございますか!これで学院に通えますか?」
「ああ、一緒に通える!さあ、お祝いしてあげるから行こう!」
「ルイ様、これからですか?もうこんな時間ですよ。」
「いいんだ!本当は皆もお祝いしたいと言っていたのだが、オレが今日は二人で祝いたいとお願いしたのだ。」
「そうなのですか、お祝いとは何をするのですか?」
「とにかく部屋へ行こう」
とルイ様の私室に連れて行かれました。
部屋に入ると、たくさんのプレゼントの山がありました。
もちろんリリー様のもあります。
ルイ様と一緒に開けていきます。
先ずはリリー様から。
「リリー様は何を下さったのでしょう、楽しみです!」
ワクワクして開けました。
「・・・これは…何でしょう…人形…でしょうか…何か呪術的な物でしょうか…ぬいぐるみ?」
「リリーちゃんの話では、代理の領地の新しいお土産らしいぞ。
リリーちゃんは絶賛していたんだがな…」
「いえいえ、大変良い物を頂きました。あの、その、独特で驚きましたが、これは何かルイ様は知っていますか?」
「確か、ネズミの一種なんだ。毛がなくてな、土の中にいるから目もよく見えないらしい。」
「・・・・ネズミ…」
「リリーちゃんは、“めっちゃ可愛い”と言っていた。カトリーヌとお揃いで持つと言っていた。」
「…そうですか…そうですね、リリー様とお揃いです、嬉しいです。」
次はロナルド様のにしましょう。
「これは服…ですね…何の服でしょう?とても可愛らしいですが、丈が短過ぎますね…」
「あ!・・・これは、その、あれだ、ロイが女装にハマっていてな、可愛い服を押し付けて来るんだ!カトリーヌにも似合うだろうってな。」
「そうですか…もっと入っていますよ、コレは何処の学院の制服でしょう、これはサイズが小さいのでしょうか、おへそが見えてしまいそうですね、可愛らしいですが…」
「カトリーヌが着たらなんでも可愛いと思うぞ、今度試しに着てみよう。さて、次は、誰のかな?」
「そうですね、たくさんありますからどんどんいきましょう。次はシンシアさんですね。これは…紐?リボン?何でしょう?小さな布が紐に付いていますが…ルイ様分かりますか?」
「うーーーーーーん、これはな、なんだ、アレだ、カトリーヌが身体につける物かなぁ・・・・ナンダロウナー」
「身体?私の身体に身につける物なのですか?どうやってつけるのですか?
腕に巻くんでしょうか?それとも足?」
「足が近いかなぁーと思う、知らんが。」
「今度聞いて見ましょう。」
「・・・そうしてくれ…」
次はお兄様ですね。
「・・・・お兄様のはリリー様と色違いです…。最近お兄様はシンシアさんの事ばかり話します。なのでシンシアさんの領地のお土産なのですね…ネズミが二体…それも毛無し…」
「カトリーヌ、ほらほら、まだあるぞ、次だ!」
「…そうですね、なんだか素直に喜べなくなっていますが、皆さんの気持ちが篭っていますものね、どれも嬉しいです。
次はお父様です。
お父様のは・・・・・やっぱりネズミですね…それも親子ですね…私が勉強してる間にネズミが流行ってるんでしょうか…何故皆さんネズミなんでしょう…私知らぬ間にネズミ好きと噂されているのでしょうか…」
「ハロルド殿は買った時を見てたので分かるぞ!あの温泉地を出発する時に、急いで買っていた。カトリーヌが喜ぶからと。」
「・・・・何故私が喜ぶと思ったのでしょう…家に帰り次第聞きたいと思います!」
「そ、そうだな。」
「もうどんどん開けましょう!もう分かりましたよ、お母様もネズミです、きっと!」
お母様のプレゼントを開けました。
「これは…赤ちゃんの服ですね…靴もなんて小さいのでしょう…ルイ様、靴下を見て下さい、なんて可愛らしい…こんなに小さい物なんですね…可愛い…ルイ様との赤ちゃんが出来たら着せましょうね…・・・・ルイ様との・・・・・赤ちゃん・・・・・」
「カトリーヌ、どうした?恥ずかしいのか?」
「…恥ずかしいです…まだ結婚もしていないのに赤ちゃんなんて…申し訳ございません、はしたなかったです…。」
「何を恥ずかしがる?ロイ達の後だが、もう少しで結婚するんだ。」
「でも…」
「今日はな、カトリーヌはここに泊まっていいと許可を取った。
嫌か?」
「それは…」
「カトリーヌが嫌なら何もしない。でも隣りで寝てくれ。」
「ルイ様…」
その夜、ルイ様に大切に大切にしてもらいました。
痛くて、恥ずかしくて…ですが、幸せでございました。
途中、シンシアさんの紐の正体を知り、ルイ様につけさせられて、気を失いそうなほど、恥ずかしい姿を晒しました。
隠すべき所はほんのちょっとしか隠れず、驚いてしまいました。
ルイ様は興奮しており
「代理はどこで買ったんだ、今度聞かねば!」と張り切っておりました…。
そういえば、私の怒りは何処にいってしまったのでしょう…
結局、ルイ様に抱きしめて貰えれば私などすぐ機嫌が良くなるんですよね。
なので、ずっと側にいて下さいませね、
ルイ様。
72
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
十年越しの幼馴染は今や冷徹な国王でした
柴田はつみ
恋愛
侯爵令嬢エラナは、父親の命令で突然、10歳年上の国王アレンと結婚することに。
幼馴染みだったものの、年の差と疎遠だった期間のせいですっかり他人行儀な二人の新婚生活は、どこかギクシャクしていました。エラナは国王の冷たい態度に心を閉ざし、離婚を決意します。
そんなある日、国王と聖女マリアが親密に話している姿を頻繁に目撃したエラナは、二人の関係を不審に思い始めます。
護衛騎士レオナルドの協力を得て真相を突き止めることにしますが、逆に国王からはレオナルドとの仲を疑われてしまい、事態は思わぬ方向に進んでいきます。
白い結婚の行方
宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」
そう告げられたのは、まだ十二歳だった。
名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。
愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。
この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。
冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。
誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。
結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。
これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。
偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。
交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。
真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。
──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる