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答辞
しおりを挟む学院長の挨拶から始まった。
在校生代表挨拶は、なんとキャサリンさんだった。
あ
あの鼻を噛まれたキャサリンさん。
今では知的美人に変わった。
お手伝いしていた医療所の先生と結婚するとかしないとか。
あの時は春だった。
早いなあ~一年。
あれ?同じクラスだったはず…。
ま、いっか、後で聞こう。
次は卒業生代表、ルイジェルド殿下の挨拶だ。
今日は特別席の二階に陛下と王妃様も出席している。
「本日は私達、卒業生の為、このような盛大な式典を用意して下さりありがとうございます。
そして、
堅苦しい話し方ではなく、自分らしい話し方で話す事をお許し下さい。
俺達が入学したのは三年前の春で、それぞれが何かを期待し、何かを抱え、何かを探しに入学してきた。
俺は何も持たずに入学した、入学するのが義務だと思っていたから。
ただ勉強するだけ。
友人を作ろうとも思わなかったし、必要だとは思わなかった。
今思えば、勿体ない事をしていたと思えるが、その時は気付かなかった。
そんな時、一人だけ気になる男がいた。
父の友人の息子というだけで親しくはなかったその男は、いつも走っていた。
気になり見ていると、必ずその先には変わった女子生徒がいた。
二人は見た目は抜群に良いのに、何故か残念な感じの二人だった。
毎日毎日、走っては抱きつき、抱きつかれた方は変な武器を片手にポーズを取っている。
気になりその男、ロナルド・グランディを側近候補にしてもらった。
見た目派手な男は、全く派手ではなく、
王族の俺にも不敬極まりない態度を取るが、
不快感はなかった。
もっと知りたくてちょこちょこ話すようになると驚くほど面白い奴だった。
そいつが大事にしている女子生徒も面白い女の子だった。
それが有名な、
リリーナ・ワソニック伯爵令嬢だ。
この学院でこの二人を知らない奴はいないほどの有名人、この俺よりもだ。
この二人に出会ってから、学院は楽しかった。
特にこの一年は特別な一年だった。
香水の件では皆に迷惑をかけたが、解決出来た。
その時出逢ったのが、
俺の最愛の、
カトリーヌ・イーガーだ。
初めて、こんなに顔を見るたび嬉しくて、
笑えばもっと嬉しくて、
怒らすと落ち込み、会えないと寂しい。
こんな気持ちを知ったのも二人との出会いがあったからだ。
その後の俺への付き纏いを無くす為に、学院生徒全員による作戦を二人が考え、
実行していたと聞いた時は笑った。
作戦が成功した時の皆の顔は一生忘れないだろう。
そして、皆のお陰でカトリーヌにプロポーズが出来た。ありがとう!
ロナルドの怪我の時、友を失くすかもしれない恐怖を知った。
友が壊れそうになるのも怖かった。
今まで味わった事のない感情をたくさん知った。
こんなに楽しかった事はなかった。
こんなに幸せな時間を送れて、
この学院に通えて、
本当に良かった。
今日、俺達は卒業するが、この学院で過ごした日々を絶対忘れない。
今までありがとう。
学院長、諸先生方、保護者の皆様、至らない我々を温かく見守って下さり、
ありがとうございました。
卒業生代表、ルイジェルド・マクドリア。
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