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新婚編
サイモン視点
しおりを挟むリリーナちゃんとロナルド君の結婚式に出ている。
それもシンシアのパートナーとして!
まだ想いが通じて二日しか経っていないが。
今日は両親と妹も出席している。
妹はルイジェルド殿下と一緒だ。
リリーナちゃん達に俺達の事を報告しようとシンシアと挨拶に行った。
案の定リリーナちゃんは冷やかす事もなく、
大喜びしている。
良い子だ。
それに引き換え殿下の言い草!
何が振られると思っただ!
そっちこそカトリーヌに愛想を尽かされるぞ!
なんて縁起の悪い事は言いたくないが、
今王宮の中で流れている噂はカトリーヌを苦しめている。
実際傍から見ればお似合いだ。
幼馴染みなので仲も良い。
だがあの殿下は全く王女に興味はない。
王女の方は知らないが、殿下が靡く事は無いだろう。
殿下付きの際に、殿下、王女、カトリーヌの三人でお茶を飲んでいる所を見た。
二人は楽しそうに昔話をしていたが、カトリーヌには分からない話しだ。
笑顔は向けているが楽しくはないだろう。
“何やってんだ、あの人!”と思っていた。
俺は気付いた。
あの王女、カトリーヌを邪魔だと思っている事を。
殿下がカトリーヌに話しを振ろうとするとすかさず話しを変え、カトリーヌに話しをさせない。
その事に殿下は気付いていない。
あんた王族なんでしょ?
空気読みなさいよ、そういった教育受けるんでしょ?
俺だって訓練したっつうの!
目線や仕草、口調で分かるやろ、あの王女の考えてる事!
カトリーヌの顔見て分からんのか!
ダメだ、仕事中なのに集中出来ない。
そこからは気を取り直して集中したが、
一度カトリーヌと話そうと思っていた。
そして、今カトリーヌにあんな顔をさせている殿下を睨んでいる。
殿下も俺に気付いたようだ。
こちらに文句を言いに来る事もなく、カトリーヌの側にいる。
殿下もカトリーヌの様子がおかしいのは気付いたようだ。
カトリーヌも俺に何か話しがあるのかじっと見ている。
横にいるシンシアも察して邪魔はしない。
この子何気に空気を読むのが上手い。
話してみると短剣も少し使えるらしい。
イーガー家の嫁にもってこいだ。
殿下から目を逸らし、
「シンシア、場所を移動しよう。」
と殿下達から見えない場所に移動した。
「サイモン様、代表はどうしたんですか?殿下と何かあったんですか?」
「カトリーヌと話してみなければ分からない。けど何に悩んでるかは検討がつくかな。」
「私に言えない事なら言わなくていいです。だけど、代表を助けてあげて下さい、お願いします。」
「帰ったらカトリーヌと話しをするよ。
それよりシンシアもカトリーヌも折角のお祝いなのに暗い顔してたらリリーナちゃんが心配するよ。」
「それもそうです!今日はお祝いです、楽しみましょう!さあ、お料理も美味しそうな物がたくさんあります、行きますよ、サイモン様!」
と引っ張って行く。
本当にこの子は空気を読むのが上手いな。
好きだな、本当。
一旦カトリーヌの事は忘れてパーティーを楽しんだ。
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