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新婚編
リリーナ視点
しおりを挟む今日はいつの何時なんでしょうか…
ロイの体力って底無しなんですか…
私の体力が無さ過ぎるんでしょうか…
朝ですか…夜ですか…
ボォーっとした頭でそんな事を考えて横を見たらスッキリした顔で眠っているロイ。
この隙にと思い、枕をひっくり返した。
お父様、お母様、ありがとう、こんなに大事な枕だったなんて知りませんでした…
もう一眠りします…おやすみなさい…
外の明るさで起きたら、横で寝ている筈のロイが上半身を起こし、私を凝視している。
何?怖いんですけど…
「怖いよ、ロイ。おはよう。」
「リ、リリー、どうして枕、バツになってるの?僕はダメだったの?嫌なの?下手なの?」
「待って待って、寝起きで何言ってるのか分かんないよ…」
ロイが私を抱きしめながら、
「枕…丸じゃないよ、バツになってるよ…」
「あ~一回起きた時にひっくり返したの…休憩させてって…ロイ終わらないから…嫌じゃないよ…」
「そうなの?嫌じゃない?」
「嫌じゃないよ。でも私の体力がなくてもう動けないよ…声も出ないし…」
「ごめん、リリー可愛いから止まらなかった…ごめんね、ちょっと休憩しようね。
お風呂入ろうね。」
「うん、でも動かないよ…」
「大丈夫、抱っこして行くから。」
「抱っこはヤダ…でもお風呂は入りたい…お風呂では何もしないでね。」
「分かってる…と思う。」
「もう!」
結局お風呂でもイタズラされてグッタリしてしまい、食事もせずに寝てしまった。
なんだかんだで気付けば結婚式から三日も経っていた…。
やっと動けるようになって、父様、母様に挨拶に行った。
「すみません…ご挨拶が遅くなりました。
カイル父様、シェリル母様、おはようございます。今日からよろしくお願いします。」
「良いの良いの、ロナルドがどうせ無理させたんでしょ、可哀想に。」
「初夜に無理しないでいつ無理するんですか!」
「バカね、初夜だから無理させないようにするのよ!」
「二人とも朝からやめなさい!リリーが恥ずかしがってるよ!」
「まあ、リリーは相変わらず可愛いわ!さあ、お腹が空いたでしょう、食べましょう!」
「はい、ペコペコです。」
「フフ、そうよね、いっぱい食べましょ。」
「そういえば、ロナルド、陛下に合ったぞ、それで「父上、食事中です、後で聞きます。」」
「おお、後でな。」
「あら、男同士で何かしら?」
「仕事の話しだよ、殿下の仕事だからロナルドも知る必要があるだろう?」
「そうです、しばらく休ませてもらっているので父上に仕事の確認を頼みました。」
「そうね、後三日は休みよね?」
「そうですね、仕事次第で一度殿下に会う必要があるかもしれませんが。」
「ロイ、休み明けは大変そうだね。」
「そうだね、やる事山積みだと思うよ。」
「頑張ってね!」
「うん、ありがとう。でもまだ三日は休めるから、もう枕バツ出さないでね。」
「「バツ?」」
「ロイ!ヤダ、やめて!」
「アラン父様とマリア母様に貰った枕の事ですよ。」
「「あ~あれ。」」
「カイル父様もシェリル母様もあの枕知ってるんですか?」
「新婚には必需品よ!」
「・・・そうなんだぁ…知らなかった…」
「意外と役に立つのよ、あのね「母上、いらない情報をリリーに与えないで下さい。今朝、バツを出された衝撃が癒えていませんので。」」
「もう出されたの?」
「お前やり過ぎだぞ!」
「もうーーーー朝からこの話しは終わり!」
「「「ごめんなさい」」」
「フフフ、でもここもウチと同じような感じなので安心できます。」
「いつもこんな感じよ、ロナルド一人で怒ってるだけだけどね。」
「そうだな、大概ロナルドが怒ってるな~」
「怒ってませんよ、二人に付き合ってるだけですから!」
「そういう事にしよう、ロナルド、さっさと食べて仕事の話しするぞ。」
「はい」
少しロイとカイル父様の会話が気になった。
ロイは父様の話しを途中で止めた。
仕事の内容を言わせたくなかったんだろう。
聞かれたくないから。
仕事の話しをされても私には分からない。
その話しを止めたのなら私にも理解できる内容なのだろう。
ロイが止める私にも分かる話し…城の事なら殿下の事かな…。
ロイは絶対私が悲しむ事はしない。
私が悲しむと思ったら必ず話してくれるだろう。
だから大丈夫。
今はロイが先に父様から話しを聞くのを優先したんだろうな。
そう思い、美味しい食事を新しい家族と食べた。
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