私の婚約者の苦手なもの 番外編

jun

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新婚旅行編

アラン視点

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イアンがヘンリー様に譲位するか悩んでいるようだ。

イアンは十代前半から命を狙われ続けた。
反王族派だかなんだか知らないが、よくもまあってほど狙ってきていた。
ハロルドもジュリア様もいたので大丈夫だったが、ジュリア様が魔王と呼ばれる原因になった暗殺未遂と露天風呂の襲撃はギリギリだったと思う。
イアンは笑いながらも緊張感は途切らさなかった。
ハロルドもだし、俺達もだ。
だから、俺はいつでもイアンがリラックス出来るように、みんなの気が少しでも休まるようにと明るく振る舞った。

まあ、それが素なんだけど。

イアンもだが、ハロルドも酷かった。
いつもピリピリしていて、飯も食べない時があった。

そんな二人が痛々しくて見ていられなかったが、俺は話しかける位しか出来なかった。

それでも二人は笑ってくれた。
ゲラゲラと楽しそうに笑ってくれるのが嬉しかった。

イアンはこれからの国の為に、
ハロルドはイアンの為に、
命を張って戦っている姿を俺もカイルもリチャードも間近で見てきている。
だから、何がなんでもイアンを王にしようと思ったし、ハロルドにだけ負担をかけないように全員で今までやってきた。


だから、イアンがヘンリー様に譲位するのも良いのかもしれない…
もうゆっくりして良いよって言ってあげた方が良いのかもしれない…

でも…イアンが退位したらこの場所はもう俺達の場所ではなくなってしまう。


場所が変わっても何も変わらないが、あんな思いしてこの場所を守ってきたんだもの、
もう少しって思ってもバチは当たらないと思う!


イアンは自分が死と隣り合わせのところに長い年月いたからか、とにかく俺達が怪我したり、倒れる事を恐れている。

だからって俺の姿絵って…恥ずかしいような、嬉しいような、変な気持ちになっちゃうよと思ったら、いつの間にか全員の姿絵に変えたようだ。


一瞬、笑いそうになったが、イアンの言ってる事が胸にきた。

そうなんだよね、こうやって一緒の時ばかりじゃない。

いつ、何があるかなんて分からない。
実際、俺も死にかけたし。

だから俺もみんなの姿絵欲しいと思った。

シンシアちゃんに全員が頼んだ。


しばらく経ってから、


「なんか…俺達って…女子学生じゃね?」
とカイルがボソッと言った。

うん、思った。
冷静になったら、恥ずかしい!って思った。

でも、イアンは本気で俺らの事を思って持ってくれている。
だから、恥ずかしくはない!とカイルに言ったら、

「お前の考えた事は俺も思った。でも、他の奴には絶対秘密だ。特にトーマスとハンスにだ!サイモンにはバレるから仕方ないとしても、あの二人には絶対秘密だからな!」

とハロルドとリチャードにも言っていた。


多分、バレるだろう…
だってイアンは凄く喜んでるから、クロに報告するもの…。
そしたら、トーマスとハンスにもバレるよね…。

まあ、いいでしょ、仲良しなんだから!














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