18 / 29
18
しおりを挟む
「はぁ、はぁ……! 見たかミア! ここなら誰もいない!」
「ええ、殿下! きっとこの奥に、違法な実験場か何かがあるはずですわ!」
真昼の荒野。
リゾートの喧騒から離れた岩場に、ジュリアンとミアの姿があった。
彼らは「散歩」と称してホテルを抜け出し、警備の目を盗んで(と本人は思っている)外へ出たのだ。
「いいか、必ず証拠を見つけるぞ。そうすれば、あの生意気な女を失脚させられる!」
「はい! そしてこのリゾートは私たちのものに……!」
二人は欲望に目を輝かせ、さらに奥へと進んだ。
しかし、彼らは気づいていなかった。
周囲の岩陰から、無数の視線が注がれていることに。
ザッ……ザッ……。
「ん? なんだ今の音は」
ジュリアンが足を止める。
「風の音じゃありませんこと? ……きゃっ!?」
ミアが小さな悲鳴を上げた。
彼女の足元、地面がモコモコと盛り上がったからだ。
「な、なんだ!?」
ボコォッ!!
土煙とともに飛び出したのは、巨大なモグラ――ギガント・モールの『モグオ』だ。
「ギュウゥッ!(こんにちは!)」
「ひぃぃぃッ!? ま、魔物ッ!?」
ジュリアンが尻餅をつく。
それを合図にするかのように、周囲の岩場から次々と影が現れた。
燃え盛る赤毛のフレイムボアたち。
硬質な鱗を持つロックリザードの群れ。
空には、巨大な翼を広げた怪鳥が旋回している。
あっという間に、二人は数十匹の魔物に包囲されていた。
「あ、あわわわ……! なんだこの数は!?」
「囲まれた……! 食べられる……! いやぁぁぁッ!」
ミアがジュリアンの背中にしがみつく。
「殿下! 戦ってください! 剣をお持ちでしょう!?」
「む、無理だ! こんな数、騎士団でも全滅するぞ! 貴様こそ聖女の祈りでなんとかしろ!」
「祈りで腹が膨れる魔物がいてたまるもんですか!」
醜い擦り付け合いをしている間に、魔物たちがジリジリと距離を詰めてくる。
魔物たちの目には、期待の色が宿っていた。
(おっ、新しい客か?)
(オーナーが言ってた『ツアー客』だな?)
(脅かしたらオヤツもらえるんだっけ?)
彼らはシスイから「悲鳴を上げさせたらボーナス支給」と教育されている。
ゆえに、全力で恐ろしい顔(演技)を作っていた。
「グルルルルゥ……ッ!!(腹減ったなぁ)」
「シャァァァッ!!(肉かなぁ)」
「ひぃッ! ごめんなさい! 美味しくないです! 私は美味しくないですぅぅ!」
ジュリアンが涙目で首を振る。
絶体絶命。
死を覚悟したその時。
パァーンッ!!
乾いた破裂音が響き、魔物たちが一斉に動きを止めた。
「そこまで!」
凛とした声が空から降ってきた。
「へ……?」
ジュリアンたちが顔を上げると、そこには異様な光景があった。
巨大な箱型の馬車――鉄格子で覆われた『装甲バス』が、猛スピードで突っ込んできたのだ。
キキーッ!
バスが二人の前で急停車し、扉が開く。
「生きて帰りたいなら、お乗りください! 早く!」
運転席から顔を出したのは、探検家のような帽子を被ったシスイだった。
「シ、シスイ!? なぜここに!?」
「説明は後です! 彼らは空腹で気が立っています! 秒速でミンチにされますよ!」
「わ、分かった! 乗る! 乗せてくれ!」
ジュリアンはミアの手を引き(というか突き飛ばし)、転がるようにバスへと乗り込んだ。
二人が乗り込むのを確認すると、私はニヤリと笑い、バスを発進させた。
「ふぅ……間一髪でしたね」
バスの中は、ふかふかのシートと冷房が完備された快適空間だ。
後部座席には、護衛役のリュカが腕を組んで座っていた。
「よお。無様な姿だな、殿下」
「バ、バルバトス……! 貴様、見ていたならもっと早く助けろ!」
「俺たちは『ツアー』の巡回中だったんだ。勝手にコースに入ってきたのはそっちだろう」
「ツアーだと……?」
ジュリアンが窓の外を見る。
並走する魔物たちが、バスに向かって手を振っている(ように見える)。
「はい。当リゾートの新アトラクション『ドキドキ☆魔境サファリツアー』です」
私はマイクを握り、バスガイドのような口調で解説を始めた。
「右手に見えますのが、Aランク魔物フレイムボアの群れです。彼らの突進は城壁をも砕きますが、実は背中を掻かれるのが大好きというチャーミングな一面も」
「ふざけるな! さっき殺されかけたんだぞ!」
「いいえ、彼らは『歓迎の舞』を踊っていただけです。……まあ、マナーの悪い客には噛みつくこともありますが」
私はバックミラー越しに二人を見た。
「ところで殿下。このバスへの乗車は『緊急救助オプション』扱いとなります」
「な……嫌な予感がするぞ」
「基本料金に加え、危険手当、燃料サーチャージ、そして私の精神的慰謝料を含めまして……金貨五百枚になります」
「ご、五百枚!? たかが五分乗っただけでか!?」
「命の値段がお安いですね。あのまま魔物の餌になりたかったのですか?」
私が窓の外を指差すと、トンカツが「ブヒィッ(金払え)」と言わんばかりに並走しながら牙を鳴らした。
「ヒッ……! は、払う! 払えばいいんだろう!」
「ありがとうございます。契約成立ですね」
私は手元の羊皮紙にチェックを入れた。
「それにしても、勝手に危険区域に入るとは困りますね。もし怪我でもされたら、リゾートの評判に関わります」
「うぐぐ……! 調査だ! お前が違法な魔物飼育をしている証拠を……」
「違法? 彼らは正当な『従業員』として労働契約を結んでいますよ」
私はバスのダッシュボードから、分厚いファイルを放り投げた。
「全魔物の雇用契約書、予防接種証明書、そして納税記録です。全て合法です」
ジュリアンはファイルを開き、パラパラとめくった。
そこには、魔物の足型(署名代わり)が押された書類が整然と並んでいた。
『氏名:トンカツ。業務:土木・警備。給与:高級サツマイモ現物支給』
「な、なんだこれは……本気なのか……?」
「本気です。魔物と共生し、利益を生む。これがこの土地の新しいルールです」
バスはリゾートのゲートへと戻ってきた。
平和な音楽と、安全な結界の内側。
地獄(外)を見てきた二人にとって、そこはまさに天国に見えただろう。
「到着です。お降りの際は、足元と『懐事情』にご注意ください」
ドアが開く。
フラフラと降りたジュリアンとミアは、大地に口づけせんばかりに安堵していた。
「……お、覚えてろよシスイ……! 絶対に粗を見つけてやる……!」
ジュリアンは捨て台詞を吐いたが、その声には覇気がなかった。
恐怖と出費で、精神をごっそり削られたのだ。
「ふふ、懲りない人たち」
私がハンドルに突っ伏して笑うと、後部座席のリュカが呆れたように言った。
「……お前、魔物たちに『演技指導』までしていたのか?」
「演出(エンタメ)ですよ、閣下。彼らにスリルを提供し、吊り橋効果で二人の愛を深めて差し上げたのです。……追加料金を取りましたが」
「愛が深まるどころか、互いを盾にして喧嘩していたぞ」
「あら、それは残念。……まあ、これで彼らも分かったでしょう。このリゾートの外には逃げ場がないと」
私はバスを降り、太陽を見上げた。
「さあ、次はどんなアトラクションにご案内しましょうか。……おや?」
その時、遠くから別の馬車が近づいてくるのが見えた。
王家の紋章ではない。
もっと質素だが、どこか威厳のある紋章。
「あれは……」
リュカが目を細める。
「……親父か?」
「え?」
「先代バルバトス辺境伯……俺の父親だ」
新たな来訪者。
しかも、リュカの父。
ラスボス(王太子)の後に、まさかの裏ボス登場か。
「……隠居したはずの父上がなぜ」
リュカの表情が険しくなる。
私は瞬時に計算機を叩いた。
先代辺境伯。
頑固一徹で知られる武人。
彼がこの「チャラチャラした」リゾートを見たら、どう思うか。
「……面白くなってきましたね」
私はドレスの裾を直し、新たな「商談」の準備を始めた。
「さあ、迎撃準備です。トンカツ、蝶ネクタイを整えて! 次は『おじいちゃん孝行』プランよ!」
「ええ、殿下! きっとこの奥に、違法な実験場か何かがあるはずですわ!」
真昼の荒野。
リゾートの喧騒から離れた岩場に、ジュリアンとミアの姿があった。
彼らは「散歩」と称してホテルを抜け出し、警備の目を盗んで(と本人は思っている)外へ出たのだ。
「いいか、必ず証拠を見つけるぞ。そうすれば、あの生意気な女を失脚させられる!」
「はい! そしてこのリゾートは私たちのものに……!」
二人は欲望に目を輝かせ、さらに奥へと進んだ。
しかし、彼らは気づいていなかった。
周囲の岩陰から、無数の視線が注がれていることに。
ザッ……ザッ……。
「ん? なんだ今の音は」
ジュリアンが足を止める。
「風の音じゃありませんこと? ……きゃっ!?」
ミアが小さな悲鳴を上げた。
彼女の足元、地面がモコモコと盛り上がったからだ。
「な、なんだ!?」
ボコォッ!!
土煙とともに飛び出したのは、巨大なモグラ――ギガント・モールの『モグオ』だ。
「ギュウゥッ!(こんにちは!)」
「ひぃぃぃッ!? ま、魔物ッ!?」
ジュリアンが尻餅をつく。
それを合図にするかのように、周囲の岩場から次々と影が現れた。
燃え盛る赤毛のフレイムボアたち。
硬質な鱗を持つロックリザードの群れ。
空には、巨大な翼を広げた怪鳥が旋回している。
あっという間に、二人は数十匹の魔物に包囲されていた。
「あ、あわわわ……! なんだこの数は!?」
「囲まれた……! 食べられる……! いやぁぁぁッ!」
ミアがジュリアンの背中にしがみつく。
「殿下! 戦ってください! 剣をお持ちでしょう!?」
「む、無理だ! こんな数、騎士団でも全滅するぞ! 貴様こそ聖女の祈りでなんとかしろ!」
「祈りで腹が膨れる魔物がいてたまるもんですか!」
醜い擦り付け合いをしている間に、魔物たちがジリジリと距離を詰めてくる。
魔物たちの目には、期待の色が宿っていた。
(おっ、新しい客か?)
(オーナーが言ってた『ツアー客』だな?)
(脅かしたらオヤツもらえるんだっけ?)
彼らはシスイから「悲鳴を上げさせたらボーナス支給」と教育されている。
ゆえに、全力で恐ろしい顔(演技)を作っていた。
「グルルルルゥ……ッ!!(腹減ったなぁ)」
「シャァァァッ!!(肉かなぁ)」
「ひぃッ! ごめんなさい! 美味しくないです! 私は美味しくないですぅぅ!」
ジュリアンが涙目で首を振る。
絶体絶命。
死を覚悟したその時。
パァーンッ!!
乾いた破裂音が響き、魔物たちが一斉に動きを止めた。
「そこまで!」
凛とした声が空から降ってきた。
「へ……?」
ジュリアンたちが顔を上げると、そこには異様な光景があった。
巨大な箱型の馬車――鉄格子で覆われた『装甲バス』が、猛スピードで突っ込んできたのだ。
キキーッ!
バスが二人の前で急停車し、扉が開く。
「生きて帰りたいなら、お乗りください! 早く!」
運転席から顔を出したのは、探検家のような帽子を被ったシスイだった。
「シ、シスイ!? なぜここに!?」
「説明は後です! 彼らは空腹で気が立っています! 秒速でミンチにされますよ!」
「わ、分かった! 乗る! 乗せてくれ!」
ジュリアンはミアの手を引き(というか突き飛ばし)、転がるようにバスへと乗り込んだ。
二人が乗り込むのを確認すると、私はニヤリと笑い、バスを発進させた。
「ふぅ……間一髪でしたね」
バスの中は、ふかふかのシートと冷房が完備された快適空間だ。
後部座席には、護衛役のリュカが腕を組んで座っていた。
「よお。無様な姿だな、殿下」
「バ、バルバトス……! 貴様、見ていたならもっと早く助けろ!」
「俺たちは『ツアー』の巡回中だったんだ。勝手にコースに入ってきたのはそっちだろう」
「ツアーだと……?」
ジュリアンが窓の外を見る。
並走する魔物たちが、バスに向かって手を振っている(ように見える)。
「はい。当リゾートの新アトラクション『ドキドキ☆魔境サファリツアー』です」
私はマイクを握り、バスガイドのような口調で解説を始めた。
「右手に見えますのが、Aランク魔物フレイムボアの群れです。彼らの突進は城壁をも砕きますが、実は背中を掻かれるのが大好きというチャーミングな一面も」
「ふざけるな! さっき殺されかけたんだぞ!」
「いいえ、彼らは『歓迎の舞』を踊っていただけです。……まあ、マナーの悪い客には噛みつくこともありますが」
私はバックミラー越しに二人を見た。
「ところで殿下。このバスへの乗車は『緊急救助オプション』扱いとなります」
「な……嫌な予感がするぞ」
「基本料金に加え、危険手当、燃料サーチャージ、そして私の精神的慰謝料を含めまして……金貨五百枚になります」
「ご、五百枚!? たかが五分乗っただけでか!?」
「命の値段がお安いですね。あのまま魔物の餌になりたかったのですか?」
私が窓の外を指差すと、トンカツが「ブヒィッ(金払え)」と言わんばかりに並走しながら牙を鳴らした。
「ヒッ……! は、払う! 払えばいいんだろう!」
「ありがとうございます。契約成立ですね」
私は手元の羊皮紙にチェックを入れた。
「それにしても、勝手に危険区域に入るとは困りますね。もし怪我でもされたら、リゾートの評判に関わります」
「うぐぐ……! 調査だ! お前が違法な魔物飼育をしている証拠を……」
「違法? 彼らは正当な『従業員』として労働契約を結んでいますよ」
私はバスのダッシュボードから、分厚いファイルを放り投げた。
「全魔物の雇用契約書、予防接種証明書、そして納税記録です。全て合法です」
ジュリアンはファイルを開き、パラパラとめくった。
そこには、魔物の足型(署名代わり)が押された書類が整然と並んでいた。
『氏名:トンカツ。業務:土木・警備。給与:高級サツマイモ現物支給』
「な、なんだこれは……本気なのか……?」
「本気です。魔物と共生し、利益を生む。これがこの土地の新しいルールです」
バスはリゾートのゲートへと戻ってきた。
平和な音楽と、安全な結界の内側。
地獄(外)を見てきた二人にとって、そこはまさに天国に見えただろう。
「到着です。お降りの際は、足元と『懐事情』にご注意ください」
ドアが開く。
フラフラと降りたジュリアンとミアは、大地に口づけせんばかりに安堵していた。
「……お、覚えてろよシスイ……! 絶対に粗を見つけてやる……!」
ジュリアンは捨て台詞を吐いたが、その声には覇気がなかった。
恐怖と出費で、精神をごっそり削られたのだ。
「ふふ、懲りない人たち」
私がハンドルに突っ伏して笑うと、後部座席のリュカが呆れたように言った。
「……お前、魔物たちに『演技指導』までしていたのか?」
「演出(エンタメ)ですよ、閣下。彼らにスリルを提供し、吊り橋効果で二人の愛を深めて差し上げたのです。……追加料金を取りましたが」
「愛が深まるどころか、互いを盾にして喧嘩していたぞ」
「あら、それは残念。……まあ、これで彼らも分かったでしょう。このリゾートの外には逃げ場がないと」
私はバスを降り、太陽を見上げた。
「さあ、次はどんなアトラクションにご案内しましょうか。……おや?」
その時、遠くから別の馬車が近づいてくるのが見えた。
王家の紋章ではない。
もっと質素だが、どこか威厳のある紋章。
「あれは……」
リュカが目を細める。
「……親父か?」
「え?」
「先代バルバトス辺境伯……俺の父親だ」
新たな来訪者。
しかも、リュカの父。
ラスボス(王太子)の後に、まさかの裏ボス登場か。
「……隠居したはずの父上がなぜ」
リュカの表情が険しくなる。
私は瞬時に計算機を叩いた。
先代辺境伯。
頑固一徹で知られる武人。
彼がこの「チャラチャラした」リゾートを見たら、どう思うか。
「……面白くなってきましたね」
私はドレスの裾を直し、新たな「商談」の準備を始めた。
「さあ、迎撃準備です。トンカツ、蝶ネクタイを整えて! 次は『おじいちゃん孝行』プランよ!」
10
あなたにおすすめの小説
溺愛令嬢の学生生活はとことん甘やかされてます。
しろねこ。
恋愛
体の弱いミューズは小さい頃は別邸にて療養していた。
気候が穏やかで自然豊かな場所。
辺境地より少し街よりなだけの田舎町で過ごしていた。
走ったり遊んだりすることができない分ベッドにて本を読んで過ごす事が多かった。
そんな時に家族ぐるみで気さくに付き合うようになった人達が出来た。
夏の暑い時期だけ、こちらで過ごすようになったそうだ。
特に仲良くなったのが、ミューズと同い年のティタン。
藤色の髪をした体の大きな男の子だった。
彼はとても活発で運動大好き。
ミューズと一緒に遊べる訳では無いが、お話はしたい。
ティタンは何かと理由をつけて話をしてるうちに、次第に心惹かれ……。
幼馴染という設定で、書き始めました。
ハピエンと甘々で書いてます。
同名キャラで複数の作品を執筆していますが、アナザーワールド的にお楽しみ頂ければと思います。
設定被ってるところもありますが、少々差異もあります。
お好みの作品が一つでもあれば、幸いです(*´ω`*)
※カクヨムさんでも投稿中
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
婚約破棄されて自由になったので、辺境で薬師になったら最強騎士に溺愛されました
有賀冬馬
恋愛
「愛想がないから妹と結婚する」と言われ、理不尽に婚約破棄されたクラリス。
貴族のしがらみも愛想笑いもこりごりです!
失意どころか自由を手にした彼女は、辺境の地で薬師として新たな人生を始めます。
辺境で薬師として働く中で出会ったのは、強くて優しい無骨な騎士・オリヴァー。誠実で不器用な彼にどんどん惹かれていき……
「お前が笑ってくれるなら、それだけでいい」
不器用なふたりの、やさしくて甘い恋が始まります。
彼とのあたたかい結婚生活が始まった頃、没落した元婚約者と妹が涙目で擦り寄ってきて――
「お断りします。今さら、遅いわよ」
下級兵士は断罪された追放令嬢を護送する。
やすぴこ
恋愛
「ジョセフィーヌ!! 貴様を断罪する!!」
王立学園で行われたプロムナード開催式の場で、公爵令嬢ジョセフィーヌは婚約者から婚約破棄と共に数々の罪を断罪される。
愛していた者からの慈悲無き宣告、親しかった者からの嫌悪、信じていた者からの侮蔑。
弁解の機会も与えられず、その場で悪名高い国外れの修道院送りが決定した。
このお話はそんな事情で王都を追放された悪役令嬢の素性を知らぬまま、修道院まで護送する下級兵士の恋物語である。
この度なろう、アルファ、カクヨムで同時完結しました。
(なろう版だけ諸事情で18話と19話が一本となっておりますが、内容は同じです)
悪魔憑きと呼ばれる嫌われ公爵家の御令嬢になりましたので、汚名返上させて頂きます
獅月@体調不良
恋愛
フィッダ•リュナ•イブリース公爵家。
冷酷な北領土主である、
悪魔憑きと呼ばれる一族。
彼等は皆、色素の薄い白髪に血のような赤い瞳を持ち、
死者の如く青白い肌をしている。
先祖が悪魔と契約した事で、人離れした魔力を待ち、
魔法に優れた彼等は…
森深くの屋敷で暮らしていた。
…なんて、噂されていますけど。
悪魔憑きでは無く、悪魔と言うか吸血鬼ですし、
冷酷と言われますが家族愛が重い程の、
優しい人達ばかりですの。
そんな彼等を知らないなんて、
勿体無いお人間さん達ですこと。
フィッダ•リュナ•イブリース公爵家の
御令嬢として、汚名返上させて頂きますわ!!
表紙•挿絵 AIイラスト ニジジャーニー
エブリスタにも公開してます
【完結】メルティは諦めない~立派なレディになったなら
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
レドゼンツ伯爵家の次女メルティは、水面に映る未来を見る(予言)事ができた。ある日、父親が事故に遭う事を知りそれを止めた事によって、聖女となり第二王子と婚約する事になるが、なぜか姉であるクラリサがそれらを手にする事に――。51話で完結です。
【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
前世持ちのファビアは、ちょっと変わった子爵令嬢に育っていた。その彼女の望みは、一生ケーキを食べて暮らす事! その為に彼女は魔法学園に通う事にした。
継母の策略を蹴散らし、非常識な義妹に振り回されつつも、ケーキの為に頑張ります!
【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!ー新たなる王室編ー
愚者 (フール)
恋愛
無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!
幼女編、こちらの続編となります。
家族の罪により王から臣下に下った代わりに、他国に暮らしていた母の違う兄がに入れ替わり玉座に座る。
新たな王族たちが、この国エテルネルにやって来た。
その後に、もと王族と荒れ地へ行った家族はどうなるのか?
離れて暮らすプリムローズとは、どんな関係になるのかー。
そんな彼女の成長過程を、ゆっくりお楽しみ下さい。
☆この小説だけでも、十分に理解できる様にしております。
全75話
全容を知りたい方は、先に書かれた小説をお読み下さると有り難いです。
前編は幼女編、全91話になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる