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「おい、新入り! 手が止まってるぞ!」
「ひぃッ! す、すみません!」
リゾートの裏方、厨房の洗い場。
かつて絹の服しか着たことがなかった元王太子・ジュリアンは、油まみれのエプロンをつけ、山のように積まれた皿と格闘していた。
「くそっ……! なぜだ……なぜ次期国王だった私が、他人の食い散らかした皿を洗わねばならんのだ……!」
彼は涙目でスポンジを握りしめる。
指先はふやけ、爪の間には黒ずみが溜まっている。
「文句を言う暇があったら手を動かせ! ランチタイムのラッシュが来るぞ!」
厨房を仕切るオークの料理長が、包丁をダンッとまな板に叩きつける。
「は、はいぃぃッ!」
ジュリアンは必死に皿をこすった。
時給は銅貨五枚。
借金完済までの道のりは、果てしなく遠い。
◇ ◇ ◇
一方、客室エリア。
「……信じられない。この私が、トイレ掃除なんて……」
元男爵令嬢・ミアは、ゴム手袋をして便器を磨いていた。
彼女の自慢だった巻き髪はボサボサになり、安物のメイド服には洗剤のシミがついている。
「あら、ミアちゃん。そこ、まだ汚れが残ってるわよ」
監視役のマーサ(私の専属侍女)が、ピカピカの指でチェックを入れる。
「っ……! わ、分かってますわよ!」
「口答えは減給対象よ? あと、お客様への笑顔が足りないわ。もっと『聖女』らしく慈愛に満ちた笑顔で掃除なさい」
「うぐぐ……ッ!」
ミアは屈辱に震えながら、ブラシを動かした。
かつて自分がいじめていた相手(シスイ)の部下に、こうして顎で使われる日々。
これが「ざまぁ」の末路である。
◇ ◇ ◇
そんな二人を尻目に、支配人室では平和なティータイムが流れていた。
「……ふむ。労働効率は悪くないな」
私は監視モニター(魔法映像)を見ながら、満足げに紅茶を啜った。
「ジュリアンの皿洗いスキル、初日は皿を十枚割りましたが、今日は三枚に減っています。成長率三百パーセントです」
「……お前の基準は甘いのか厳しいのか分からんな」
向かいの席で、リュカが苦笑しながら書類にサインをしている。
リゾートの運営は順調そのものだ。
国王公認の「自治領」となったことで、面倒な王都からの干渉もなくなり、客足はさらに伸びている。
「これで懸念事項(トラブルメーカー)は全て処理されました。あとは、さらなる事業拡大に向けて……」
私が新しい企画書を取り出そうとした時だった。
バンッ!!
勢いよくドアが開いた。
「おい、リュカ! シスイ! まだ仕事をしているのか!」
入ってきたのは、先代辺境伯ロダンだ。
彼は今日も元気いっぱいである。
筋肉隆々の上半身にアロハシャツ(リゾート売店の新作)を着て、手にはトロピカルジュースを持っている。
すっかりバカンスを満喫しているようだ。
「親父……ノックくらいしろ」
「細かいことは気にするな! それよりお前たち、平和になったんだぞ? いつまで仕事人間でいるつもりだ!」
ロダンは私のデスクに身を乗り出した。
「シスイ殿! リゾートの経営も大事だが、もっと大事な『事業』があるだろう?」
「もっと大事な事業……ですか?」
私は首をかしげた。
「第二期拡張工事のことでしょうか? それとも地下カジノの増床?」
「違う! バルバトス家の跡継ぎ作りだ!」
「ぶふっ!?」
リュカが紅茶を吹き出した。
「お、親父ッ! いきなり何を言い出すんだ!」
「当たり前のことだ! お前ら、いい歳してまだ手も繋いでおらんのか! 見てるこっちがじれったいわ!」
ロダンは豪快に笑い、リュカの背中をバシバシと叩いた。
「いいかリュカ! シスイ殿は逃すと二度と現れん逸材だぞ! 金も稼げる、度胸もある、その上美人だ! モタモタしてると他の男に取られるぞ!」
「うっ……そ、それは……」
リュカが言葉に詰まり、チラリと私を見る。
耳が赤い。
私も流石に、この話題を「計算」で切り抜けるのは難しかった。
「あ、あの、大旦那様。私たちはあくまでビジネスパートナーでして……」
「ビジネス? なら『永久就職(結婚)』という契約を結べばいいだろう! 利益(愛)は無限大だぞ!」
ロダンの謎理論。
だが、妙に説得力があるのが悔しい。
「……とにかく! 今日は仕事を休め! 二人でデートでもしてこい!」
ロダンは強引に私たちのペンを取り上げ、部屋から追い出した。
「帰ってくるまで部屋の鍵は開けんからな! 行ってこい!」
バタンッ!
扉が閉められ、鍵の掛かる音がした。
廊下に放り出された私とリュカ。
気まずい沈黙が流れる。
「……あー、すまん。親父の暴走だ」
リュカが頭を掻きながら、申し訳なさそうに言った。
「いえ……お元気そうで何よりです」
私はドレスの裾を直した。
「ですが、困りましたね。仕事を中断させられるとは。……仕方ありません、どこかで時間を潰しましょうか」
「……シスイ」
不意に、リュカが真剣な声を出した。
「ん?」
「時間を潰す、ではなく……本当にデートをしないか?」
「えっ」
「親父に言われたからじゃない。……俺が、お前と過ごしたいんだ」
リュカの青い瞳が、まっすぐに私を捉えていた。
そこには、いつもの「共同経営者」としての信頼だけでなく、もっと熱くて、甘い色が宿っていた。
ドキン。
私の胸の奥で、計算機がエラー音を上げた。
(な、なによその目……。反則よ……)
断る理由はなかった。
いや、断りたくなかった。
「……分かりました。ただし、視察(リサーチ)も兼ねて、ですよ?」
「ふっ、素直じゃないな。……だが、それでいい」
リュカが自然に手を差し出した。
私は少し躊躇ってから、その手に自分の手を重ねた。
大きくて、温かい手。
「エスコートしてくれますか、閣下?」
「ああ。任せろ」
私たちは並んで歩き出した。
行き先は、リゾートの外れにある「夕日の丘」。
リゾートを一望できる、最近カップルに人気のスポットだ。
道中、すれ違うスタッフや客たちが、私たちを見て微笑ましそうに囁き合う。
「見て、オーナーと公爵様よ」
「やっぱりお付き合いされてるのね」
「お似合いだわぁ」
その声が聞こえるたびに、顔が熱くなるのを感じた。
(落ち着きなさい、シスイ。これはただの……そう、パートナーシップ強化のための親睦会よ)
必死に自分に言い聞かせるが、繋いだ手から伝わる彼の鼓動が、それを否定していた。
丘に到着すると、ちょうど夕日が沈むところだった。
茜色の光が、荒野を、そして私たちのリゾートを黄金色に染め上げている。
「……綺麗だな」
「ええ。……最高のロケーションです」
私は眼下に広がる景色を見渡した。
一ヶ月前、ここは死の荒野だった。
それが今や、光と笑顔に溢れる楽園に変わった。
「シスイ」
リュカが私の方を向いた。
夕日を背負った彼の姿は、ドラマのワンシーンのように決まっていた。
「ここに来てくれて、ありがとう」
「……お礼なら、もう十分頂きましたよ。利益も出ていますし」
「金の話じゃない。……お前が来てくれたおかげで、俺の人生は変わった」
リュカが一歩近づいてくる。
「今まで俺は、この荒野を呪っていた。魔物を恨み、貧しさを嘆き、ただ耐えるだけの毎日だった。……だが、お前はそれを『宝の山』だと言った」
「事実ですから」
「ああ。お前は俺に見えていなかったものを見せてくれた。……そして、俺自身のことも」
リュカの手が、私の頬に触れた。
「『氷の公爵』なんて呼ばれていた俺を、お前はただの人間として扱ってくれた。……怒ったり、笑ったり、呆れたり。……お前といると、俺は俺でいられる」
「リュカ様……」
「シスイ・ランカスター」
彼は私の目をじっと見つめ、そして――。
「俺と、結婚してくれないか?」
時が止まった。
風の音も、遠くの喧騒も消えた。
あるのは、彼の真剣な眼差しと、早鐘を打つ私の心臓の音だけ。
(プロポーズ……!? ここで!? 今!?)
私の脳内コンピューターが完全にショートした。
計算? 無理。
損益分岐点? 関係ない。
ただ、胸が一杯で、涙が出そうだった。
でも。
私はシスイだ。
ただ頷くだけのヒロインにはなれない。
私は精一杯の虚勢を張って、ニヤリと笑った。
「……条件があります」
「条件?」
リュカが目を丸くする。
「私と結婚するということは、このリゾート……いえ、私の人生という巨大プロジェクトの共同責任者になるということです。リスクも負債もトラブルも、全て折半ですよ? ……それでもいいんですか?」
リュカは一瞬きょとんとして、それから吹き出した。
「くくっ……ははは! 相変わらずだな、お前は」
彼は愛おしそうに私を抱き寄せた。
「望むところだ。俺の人生も、領地も、全てお前の『資産』にしてくれ。……その代わり、俺の愛という『配当』は、一生払い続けると約束する」
「……うまいこと言いますね」
私は彼の胸に顔を埋めた。
「……契約成立、です」
夕日の丘で、二つの影が一つになった。
遠くで、見守っていたトンカツたちが「ブヒィィィッ!(おめでとー!)」と雄叫びを上げるのが聞こえた。
こうして、私たちの関係は「ビジネスパートナー」から「生涯のパートナー」へとアップグレードされた。
だが、これで物語が終わるわけではない。
結婚式の準備、新居の建設、そして……これから始まる「世界進出」への野望。
私の、そして私たちの「国作り」は、まだ始まったばかりなのだから。
「ひぃッ! す、すみません!」
リゾートの裏方、厨房の洗い場。
かつて絹の服しか着たことがなかった元王太子・ジュリアンは、油まみれのエプロンをつけ、山のように積まれた皿と格闘していた。
「くそっ……! なぜだ……なぜ次期国王だった私が、他人の食い散らかした皿を洗わねばならんのだ……!」
彼は涙目でスポンジを握りしめる。
指先はふやけ、爪の間には黒ずみが溜まっている。
「文句を言う暇があったら手を動かせ! ランチタイムのラッシュが来るぞ!」
厨房を仕切るオークの料理長が、包丁をダンッとまな板に叩きつける。
「は、はいぃぃッ!」
ジュリアンは必死に皿をこすった。
時給は銅貨五枚。
借金完済までの道のりは、果てしなく遠い。
◇ ◇ ◇
一方、客室エリア。
「……信じられない。この私が、トイレ掃除なんて……」
元男爵令嬢・ミアは、ゴム手袋をして便器を磨いていた。
彼女の自慢だった巻き髪はボサボサになり、安物のメイド服には洗剤のシミがついている。
「あら、ミアちゃん。そこ、まだ汚れが残ってるわよ」
監視役のマーサ(私の専属侍女)が、ピカピカの指でチェックを入れる。
「っ……! わ、分かってますわよ!」
「口答えは減給対象よ? あと、お客様への笑顔が足りないわ。もっと『聖女』らしく慈愛に満ちた笑顔で掃除なさい」
「うぐぐ……ッ!」
ミアは屈辱に震えながら、ブラシを動かした。
かつて自分がいじめていた相手(シスイ)の部下に、こうして顎で使われる日々。
これが「ざまぁ」の末路である。
◇ ◇ ◇
そんな二人を尻目に、支配人室では平和なティータイムが流れていた。
「……ふむ。労働効率は悪くないな」
私は監視モニター(魔法映像)を見ながら、満足げに紅茶を啜った。
「ジュリアンの皿洗いスキル、初日は皿を十枚割りましたが、今日は三枚に減っています。成長率三百パーセントです」
「……お前の基準は甘いのか厳しいのか分からんな」
向かいの席で、リュカが苦笑しながら書類にサインをしている。
リゾートの運営は順調そのものだ。
国王公認の「自治領」となったことで、面倒な王都からの干渉もなくなり、客足はさらに伸びている。
「これで懸念事項(トラブルメーカー)は全て処理されました。あとは、さらなる事業拡大に向けて……」
私が新しい企画書を取り出そうとした時だった。
バンッ!!
勢いよくドアが開いた。
「おい、リュカ! シスイ! まだ仕事をしているのか!」
入ってきたのは、先代辺境伯ロダンだ。
彼は今日も元気いっぱいである。
筋肉隆々の上半身にアロハシャツ(リゾート売店の新作)を着て、手にはトロピカルジュースを持っている。
すっかりバカンスを満喫しているようだ。
「親父……ノックくらいしろ」
「細かいことは気にするな! それよりお前たち、平和になったんだぞ? いつまで仕事人間でいるつもりだ!」
ロダンは私のデスクに身を乗り出した。
「シスイ殿! リゾートの経営も大事だが、もっと大事な『事業』があるだろう?」
「もっと大事な事業……ですか?」
私は首をかしげた。
「第二期拡張工事のことでしょうか? それとも地下カジノの増床?」
「違う! バルバトス家の跡継ぎ作りだ!」
「ぶふっ!?」
リュカが紅茶を吹き出した。
「お、親父ッ! いきなり何を言い出すんだ!」
「当たり前のことだ! お前ら、いい歳してまだ手も繋いでおらんのか! 見てるこっちがじれったいわ!」
ロダンは豪快に笑い、リュカの背中をバシバシと叩いた。
「いいかリュカ! シスイ殿は逃すと二度と現れん逸材だぞ! 金も稼げる、度胸もある、その上美人だ! モタモタしてると他の男に取られるぞ!」
「うっ……そ、それは……」
リュカが言葉に詰まり、チラリと私を見る。
耳が赤い。
私も流石に、この話題を「計算」で切り抜けるのは難しかった。
「あ、あの、大旦那様。私たちはあくまでビジネスパートナーでして……」
「ビジネス? なら『永久就職(結婚)』という契約を結べばいいだろう! 利益(愛)は無限大だぞ!」
ロダンの謎理論。
だが、妙に説得力があるのが悔しい。
「……とにかく! 今日は仕事を休め! 二人でデートでもしてこい!」
ロダンは強引に私たちのペンを取り上げ、部屋から追い出した。
「帰ってくるまで部屋の鍵は開けんからな! 行ってこい!」
バタンッ!
扉が閉められ、鍵の掛かる音がした。
廊下に放り出された私とリュカ。
気まずい沈黙が流れる。
「……あー、すまん。親父の暴走だ」
リュカが頭を掻きながら、申し訳なさそうに言った。
「いえ……お元気そうで何よりです」
私はドレスの裾を直した。
「ですが、困りましたね。仕事を中断させられるとは。……仕方ありません、どこかで時間を潰しましょうか」
「……シスイ」
不意に、リュカが真剣な声を出した。
「ん?」
「時間を潰す、ではなく……本当にデートをしないか?」
「えっ」
「親父に言われたからじゃない。……俺が、お前と過ごしたいんだ」
リュカの青い瞳が、まっすぐに私を捉えていた。
そこには、いつもの「共同経営者」としての信頼だけでなく、もっと熱くて、甘い色が宿っていた。
ドキン。
私の胸の奥で、計算機がエラー音を上げた。
(な、なによその目……。反則よ……)
断る理由はなかった。
いや、断りたくなかった。
「……分かりました。ただし、視察(リサーチ)も兼ねて、ですよ?」
「ふっ、素直じゃないな。……だが、それでいい」
リュカが自然に手を差し出した。
私は少し躊躇ってから、その手に自分の手を重ねた。
大きくて、温かい手。
「エスコートしてくれますか、閣下?」
「ああ。任せろ」
私たちは並んで歩き出した。
行き先は、リゾートの外れにある「夕日の丘」。
リゾートを一望できる、最近カップルに人気のスポットだ。
道中、すれ違うスタッフや客たちが、私たちを見て微笑ましそうに囁き合う。
「見て、オーナーと公爵様よ」
「やっぱりお付き合いされてるのね」
「お似合いだわぁ」
その声が聞こえるたびに、顔が熱くなるのを感じた。
(落ち着きなさい、シスイ。これはただの……そう、パートナーシップ強化のための親睦会よ)
必死に自分に言い聞かせるが、繋いだ手から伝わる彼の鼓動が、それを否定していた。
丘に到着すると、ちょうど夕日が沈むところだった。
茜色の光が、荒野を、そして私たちのリゾートを黄金色に染め上げている。
「……綺麗だな」
「ええ。……最高のロケーションです」
私は眼下に広がる景色を見渡した。
一ヶ月前、ここは死の荒野だった。
それが今や、光と笑顔に溢れる楽園に変わった。
「シスイ」
リュカが私の方を向いた。
夕日を背負った彼の姿は、ドラマのワンシーンのように決まっていた。
「ここに来てくれて、ありがとう」
「……お礼なら、もう十分頂きましたよ。利益も出ていますし」
「金の話じゃない。……お前が来てくれたおかげで、俺の人生は変わった」
リュカが一歩近づいてくる。
「今まで俺は、この荒野を呪っていた。魔物を恨み、貧しさを嘆き、ただ耐えるだけの毎日だった。……だが、お前はそれを『宝の山』だと言った」
「事実ですから」
「ああ。お前は俺に見えていなかったものを見せてくれた。……そして、俺自身のことも」
リュカの手が、私の頬に触れた。
「『氷の公爵』なんて呼ばれていた俺を、お前はただの人間として扱ってくれた。……怒ったり、笑ったり、呆れたり。……お前といると、俺は俺でいられる」
「リュカ様……」
「シスイ・ランカスター」
彼は私の目をじっと見つめ、そして――。
「俺と、結婚してくれないか?」
時が止まった。
風の音も、遠くの喧騒も消えた。
あるのは、彼の真剣な眼差しと、早鐘を打つ私の心臓の音だけ。
(プロポーズ……!? ここで!? 今!?)
私の脳内コンピューターが完全にショートした。
計算? 無理。
損益分岐点? 関係ない。
ただ、胸が一杯で、涙が出そうだった。
でも。
私はシスイだ。
ただ頷くだけのヒロインにはなれない。
私は精一杯の虚勢を張って、ニヤリと笑った。
「……条件があります」
「条件?」
リュカが目を丸くする。
「私と結婚するということは、このリゾート……いえ、私の人生という巨大プロジェクトの共同責任者になるということです。リスクも負債もトラブルも、全て折半ですよ? ……それでもいいんですか?」
リュカは一瞬きょとんとして、それから吹き出した。
「くくっ……ははは! 相変わらずだな、お前は」
彼は愛おしそうに私を抱き寄せた。
「望むところだ。俺の人生も、領地も、全てお前の『資産』にしてくれ。……その代わり、俺の愛という『配当』は、一生払い続けると約束する」
「……うまいこと言いますね」
私は彼の胸に顔を埋めた。
「……契約成立、です」
夕日の丘で、二つの影が一つになった。
遠くで、見守っていたトンカツたちが「ブヒィィィッ!(おめでとー!)」と雄叫びを上げるのが聞こえた。
こうして、私たちの関係は「ビジネスパートナー」から「生涯のパートナー」へとアップグレードされた。
だが、これで物語が終わるわけではない。
結婚式の準備、新居の建設、そして……これから始まる「世界進出」への野望。
私の、そして私たちの「国作り」は、まだ始まったばかりなのだから。
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