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王城を後にした公爵家の馬車の中。
ドールは座席に深く背を預け、虚空を見つめていた。
御者台からは、主人の沈黙を気遣うような慎重な手綱さばきの音が聞こえてくる。
車内は完全な静寂。
もしここに他人がいれば、婚約破棄された令嬢が絶望のあまり魂を抜かれているように見えただろう。
だが、ドールの脳内は違った。
(っしゃあああああああ!)
(終わった! 終わったで! あのクソ面倒くさいお茶会も、中身スカスカの公務手伝いも、全部終わりや!)
(自由! フリーダム! リバティ!!)
ドールは心の中でサンバを踊っていた。
表情筋はピクリとも動いていないが、精神はリオのカーニバル状態だ。
(あー、長かった。ほんまに長かった。あのアホ王子、自分の話ばっかりしよるし。私の入れた紅茶がぬるいとか文句言うくせに、話長すぎて冷めてるだけやし)
過去の怨嗟が走馬灯のように駆け巡る。
(ミナちゃんもええ仕事してくれたわ。あんなベタな冤罪劇、三文芝居かと思ったけど、カイル様がアホで助かった。ウィンウィンやな!)
ドールは膝の上で組んだ手を、無表情のままギュッと握りしめた。
勝利のポーズである。
(さて、感傷に浸ってる場合やない。鉄は熱いうちに打て、慰謝料は破棄された直後に請求せよ、や)
ドールは懐から手帳を取り出した。
常に持ち歩いている、通称『デスノート(カイル王太子関連出費記録帳)』である。
(まず婚約期間中の衣装代。王家主催の夜会は指定ドレスやったから、これは全額請求できるな。一着あたり金貨五〇枚として……しめて金貨三〇〇〇枚)
(次に、お茶会の菓子代。あの王子、舌だけは肥えてるから最高級店のを要求しよる。これも経費計上や)
(そして何より……拘束時間の対価! これがデカい!)
ドールは脳内電卓を高速で叩いた。
(王太子の婚約者としての教育時間、公務への同行時間、カイル様の愚痴聞き時間……。私の時給は、領地経営のコンサルタント料換算で金貨一〇枚はくだらんからな)
チャリン、チャリン、と脳内でコインが積み上がる音がする。
(精神的苦痛の慰謝料も上乗せして……よし。城が建つな)
ドールは満足げに頷いた。
もちろん、顔は真顔である。
馬車が公爵邸に到着すると、老執事のセバスチャンが出迎えた。
彼はドールの無表情を見ると、痛ましげに眉を下げた。
「お嬢様……。この度は、なんと申し上げてよいやら……」
すでに早馬で情報は届いているらしい。
屋敷の使用人たちは皆、喪に服すような空気で整列していた。
「セバスチャン」
「は、はい! 何なりと!」
「紙とペンを。あと、過去三年分の領収書が入った木箱を持ってきて」
「は……? り、領収書、でございますか?」
「ええ。今夜は徹夜になるわ」
ドールはドレスの裾を翻し、戦場(自室)へと向かった。
セバスチャンは涙ぐみながらその後ろ姿を見送る。
「……悲しみを紛らわせるために、仕事に没頭なさるおつもりか。なんと健気な……!」
「ほんまにあの王子、許せん!」
「温かいココアでもお持ちしよう……」
盛大な勘違いを背に、ドールは階段を駆け上がった。
*
一方その頃、王城のカイルの私室。
「カイル様ぁ、私、怖かったですぅ」
「よしよし、もう大丈夫だよミナ。あの冷酷な女は追い払ったからね」
カイルはソファでミナを膝に乗せ、ご機嫌にワインを傾けていた。
邪魔な婚約者を排除し、真実の愛を手に入れた高揚感が彼を包んでいる。
「でもぉ、ドール様、全然泣いてなかったですね。やっぱり感情がないんでしょうかぁ?」
「ふん、強がっているだけさ」
カイルは鼻で笑った。
「あいつはプライドだけは無駄に高いからな。人前で泣くのを我慢していたんだろう。今頃、屋敷の枕を涙で濡らしているに違いない」
「そうですかぁ? 私には、なんかこう、スッキリした顔に見えましたけどぉ」
「まさか! 次期王妃の座と、この僕という最高の男を失ったんだぞ? ショックを受けないはずがない」
カイルは自信満々だった。
幼い頃から周囲に傅かれ、自分が世界の中心だと信じて疑わない彼にとって、ドールの反応は『ショックのあまり感情が麻痺した』以外に考えられなかったのだ。
「明日にはきっと、謝罪の手紙が届くはずだ。『私が間違っていました、どうかお側に置いてください』とな」
「えぇー、またドール様が来るんですかぁ?」
「安心しろ。側室にするつもりもないよ。ただ、泣いて縋ってくるのを無下に断る……その瞬間の快感を味わいたいだけさ」
カイルは歪んだ笑みを浮かべた。
「あの無表情な顔が、涙と鼻水でぐしゃぐしゃに歪むところを見てやりたいんだ。そうしないと、僕の気が済まない」
「カイル様ったら、意地悪ぅ(はーと)」
二人は甘ったるい笑い声をあげ、夜を過ごした。
しかし。
*
翌日。正午。
カイルの執務室は、不機嫌なオーラで満たされていた。
「……来ない」
カイルは貧乏ゆすりをしながら、デスクを指先で叩いた。
「どういうことだ。もう昼だぞ?」
「殿下、落ち着いてくださいませ」
側近の騎士がなだめるが、カイルの苛立ちは収まらない。
「手紙の一つも来ないとはどういう了見だ! 昨日の今日だぞ!? 普通、朝一番で謝罪の使者が来るだろう!」
「もしかすると、ショックで寝込んでおられるのでは……」
「ええい、軟弱な! それでも公爵令嬢か!」
カイルは立ち上がり、部屋の中をうろうろと歩き回った。
彼の脚本では、今日の午前中にはドールからの必死の嘆願書が届き、それを読み上げてミナと笑う予定だったのだ。
それが、なしのつぶて。
完全な無視である。
「……まさか、本当に僕に未練がないのか?」
ふと浮かんだ疑念を、カイルは即座にかぶりを振って打ち消した。
「いや、ありえない。僕だぞ? 王太子だぞ? あいつはただ、拗ねているだけだ。僕の方から声をかけてもらえるのを待っているに決まっている!」
「は、はあ……そうかもしれません」
「生意気な女だ。とことん僕をコケにしやがって……!」
カイルの顔が怒りで赤くなる。
プライドの高い彼は、『相手から連絡がない』という事実だけで我慢ならなかった。
「おい! 使いを出せ!」
「はっ。ドール嬢への見舞いでしょうか?」
「違う! 呼び出しだ! 『重要な話があるから、至急登城せよ』と伝えろ!」
カイルは拳を握りしめた。
「こっちから呼びつけて、直接謝らせてやる。泣いて縋らないなら、無理やりにでも泣かせてやる!」
「承知いたしました」
騎士が慌てて部屋を出て行く。
カイルはドカリと椅子に座り直すと、不敵な笑みを浮かべた。
「待っていろよ、ドール。その鉄仮面を剥がしてやる……!」
*
ヴァレンタイン公爵邸。
ドールの部屋は、雪崩が起きたかのように書類で埋め尽くされていた。
「ふぅ……」
ドールは万年筆を置き、凝り固まった肩を回した。
目の前には、分厚い羊皮紙の束。
一晩かけて完成させた、渾身の力作である。
「できた……」
ドールは無表情のまま、その書類の束を持ち上げた。
「完璧や。計算ミスなし、法的根拠よし、証拠書類の添付もバッチリ。どこに出しても恥ずかしくない、最高級の請求書や!」
達成感に打ち震えていると、部屋のドアがノックされた。
「お嬢様」
セバスチャンの声だ。
「何?」
「王城より使いの方が参られました。カイル殿下からの呼び出しとのことです」
ドールの手がピタリと止まる。
(呼び出し?)
一瞬、面倒くささが脳裏をよぎる。
だが、すぐに思考を切り替えた。
(いや、待てよ。これはチャンスちゃうか?)
請求書を郵送した場合、握りつぶされる可能性がある。
あるいは『届いていない』としらばっれられるかもしれない。
だが、直接手渡しできるなら、受取拒否はさせない。
しかも、相手から呼び出したのだ。交通費(馬車代)も請求できる名目が立つ。
「……用件は?」
「はっ。『重要な話がある』とだけ。……お嬢様、もしお辛いようであれば、病と称してお断りいたしますが……」
セバスチャンは、ドールが元婚約者に会うのを辛がっていると誤解しているようだ。
ドールはスクッと立ち上がった。
能面のような顔で、しかし力強く宣言する。
「いいえ、行きます」
「お嬢様……! なんと気丈な!」
「至急、馬車の用意を。……それと、一番大きくて丈夫な鞄を持ってきて」
「鞄、でございますか? 何になさるおつもりで?」
ドールは机の上の分厚い書類束――『請求書』をポンと叩いた。
「忘れ物を届けに行くだけよ」
「は、はあ……」
ドールは鏡の前で身支度を整える。
目の下のクマは、コンシーラーで完璧に隠した。
ドレスは、戦場にふさわしい真紅のものをチョイス。
「待っててな、カイル殿下。……耳を揃えて払ってもらうで」
ドールは無表情でリップを引いた。
その紅は、まるで血判状のように鮮やかだった。
ドールは座席に深く背を預け、虚空を見つめていた。
御者台からは、主人の沈黙を気遣うような慎重な手綱さばきの音が聞こえてくる。
車内は完全な静寂。
もしここに他人がいれば、婚約破棄された令嬢が絶望のあまり魂を抜かれているように見えただろう。
だが、ドールの脳内は違った。
(っしゃあああああああ!)
(終わった! 終わったで! あのクソ面倒くさいお茶会も、中身スカスカの公務手伝いも、全部終わりや!)
(自由! フリーダム! リバティ!!)
ドールは心の中でサンバを踊っていた。
表情筋はピクリとも動いていないが、精神はリオのカーニバル状態だ。
(あー、長かった。ほんまに長かった。あのアホ王子、自分の話ばっかりしよるし。私の入れた紅茶がぬるいとか文句言うくせに、話長すぎて冷めてるだけやし)
過去の怨嗟が走馬灯のように駆け巡る。
(ミナちゃんもええ仕事してくれたわ。あんなベタな冤罪劇、三文芝居かと思ったけど、カイル様がアホで助かった。ウィンウィンやな!)
ドールは膝の上で組んだ手を、無表情のままギュッと握りしめた。
勝利のポーズである。
(さて、感傷に浸ってる場合やない。鉄は熱いうちに打て、慰謝料は破棄された直後に請求せよ、や)
ドールは懐から手帳を取り出した。
常に持ち歩いている、通称『デスノート(カイル王太子関連出費記録帳)』である。
(まず婚約期間中の衣装代。王家主催の夜会は指定ドレスやったから、これは全額請求できるな。一着あたり金貨五〇枚として……しめて金貨三〇〇〇枚)
(次に、お茶会の菓子代。あの王子、舌だけは肥えてるから最高級店のを要求しよる。これも経費計上や)
(そして何より……拘束時間の対価! これがデカい!)
ドールは脳内電卓を高速で叩いた。
(王太子の婚約者としての教育時間、公務への同行時間、カイル様の愚痴聞き時間……。私の時給は、領地経営のコンサルタント料換算で金貨一〇枚はくだらんからな)
チャリン、チャリン、と脳内でコインが積み上がる音がする。
(精神的苦痛の慰謝料も上乗せして……よし。城が建つな)
ドールは満足げに頷いた。
もちろん、顔は真顔である。
馬車が公爵邸に到着すると、老執事のセバスチャンが出迎えた。
彼はドールの無表情を見ると、痛ましげに眉を下げた。
「お嬢様……。この度は、なんと申し上げてよいやら……」
すでに早馬で情報は届いているらしい。
屋敷の使用人たちは皆、喪に服すような空気で整列していた。
「セバスチャン」
「は、はい! 何なりと!」
「紙とペンを。あと、過去三年分の領収書が入った木箱を持ってきて」
「は……? り、領収書、でございますか?」
「ええ。今夜は徹夜になるわ」
ドールはドレスの裾を翻し、戦場(自室)へと向かった。
セバスチャンは涙ぐみながらその後ろ姿を見送る。
「……悲しみを紛らわせるために、仕事に没頭なさるおつもりか。なんと健気な……!」
「ほんまにあの王子、許せん!」
「温かいココアでもお持ちしよう……」
盛大な勘違いを背に、ドールは階段を駆け上がった。
*
一方その頃、王城のカイルの私室。
「カイル様ぁ、私、怖かったですぅ」
「よしよし、もう大丈夫だよミナ。あの冷酷な女は追い払ったからね」
カイルはソファでミナを膝に乗せ、ご機嫌にワインを傾けていた。
邪魔な婚約者を排除し、真実の愛を手に入れた高揚感が彼を包んでいる。
「でもぉ、ドール様、全然泣いてなかったですね。やっぱり感情がないんでしょうかぁ?」
「ふん、強がっているだけさ」
カイルは鼻で笑った。
「あいつはプライドだけは無駄に高いからな。人前で泣くのを我慢していたんだろう。今頃、屋敷の枕を涙で濡らしているに違いない」
「そうですかぁ? 私には、なんかこう、スッキリした顔に見えましたけどぉ」
「まさか! 次期王妃の座と、この僕という最高の男を失ったんだぞ? ショックを受けないはずがない」
カイルは自信満々だった。
幼い頃から周囲に傅かれ、自分が世界の中心だと信じて疑わない彼にとって、ドールの反応は『ショックのあまり感情が麻痺した』以外に考えられなかったのだ。
「明日にはきっと、謝罪の手紙が届くはずだ。『私が間違っていました、どうかお側に置いてください』とな」
「えぇー、またドール様が来るんですかぁ?」
「安心しろ。側室にするつもりもないよ。ただ、泣いて縋ってくるのを無下に断る……その瞬間の快感を味わいたいだけさ」
カイルは歪んだ笑みを浮かべた。
「あの無表情な顔が、涙と鼻水でぐしゃぐしゃに歪むところを見てやりたいんだ。そうしないと、僕の気が済まない」
「カイル様ったら、意地悪ぅ(はーと)」
二人は甘ったるい笑い声をあげ、夜を過ごした。
しかし。
*
翌日。正午。
カイルの執務室は、不機嫌なオーラで満たされていた。
「……来ない」
カイルは貧乏ゆすりをしながら、デスクを指先で叩いた。
「どういうことだ。もう昼だぞ?」
「殿下、落ち着いてくださいませ」
側近の騎士がなだめるが、カイルの苛立ちは収まらない。
「手紙の一つも来ないとはどういう了見だ! 昨日の今日だぞ!? 普通、朝一番で謝罪の使者が来るだろう!」
「もしかすると、ショックで寝込んでおられるのでは……」
「ええい、軟弱な! それでも公爵令嬢か!」
カイルは立ち上がり、部屋の中をうろうろと歩き回った。
彼の脚本では、今日の午前中にはドールからの必死の嘆願書が届き、それを読み上げてミナと笑う予定だったのだ。
それが、なしのつぶて。
完全な無視である。
「……まさか、本当に僕に未練がないのか?」
ふと浮かんだ疑念を、カイルは即座にかぶりを振って打ち消した。
「いや、ありえない。僕だぞ? 王太子だぞ? あいつはただ、拗ねているだけだ。僕の方から声をかけてもらえるのを待っているに決まっている!」
「は、はあ……そうかもしれません」
「生意気な女だ。とことん僕をコケにしやがって……!」
カイルの顔が怒りで赤くなる。
プライドの高い彼は、『相手から連絡がない』という事実だけで我慢ならなかった。
「おい! 使いを出せ!」
「はっ。ドール嬢への見舞いでしょうか?」
「違う! 呼び出しだ! 『重要な話があるから、至急登城せよ』と伝えろ!」
カイルは拳を握りしめた。
「こっちから呼びつけて、直接謝らせてやる。泣いて縋らないなら、無理やりにでも泣かせてやる!」
「承知いたしました」
騎士が慌てて部屋を出て行く。
カイルはドカリと椅子に座り直すと、不敵な笑みを浮かべた。
「待っていろよ、ドール。その鉄仮面を剥がしてやる……!」
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ヴァレンタイン公爵邸。
ドールの部屋は、雪崩が起きたかのように書類で埋め尽くされていた。
「ふぅ……」
ドールは万年筆を置き、凝り固まった肩を回した。
目の前には、分厚い羊皮紙の束。
一晩かけて完成させた、渾身の力作である。
「できた……」
ドールは無表情のまま、その書類の束を持ち上げた。
「完璧や。計算ミスなし、法的根拠よし、証拠書類の添付もバッチリ。どこに出しても恥ずかしくない、最高級の請求書や!」
達成感に打ち震えていると、部屋のドアがノックされた。
「お嬢様」
セバスチャンの声だ。
「何?」
「王城より使いの方が参られました。カイル殿下からの呼び出しとのことです」
ドールの手がピタリと止まる。
(呼び出し?)
一瞬、面倒くささが脳裏をよぎる。
だが、すぐに思考を切り替えた。
(いや、待てよ。これはチャンスちゃうか?)
請求書を郵送した場合、握りつぶされる可能性がある。
あるいは『届いていない』としらばっれられるかもしれない。
だが、直接手渡しできるなら、受取拒否はさせない。
しかも、相手から呼び出したのだ。交通費(馬車代)も請求できる名目が立つ。
「……用件は?」
「はっ。『重要な話がある』とだけ。……お嬢様、もしお辛いようであれば、病と称してお断りいたしますが……」
セバスチャンは、ドールが元婚約者に会うのを辛がっていると誤解しているようだ。
ドールはスクッと立ち上がった。
能面のような顔で、しかし力強く宣言する。
「いいえ、行きます」
「お嬢様……! なんと気丈な!」
「至急、馬車の用意を。……それと、一番大きくて丈夫な鞄を持ってきて」
「鞄、でございますか? 何になさるおつもりで?」
ドールは机の上の分厚い書類束――『請求書』をポンと叩いた。
「忘れ物を届けに行くだけよ」
「は、はあ……」
ドールは鏡の前で身支度を整える。
目の下のクマは、コンシーラーで完璧に隠した。
ドレスは、戦場にふさわしい真紅のものをチョイス。
「待っててな、カイル殿下。……耳を揃えて払ってもらうで」
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