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第3章「奪還」編
敗走
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楓彩、ショウ、臨と小雨、そして、瀕死のテレポート使いの男は、テレポートした先の近くに運良く楓彩と剣得の家となるアパートがあった。
と言っても、6kmは歩くのだが…。
楓彩は道案内として4人の前を先導する。
「ショウさん…大丈夫ですか? 変わりますよ?」
ショウは自分よりも大きい男を背中に背負って歩いていた。
それを見た楓彩はショウの足のことを気にして、優しく声をかける。
「大丈夫! …こんくらい…私だって、割と力あるからね…」
力のこもった、ショウの声。
「あぁ、もう! 見てらんない!」
臨はショウの背中から両手で、男を剥ぎ取り、念力で宙に浮かせる。
「こっちの方が楽でしょ!?」
「あっ! まってよ、こいつに貸しを作ろうと思ったのに!」
ショウは臨の方を向き、口を尖らせる。
「下らないこと言ってないで、どのくらい? 楓彩」
臨は念力が途切れないように注意しながら、先導している楓彩に声をかける。
「うーん、遠いですねぇ…でも、走れば3秒もかかりませんよ?」
とももを振り上げてにこやかに笑う。
「それは楓彩基準じゃん! オレ達は足が遅いから!」
そこから歩くこと1時間。
「着きましたよ…」
先導する楓彩は丹精なアパートの前で止まる。
歩いている途中で、ショウの足の状態が悪化したので、小雨におんぶしてもらっていた。
「悪いね…小雨…」
「いいって、ショウちゃん軽いし! ……でもさ、胸を揉むのはいい加減やめてもらっていい?」
その言葉通り、ショウは小雨の肩から下ろしてある両手で、小雨の巨大な胸を鷲掴みにしていた。
「いやぁごめん、丁度いい取ってがこれしか無かったから…」
さらに激しく揉みしだく。
「ひゃあん!! ちょっ! ちょっと待ってって! ショウちゃん!! く! くすぐったい!!」
小雨はショウを振り落とそうとするが、ショウの腰から何故か出ているワイヤーがしっかり固定しているため、振り落とせない。
地獄だ。
臨は冷静に、振り向いてポカンと口を開け、頬を薄く赤く染めている楓彩の目を手で覆う。
「こら、見ちゃダメでしょ」
「わぁ」
そして5人は剣得宅にお邪魔使用とするが
「……楓彩? 鍵は?」
ドアを目の前に動かなくなった楓彩にショウは小雨の背中から尋ねる。
「あはは、な、無いです」
困った表情で笑った後、俯く楓彩。
「もう…小雨? 降ろして」
「降ろそうとしてるよ」
「? あっ、ごめん」
小雨の体に巻きついているワイヤーに気づくショウ。
ショウは、ワイヤーを巻きとり自分の服の中にしまうと、右手で懐から拳銃を取り出す。
「ちょっと! ショウさん!? 鍵は壊しちゃだめです!!」
「違うよ」
ショウの手にしている銃は銀色の液体に変化すると、剣得の部屋のドアにある、鍵穴に入り込む。
そして、解錠された音がする。
「す、すごいです…」
「すごいね…ショウちゃん…」
服の中に仕込んである兵器の数といい、その兵器の性能といい、ショウの考えていることはよく分からない………天才すぎて。
「コホンッ…で、では、どうぞ中に…」
楓彩は、ドアを開け、手招きする。
「「「お邪魔しまーす」」」
3人はそう言って、楓彩が招くままにリビングに入る。
そして、楓彩は話がしやすいように、テーブルを挟んでテレビの方を向いているソファを部屋の中心に向ける。
男の意識はあるが、虫の息で、話どころではないため、小雨と楓彩は一度リビングから出て、リビングではショウとアシスタントの臨によるオペが始まった。
「小雨さん…?」
「?」
追い出された2人は出て右の部屋の寝室のベッドに並んで座っていた。
「大丈夫ですか…?」
「…大丈夫だよ…楓彩ちゃん…楓彩ちゃんも辛いのに私の心配してくれてありがとうね」
楓彩だって、本当は他人の心配をしている暇ではない。
剣得の行方がわからない今、確認できる生き残り5人の中で、一番不安なのは楓彩なのだから。
「剣得さんは…きっと大丈夫です…強いんですよ? 剣得さんは!」
と誇らしげな顔をするが、その顔は次第に悲しみを含むようになり、ついに暗い表情になってしまった。
「そうだね…剣得くんは大丈夫だね…」
小雨は包み込むように楓彩を抱きしめる。
楓彩は嫌がるどころか、小雨を抱きしめ返した。
それから30分。
オペは終わり、胸から腹にかけて、包帯を巻かれた男は、肩から黒い羽織をかけ、座って話せるまでに回復した。
「さ、もう喋れるでしょ? 話してくれる?」
ショウは圧をかけるように男の前に立つ。
その時、楓彩は家の中を歩いていた白猫──シロンを胸に抱いて、男の前にしゃがむ。
「生きてて良かったです…まずは名前を教えて下さい…」
ショウとは違って、ものすごく優しい口調で問いかける。
男は楓彩と目を合わせずに
「……い、いろは …と呼んでくれ…」
と面倒くさそうに名乗る。
「いろは さんですね…宜しくお願いします!」
にこやかに微笑みを向ける楓彩。
「いろは って女の子みたいな名前だね…」
と小馬鹿にするショウ。
すると、楓彩は振り返り
「皆さんも座ってくださいよ…落ち着かないじゃないですか…あと、ショウさん? 人の名前をバカにしちゃいけませんよ?」
軽くショウを睨む楓彩。
残りの3人はそのまま床に腰を降ろす。
「さてと、いろは ? 話してくれる?」
いろは に向き直って問いかけるショウ。
「あぁ、そうだな、唐突だが、お前らの頭、王志剣得はSABERの手に堕ちたぞ…俺も裏切り者として、王志に殺されかけた」
「「「「っ!!」」」」
4人はその衝撃に一気に無言になる。
「コードネーム─ダイヤ、そいつの能力だ…M、厄介だな…」
「治す!! 治す方法は!!??」
楓彩は いろは の両肩を掴み、抱いていた猫はリビングの外に出ていった。
「教えて下さい!!」
「楓彩っ!!」
ショウは楓彩を男から引きはがし、抱きしめて背中を撫でる。
「落ち着いて……で? 治す方法は?」
「単純な事だ、能力者を殺す…もしくは能力を解かせる…この二つだ」
楓彩は体から力を抜き、その場に座り込む。
ショウもそれに合わせて座り込む。
「じゃあ…今すぐ行きましょう…」
楓彩はさっきとは打って変わって低いトーンで話す。
「無理だ、お前らの戦力では数に圧倒される…それに王志剣得を止められる奴がいるのか? それだけではない、精神が脆いものはダイヤの餌食になり、敵を増やすだけだ…今は待て」
そして、訪れる沈黙。
「ま、まぁ…みんな? お腹すいてるでしょ? ご飯にしよ? ね? 臨? 宜しく…」
数分の沈黙を破ったのは小雨だった。
「オレ任せかよ…小雨も手伝って…」
「はーい」
小雨と臨は台所へ向かう。
包丁が入ってるであろう棚を開けると、鍵付きのケースに包丁が入っていた。
「なにこれ…小雨、よろしく」
「はいよー」
小雨はその鍵に触れ、鉄の部分を溶かし、解錠する。
一方、楓彩は無言のまま、いつも食事をとる時に座る席に座り、腕枕をつくって伏せてしまった。
ショウは顎に手を当て、今後の方針を深く考えていた。
それからしばらくして、臨と小雨手製のお好み焼きが登場する。
臨が素をボウルに入れて少し重そうに運んで来ると食卓に置く。
5人前以上はある量だ。
「いやぁ、食材がこんなもんしか無くてねぇ、どんどん食べてくれよー」
と、小雨は鉄板を持ってくると、食卓の真ん中に置き、電源を入れ、油を引く。
妙に慣れた手際の良さだ。
そして、食事の時も楓彩はくらい表情のまま、3人前は食い尽くし、ショウは考え事をしながら、臨は男の方に運ぶため何度も立ち上がりながら、小雨はどこかの店の店主のようにお好み焼きを焼きながらの食事だった。
4人の女性は順番に…もとい、小雨と楓彩は同時に風呂を済ませる。
そして午後9時を周り、楓彩はテーブルの上で伏せて寝てしまったので、臨とショウは協力して楓彩を寝室のベッドに運び寝かせる。
「ねぇ、楓彩ちゃんどうしたの?」
リビングに戻ると、小雨は心配そうに尋ねてくる。
「あぁ、確時睡眠症っていって、午後9時になると寝ちゃう病気なんだよ……って知らなかった?」
ショウは的確に答える。
「へぇ、で? 私たちどこで寝る?」
と、その時
「なぁ、悪いんだけど、俺も眠くなった…ここで構わないか?」
いろは は既に閉じそうな目で訴える。
すると、ショウは
「あ、あぁ、いろは はもともと、そこで寝かせるつもりだったから…構わないよ?」
「ふわぁぁ、悪いな…」
いろは はそのままソファに横になると間もなくして寝息を立て始めた。
そして、ショウと小雨と臨は部屋の中心で話し合いを始める。
「敷布団なら一つだけあるけど……」
ショウはそういって、リビングを出て右側の寝室の物置から敷布団一式を持ってくる。
「これに二人寝て、あと一人は楓彩のベッドで寝れば?」
と、敷布団を準備しながら提案する。
「え!? 楓彩ちゃんと!?」
小雨はものすごく嬉しそうに目をキラキラさせる。
「あ、私は敷布団がいいから」
「うん、オレも敷布団でいいよ」
ショウは一度楓彩と添い寝して痛い目を見ているから、臨は別にそういった趣味は持っていないので。
「え!?いいの!?」
「「どーぞどーぞ」」
結局、小雨は楓彩と添い寝することに
「でへへ、楓彩ちゃんの寝顔…」
小雨が、楓彩の顔を覗こうとすると、楓彩は寝返り、小雨からして、まるで天使の様な寝顔を見せる。
「きゃわゆい!!」
堪らず、小雨は人差し指で、楓彩の頬をつつく。
小雨の人差し指にまるでクッションのような、そして、しっとり濡れている感触が、包む。
「はぁあぁあ………幸せ………」
次の瞬間
「むにゃー…」
楓彩は再び寝返り、顔を隠すと同時に、綺麗な右ストレートを小雨の鼻に炸裂させる。
「ぶぎゃっ!!!!」
小雨の意識はそこで途絶えた。
と言っても、6kmは歩くのだが…。
楓彩は道案内として4人の前を先導する。
「ショウさん…大丈夫ですか? 変わりますよ?」
ショウは自分よりも大きい男を背中に背負って歩いていた。
それを見た楓彩はショウの足のことを気にして、優しく声をかける。
「大丈夫! …こんくらい…私だって、割と力あるからね…」
力のこもった、ショウの声。
「あぁ、もう! 見てらんない!」
臨はショウの背中から両手で、男を剥ぎ取り、念力で宙に浮かせる。
「こっちの方が楽でしょ!?」
「あっ! まってよ、こいつに貸しを作ろうと思ったのに!」
ショウは臨の方を向き、口を尖らせる。
「下らないこと言ってないで、どのくらい? 楓彩」
臨は念力が途切れないように注意しながら、先導している楓彩に声をかける。
「うーん、遠いですねぇ…でも、走れば3秒もかかりませんよ?」
とももを振り上げてにこやかに笑う。
「それは楓彩基準じゃん! オレ達は足が遅いから!」
そこから歩くこと1時間。
「着きましたよ…」
先導する楓彩は丹精なアパートの前で止まる。
歩いている途中で、ショウの足の状態が悪化したので、小雨におんぶしてもらっていた。
「悪いね…小雨…」
「いいって、ショウちゃん軽いし! ……でもさ、胸を揉むのはいい加減やめてもらっていい?」
その言葉通り、ショウは小雨の肩から下ろしてある両手で、小雨の巨大な胸を鷲掴みにしていた。
「いやぁごめん、丁度いい取ってがこれしか無かったから…」
さらに激しく揉みしだく。
「ひゃあん!! ちょっ! ちょっと待ってって! ショウちゃん!! く! くすぐったい!!」
小雨はショウを振り落とそうとするが、ショウの腰から何故か出ているワイヤーがしっかり固定しているため、振り落とせない。
地獄だ。
臨は冷静に、振り向いてポカンと口を開け、頬を薄く赤く染めている楓彩の目を手で覆う。
「こら、見ちゃダメでしょ」
「わぁ」
そして5人は剣得宅にお邪魔使用とするが
「……楓彩? 鍵は?」
ドアを目の前に動かなくなった楓彩にショウは小雨の背中から尋ねる。
「あはは、な、無いです」
困った表情で笑った後、俯く楓彩。
「もう…小雨? 降ろして」
「降ろそうとしてるよ」
「? あっ、ごめん」
小雨の体に巻きついているワイヤーに気づくショウ。
ショウは、ワイヤーを巻きとり自分の服の中にしまうと、右手で懐から拳銃を取り出す。
「ちょっと! ショウさん!? 鍵は壊しちゃだめです!!」
「違うよ」
ショウの手にしている銃は銀色の液体に変化すると、剣得の部屋のドアにある、鍵穴に入り込む。
そして、解錠された音がする。
「す、すごいです…」
「すごいね…ショウちゃん…」
服の中に仕込んである兵器の数といい、その兵器の性能といい、ショウの考えていることはよく分からない………天才すぎて。
「コホンッ…で、では、どうぞ中に…」
楓彩は、ドアを開け、手招きする。
「「「お邪魔しまーす」」」
3人はそう言って、楓彩が招くままにリビングに入る。
そして、楓彩は話がしやすいように、テーブルを挟んでテレビの方を向いているソファを部屋の中心に向ける。
男の意識はあるが、虫の息で、話どころではないため、小雨と楓彩は一度リビングから出て、リビングではショウとアシスタントの臨によるオペが始まった。
「小雨さん…?」
「?」
追い出された2人は出て右の部屋の寝室のベッドに並んで座っていた。
「大丈夫ですか…?」
「…大丈夫だよ…楓彩ちゃん…楓彩ちゃんも辛いのに私の心配してくれてありがとうね」
楓彩だって、本当は他人の心配をしている暇ではない。
剣得の行方がわからない今、確認できる生き残り5人の中で、一番不安なのは楓彩なのだから。
「剣得さんは…きっと大丈夫です…強いんですよ? 剣得さんは!」
と誇らしげな顔をするが、その顔は次第に悲しみを含むようになり、ついに暗い表情になってしまった。
「そうだね…剣得くんは大丈夫だね…」
小雨は包み込むように楓彩を抱きしめる。
楓彩は嫌がるどころか、小雨を抱きしめ返した。
それから30分。
オペは終わり、胸から腹にかけて、包帯を巻かれた男は、肩から黒い羽織をかけ、座って話せるまでに回復した。
「さ、もう喋れるでしょ? 話してくれる?」
ショウは圧をかけるように男の前に立つ。
その時、楓彩は家の中を歩いていた白猫──シロンを胸に抱いて、男の前にしゃがむ。
「生きてて良かったです…まずは名前を教えて下さい…」
ショウとは違って、ものすごく優しい口調で問いかける。
男は楓彩と目を合わせずに
「……い、いろは …と呼んでくれ…」
と面倒くさそうに名乗る。
「いろは さんですね…宜しくお願いします!」
にこやかに微笑みを向ける楓彩。
「いろは って女の子みたいな名前だね…」
と小馬鹿にするショウ。
すると、楓彩は振り返り
「皆さんも座ってくださいよ…落ち着かないじゃないですか…あと、ショウさん? 人の名前をバカにしちゃいけませんよ?」
軽くショウを睨む楓彩。
残りの3人はそのまま床に腰を降ろす。
「さてと、いろは ? 話してくれる?」
いろは に向き直って問いかけるショウ。
「あぁ、そうだな、唐突だが、お前らの頭、王志剣得はSABERの手に堕ちたぞ…俺も裏切り者として、王志に殺されかけた」
「「「「っ!!」」」」
4人はその衝撃に一気に無言になる。
「コードネーム─ダイヤ、そいつの能力だ…M、厄介だな…」
「治す!! 治す方法は!!??」
楓彩は いろは の両肩を掴み、抱いていた猫はリビングの外に出ていった。
「教えて下さい!!」
「楓彩っ!!」
ショウは楓彩を男から引きはがし、抱きしめて背中を撫でる。
「落ち着いて……で? 治す方法は?」
「単純な事だ、能力者を殺す…もしくは能力を解かせる…この二つだ」
楓彩は体から力を抜き、その場に座り込む。
ショウもそれに合わせて座り込む。
「じゃあ…今すぐ行きましょう…」
楓彩はさっきとは打って変わって低いトーンで話す。
「無理だ、お前らの戦力では数に圧倒される…それに王志剣得を止められる奴がいるのか? それだけではない、精神が脆いものはダイヤの餌食になり、敵を増やすだけだ…今は待て」
そして、訪れる沈黙。
「ま、まぁ…みんな? お腹すいてるでしょ? ご飯にしよ? ね? 臨? 宜しく…」
数分の沈黙を破ったのは小雨だった。
「オレ任せかよ…小雨も手伝って…」
「はーい」
小雨と臨は台所へ向かう。
包丁が入ってるであろう棚を開けると、鍵付きのケースに包丁が入っていた。
「なにこれ…小雨、よろしく」
「はいよー」
小雨はその鍵に触れ、鉄の部分を溶かし、解錠する。
一方、楓彩は無言のまま、いつも食事をとる時に座る席に座り、腕枕をつくって伏せてしまった。
ショウは顎に手を当て、今後の方針を深く考えていた。
それからしばらくして、臨と小雨手製のお好み焼きが登場する。
臨が素をボウルに入れて少し重そうに運んで来ると食卓に置く。
5人前以上はある量だ。
「いやぁ、食材がこんなもんしか無くてねぇ、どんどん食べてくれよー」
と、小雨は鉄板を持ってくると、食卓の真ん中に置き、電源を入れ、油を引く。
妙に慣れた手際の良さだ。
そして、食事の時も楓彩はくらい表情のまま、3人前は食い尽くし、ショウは考え事をしながら、臨は男の方に運ぶため何度も立ち上がりながら、小雨はどこかの店の店主のようにお好み焼きを焼きながらの食事だった。
4人の女性は順番に…もとい、小雨と楓彩は同時に風呂を済ませる。
そして午後9時を周り、楓彩はテーブルの上で伏せて寝てしまったので、臨とショウは協力して楓彩を寝室のベッドに運び寝かせる。
「ねぇ、楓彩ちゃんどうしたの?」
リビングに戻ると、小雨は心配そうに尋ねてくる。
「あぁ、確時睡眠症っていって、午後9時になると寝ちゃう病気なんだよ……って知らなかった?」
ショウは的確に答える。
「へぇ、で? 私たちどこで寝る?」
と、その時
「なぁ、悪いんだけど、俺も眠くなった…ここで構わないか?」
いろは は既に閉じそうな目で訴える。
すると、ショウは
「あ、あぁ、いろは はもともと、そこで寝かせるつもりだったから…構わないよ?」
「ふわぁぁ、悪いな…」
いろは はそのままソファに横になると間もなくして寝息を立て始めた。
そして、ショウと小雨と臨は部屋の中心で話し合いを始める。
「敷布団なら一つだけあるけど……」
ショウはそういって、リビングを出て右側の寝室の物置から敷布団一式を持ってくる。
「これに二人寝て、あと一人は楓彩のベッドで寝れば?」
と、敷布団を準備しながら提案する。
「え!? 楓彩ちゃんと!?」
小雨はものすごく嬉しそうに目をキラキラさせる。
「あ、私は敷布団がいいから」
「うん、オレも敷布団でいいよ」
ショウは一度楓彩と添い寝して痛い目を見ているから、臨は別にそういった趣味は持っていないので。
「え!?いいの!?」
「「どーぞどーぞ」」
結局、小雨は楓彩と添い寝することに
「でへへ、楓彩ちゃんの寝顔…」
小雨が、楓彩の顔を覗こうとすると、楓彩は寝返り、小雨からして、まるで天使の様な寝顔を見せる。
「きゃわゆい!!」
堪らず、小雨は人差し指で、楓彩の頬をつつく。
小雨の人差し指にまるでクッションのような、そして、しっとり濡れている感触が、包む。
「はぁあぁあ………幸せ………」
次の瞬間
「むにゃー…」
楓彩は再び寝返り、顔を隠すと同時に、綺麗な右ストレートを小雨の鼻に炸裂させる。
「ぶぎゃっ!!!!」
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