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夢が叶うなら
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チャイムが鳴った。
静まりかえった、マンションの一室に、甲高い、黄色い音が鳴り響く。
僕はベッドから抜け出せない。
共働きの両親のため、この家には僕以外誰もいない。
西向きのガラス戸から、差し込むオレンジ色の光がカーテンの隙間から僕を明るく照らす。だが、僕にとってそれは、眩しすぎるぐらいだった。
たとえ、宅急便であっても、Amazonであっても、僕は玄関の扉を開けなければならない。
それが、今の僕にとって、〟とても辛い〟ことなのだ。
諦めたように僕は身体をずらし、脚をベッドから投げ出して、立ち上がる。
そろりそろりと、玄関まで行き、そしてドアの覗き穴を見る。
僕は固まってしまった。
そこにいたのは、クラスの美女、〟桐山美麗(きりやま みれい)〟だったからだ。
何故、何故、彼女がいる。
一体何故……??
そんな思考を巡らせていると、桐山美麗が、ドアをドンドンと叩く。
僕はビックリして、後ろに体勢が傾いで、尻餅をついた。
「山岸! そこにいるのは分かってるのよ! 早く開けなさい!」
あまりにも、やかましすぎる、桐山美麗の声と玄関のドアを叩く音。
高級マンションの生活に、そぐわない彼女の行動に、僕はあっけにとられると同時に、近所迷惑になってはいけないと思い、言葉をかける。
「分かったから! 分かったから! 止めて!」
それを聞いた桐山美麗は、静かになった。
僕はおそるおそる、覗き穴を見る。
何故か、にんまりと気持ちよすぎることが気持ち悪いぐらいの笑みをこぼしている。
僕はおそるおそる金属製のドアを開ける。
桐山美麗は制服姿だった。
長くて艶のあるストレートの黒髪を腰のあたりまでのばし、均整のとれた、理想的な美貌を僕に見せつけてくる。
「……何しにきたの?」
「プリントよ」
「じゃあ、もらうから早く帰ってよ」
それを聞くと、桐山美麗はニンマリと笑って、勝手にローファーを脱ぎ、部屋に入っていく。
「あんた、どうせ文化祭来ないでしょ? ちょっとお邪魔させてもらおうかな?」
だが、僕は心臓が爆発しそうになった。
僕以外誰もいないこの家に、美麗と一緒……。
僕の嫌らしい気持ちが爆発しそうになる。だが、僕はそんなことはどこかに追いやった。
帰ってもらおう。ちゃんと説明したら、普通の女子は帰るはずだ。
「桐山さん。今、家には僕しかいないんだ。だから帰ってよ!」
だが、桐山美麗は美しい目尻を妖艶に下げて言った。
「だから?」
「……」
この子の大胆さにはぐうの音もでない。
そして仕方なく、自分の部屋に入れた(勝手に入っていった)。
桐山美麗は僕の部屋を見渡している。
最近はエロ動画も全てスマホで見てるので、別に見られて恥ずかしい物はない。
すると、桐山美麗はすっと僕の本棚から、手を伸ばした。
「宇宙の物質と起源?」
目を輝かせながら、僕の本棚に埋め尽くされた科学書を眺めている。
「桐山さんは、科学が好きなの?」
すると、桐山美麗は無表情に僕に言った。
「全然」
「……」
ほんとに何しに来た?
僕はちゃぶ台の前にあぐらをかく、桐山美麗に茶菓子とコーヒーを持って行く。
ティーカップの柄を指で軽く握り、桐山美麗はゆっくりとコーヒーを飲んでいる。
「……飲んだら帰ってよ」
それを聞いたら、桐山美麗はティーカップをソーサーの上に置いた。
「学校来なよ」
「嫌だ」
そうか、分かった。やはり先生か誰かに、これを言うように桐山美麗はお願いされたのだ。結局、ただの催促だったのだ。
「いいから来なよ! 文化祭も! 来なきゃどうするのよ?」
しかし、その言葉に僕はカチンとした。
どうせ、生徒指導か担任に言われただけなのに、僕の気もしらないで勝手なことを言いやがって!
「桐山さんにはイジメられている僕の気持ちなんて分からないよッッ!!」
僕は思わず叫んでしまっていた。
すぐにハッとなって、近所迷惑を考える。
「……」
僕の血相を変えた顔と、気迫に桐山美麗は負けたのか、押し黙った。
しかし、すぐに表情を変えて、僕に言う。
「じゃあ、こうしようか? あんたが高校に来たら、一つだけ私がなんでも願いを聞いてあげるよ」
「は?」
僕は目が点になった。
何を言っているのか、分からない。
そうして、僕が固まっていると、彼女は、悪戯っけたっぷりに言う。
「いいよ、別にセックスでも、おっぱい揉みたいでもなんでも」
美麗はわざと胸を張り、大きくて形の良い、胸を強調させるようにする。
その、小悪魔のような表情に僕は思わず、鼻血が出そうになってしまった。
だが、僕は首を大きく振る。
からかっているんだ。彼女はきっと僕をからかって遊んでいるんだ。
「馬鹿にしないでよ! 僕が陰キャでイジメられっ子だからって、遊ばないで!」
しかし、今度は真面目な顔をして桐山美麗は言う。
「遊んでないよ。いいよ。聞いてあげる」
「……」
読めなかった。桐山美麗の心が……。
だが、僕は試しに言ってみたくなった。
もし、遊ばれているなら、それでもいい。だが、スポーツ万能で、明るくて、その上、非の打ち所のない美貌を持った、美少女がこう言っているのだ。
試しに言ってみたらどうだろうか?
そう思い、意を決して言った。
「じゃあ、付き合ってよ。僕と」
「……」
桐山美麗は沈黙した。
その反応を見て、僕はやはりなと思う。
遊ばれていたのだ。ただ、少し無警戒だが、僕の部屋に上がってきた、その大胆過ぎる行動は何も僕のことを気にかけていた訳ではない。
ただ、それも含めて遊ばれていた。それだけのこと。
「もう! もう! 帰ってよ!」
僕は強く目を瞑った。
そんな僕の様子を見た、桐山美麗は静かに言った。
「それでいいの?」
耳が疑いたくなるような、彼女の言葉。
「え……」
「だから、それでいいの?」
桐山美麗は僕の姿をその大きな瞳に映すように言う。
「こんなに勉強の本、科学書に囲まれているのよ。あんた。あんた、学者になりたいんでしょ?」
僕は一瞬ハッとした。
しかし、そんなことは桐山美麗には関係ない。
「桐山さんが、その願いを叶えられるって言うの? 無理だよ。本当にほっといてよ!」
僕は自分の中から、腹にたまる何かを吐き出すように言い放ってしまった。
「明日、また来るよ、考えておいて」
桐山美麗はゆっくりと立ち上がり、そして独りでに部屋から出て行って、帰っていった。
部屋に残されたのは、僕と僕の儚い願いだけが、風前の灯火のように不安げに存在していた。
次の日、桐山美麗は本当に来た。
僕の願いは決まっていた。
昨日、寝ずに一晩中考えた。
もし、本当に、桐山美麗が来て、僕の願いを聞いてくれるならこれしかない。
あまり、他人にお願いしたいことではなかった。
でも、僕一人では何もできない。
イジメがのしかかる重圧。それは僕一人ではもう、どうにもならなかったからだ。
「イジメをやめさせてください」
桐山美麗は美しい笑みを零した。
「うん」
何故か頬を赤く染めたように感じる。
「学校来て、いっぱい勉強しなよ。学者になるんだろ?」
「……お願いします」
「十日、十日後、学校に来な」
昨日とは違って、長い髪をまとめてポニーテール姿の背中を見せつけながら桐山美麗はそれだけ言って去って言った。
僕は再び、高校に赴く。
朝、母さんにまた学校に行くと言ったら、すごく心配された。
両親はイジメを受けていることを知っているため、別に学校を行くことを強要していないどころか、僕の状況を理解してくれていた。
だから、嬉しい反面、心配が強く顔に出ていたと思う。
だが、僕は詳しいことを説明しなかったが、桐山美麗を信じていた。
あの、彼女の表情と言葉は信用できる。
そう、強く信じることができた。
そして、教室の前の引き戸の前に立つ。
登校中と、昇降口からここまでは何の問題もなかった。
学校全体がイジメているというよりかは、イジメはクラスが中心であったため、その点はそこまで問題でなかったのかもしれない。
だが、本当の障害はこのドアを開けてからだ。
僕は目を瞑って、ドアを勢いよく開けた。
クラスメートの注目が僕に集まる。
だが、誰も、僕を一瞬見るだけで、誰も相手しようとしない。
僕は自分の机に座り、鞄から教科書を取り出す。
相手されない。
これは本当だったのか? とバクバクする心臓を必死に抑えていると、ガラッとドアが元気よく開かれた。
太陽のような明るい、桐山美麗だった。
彼女は眩しいほど、鮮明な朝日を浴びながら、両手両足をきびきび動かして、僕の机の前に立つ。
「あのさ」
桐山美麗が腰に手を当てて、偉そうに立っている。
「何?」
「あのさ、私達付き合うことになったから」
「え……」
予想外の言動に、意表を突かれるどころか、腰を抜かしそうになった。
「そうまでしないと、イジメ止められなかったの? 不満?」
「ふ……不満なんて……」
桐山美麗は、はち切れんばかりの笑みを僕に向ける。
「私は頑張っている人、嫌いじゃないよ。私が彼女になって勉強に集中できなかったら即座にフルからそのつもりで」
「……」
僕は辺りを見渡す。
さすがに、衆目を集めている。だが、やはりよそよそしい。
桐山美麗はすぐに僕の下から去る。そしてすぐに、他の女子や男子と談笑している。
その姿を眺めていると、僕の心がつぶやいた。
――色々、時間がかかりそうだな。
静まりかえった、マンションの一室に、甲高い、黄色い音が鳴り響く。
僕はベッドから抜け出せない。
共働きの両親のため、この家には僕以外誰もいない。
西向きのガラス戸から、差し込むオレンジ色の光がカーテンの隙間から僕を明るく照らす。だが、僕にとってそれは、眩しすぎるぐらいだった。
たとえ、宅急便であっても、Amazonであっても、僕は玄関の扉を開けなければならない。
それが、今の僕にとって、〟とても辛い〟ことなのだ。
諦めたように僕は身体をずらし、脚をベッドから投げ出して、立ち上がる。
そろりそろりと、玄関まで行き、そしてドアの覗き穴を見る。
僕は固まってしまった。
そこにいたのは、クラスの美女、〟桐山美麗(きりやま みれい)〟だったからだ。
何故、何故、彼女がいる。
一体何故……??
そんな思考を巡らせていると、桐山美麗が、ドアをドンドンと叩く。
僕はビックリして、後ろに体勢が傾いで、尻餅をついた。
「山岸! そこにいるのは分かってるのよ! 早く開けなさい!」
あまりにも、やかましすぎる、桐山美麗の声と玄関のドアを叩く音。
高級マンションの生活に、そぐわない彼女の行動に、僕はあっけにとられると同時に、近所迷惑になってはいけないと思い、言葉をかける。
「分かったから! 分かったから! 止めて!」
それを聞いた桐山美麗は、静かになった。
僕はおそるおそる、覗き穴を見る。
何故か、にんまりと気持ちよすぎることが気持ち悪いぐらいの笑みをこぼしている。
僕はおそるおそる金属製のドアを開ける。
桐山美麗は制服姿だった。
長くて艶のあるストレートの黒髪を腰のあたりまでのばし、均整のとれた、理想的な美貌を僕に見せつけてくる。
「……何しにきたの?」
「プリントよ」
「じゃあ、もらうから早く帰ってよ」
それを聞くと、桐山美麗はニンマリと笑って、勝手にローファーを脱ぎ、部屋に入っていく。
「あんた、どうせ文化祭来ないでしょ? ちょっとお邪魔させてもらおうかな?」
だが、僕は心臓が爆発しそうになった。
僕以外誰もいないこの家に、美麗と一緒……。
僕の嫌らしい気持ちが爆発しそうになる。だが、僕はそんなことはどこかに追いやった。
帰ってもらおう。ちゃんと説明したら、普通の女子は帰るはずだ。
「桐山さん。今、家には僕しかいないんだ。だから帰ってよ!」
だが、桐山美麗は美しい目尻を妖艶に下げて言った。
「だから?」
「……」
この子の大胆さにはぐうの音もでない。
そして仕方なく、自分の部屋に入れた(勝手に入っていった)。
桐山美麗は僕の部屋を見渡している。
最近はエロ動画も全てスマホで見てるので、別に見られて恥ずかしい物はない。
すると、桐山美麗はすっと僕の本棚から、手を伸ばした。
「宇宙の物質と起源?」
目を輝かせながら、僕の本棚に埋め尽くされた科学書を眺めている。
「桐山さんは、科学が好きなの?」
すると、桐山美麗は無表情に僕に言った。
「全然」
「……」
ほんとに何しに来た?
僕はちゃぶ台の前にあぐらをかく、桐山美麗に茶菓子とコーヒーを持って行く。
ティーカップの柄を指で軽く握り、桐山美麗はゆっくりとコーヒーを飲んでいる。
「……飲んだら帰ってよ」
それを聞いたら、桐山美麗はティーカップをソーサーの上に置いた。
「学校来なよ」
「嫌だ」
そうか、分かった。やはり先生か誰かに、これを言うように桐山美麗はお願いされたのだ。結局、ただの催促だったのだ。
「いいから来なよ! 文化祭も! 来なきゃどうするのよ?」
しかし、その言葉に僕はカチンとした。
どうせ、生徒指導か担任に言われただけなのに、僕の気もしらないで勝手なことを言いやがって!
「桐山さんにはイジメられている僕の気持ちなんて分からないよッッ!!」
僕は思わず叫んでしまっていた。
すぐにハッとなって、近所迷惑を考える。
「……」
僕の血相を変えた顔と、気迫に桐山美麗は負けたのか、押し黙った。
しかし、すぐに表情を変えて、僕に言う。
「じゃあ、こうしようか? あんたが高校に来たら、一つだけ私がなんでも願いを聞いてあげるよ」
「は?」
僕は目が点になった。
何を言っているのか、分からない。
そうして、僕が固まっていると、彼女は、悪戯っけたっぷりに言う。
「いいよ、別にセックスでも、おっぱい揉みたいでもなんでも」
美麗はわざと胸を張り、大きくて形の良い、胸を強調させるようにする。
その、小悪魔のような表情に僕は思わず、鼻血が出そうになってしまった。
だが、僕は首を大きく振る。
からかっているんだ。彼女はきっと僕をからかって遊んでいるんだ。
「馬鹿にしないでよ! 僕が陰キャでイジメられっ子だからって、遊ばないで!」
しかし、今度は真面目な顔をして桐山美麗は言う。
「遊んでないよ。いいよ。聞いてあげる」
「……」
読めなかった。桐山美麗の心が……。
だが、僕は試しに言ってみたくなった。
もし、遊ばれているなら、それでもいい。だが、スポーツ万能で、明るくて、その上、非の打ち所のない美貌を持った、美少女がこう言っているのだ。
試しに言ってみたらどうだろうか?
そう思い、意を決して言った。
「じゃあ、付き合ってよ。僕と」
「……」
桐山美麗は沈黙した。
その反応を見て、僕はやはりなと思う。
遊ばれていたのだ。ただ、少し無警戒だが、僕の部屋に上がってきた、その大胆過ぎる行動は何も僕のことを気にかけていた訳ではない。
ただ、それも含めて遊ばれていた。それだけのこと。
「もう! もう! 帰ってよ!」
僕は強く目を瞑った。
そんな僕の様子を見た、桐山美麗は静かに言った。
「それでいいの?」
耳が疑いたくなるような、彼女の言葉。
「え……」
「だから、それでいいの?」
桐山美麗は僕の姿をその大きな瞳に映すように言う。
「こんなに勉強の本、科学書に囲まれているのよ。あんた。あんた、学者になりたいんでしょ?」
僕は一瞬ハッとした。
しかし、そんなことは桐山美麗には関係ない。
「桐山さんが、その願いを叶えられるって言うの? 無理だよ。本当にほっといてよ!」
僕は自分の中から、腹にたまる何かを吐き出すように言い放ってしまった。
「明日、また来るよ、考えておいて」
桐山美麗はゆっくりと立ち上がり、そして独りでに部屋から出て行って、帰っていった。
部屋に残されたのは、僕と僕の儚い願いだけが、風前の灯火のように不安げに存在していた。
次の日、桐山美麗は本当に来た。
僕の願いは決まっていた。
昨日、寝ずに一晩中考えた。
もし、本当に、桐山美麗が来て、僕の願いを聞いてくれるならこれしかない。
あまり、他人にお願いしたいことではなかった。
でも、僕一人では何もできない。
イジメがのしかかる重圧。それは僕一人ではもう、どうにもならなかったからだ。
「イジメをやめさせてください」
桐山美麗は美しい笑みを零した。
「うん」
何故か頬を赤く染めたように感じる。
「学校来て、いっぱい勉強しなよ。学者になるんだろ?」
「……お願いします」
「十日、十日後、学校に来な」
昨日とは違って、長い髪をまとめてポニーテール姿の背中を見せつけながら桐山美麗はそれだけ言って去って言った。
僕は再び、高校に赴く。
朝、母さんにまた学校に行くと言ったら、すごく心配された。
両親はイジメを受けていることを知っているため、別に学校を行くことを強要していないどころか、僕の状況を理解してくれていた。
だから、嬉しい反面、心配が強く顔に出ていたと思う。
だが、僕は詳しいことを説明しなかったが、桐山美麗を信じていた。
あの、彼女の表情と言葉は信用できる。
そう、強く信じることができた。
そして、教室の前の引き戸の前に立つ。
登校中と、昇降口からここまでは何の問題もなかった。
学校全体がイジメているというよりかは、イジメはクラスが中心であったため、その点はそこまで問題でなかったのかもしれない。
だが、本当の障害はこのドアを開けてからだ。
僕は目を瞑って、ドアを勢いよく開けた。
クラスメートの注目が僕に集まる。
だが、誰も、僕を一瞬見るだけで、誰も相手しようとしない。
僕は自分の机に座り、鞄から教科書を取り出す。
相手されない。
これは本当だったのか? とバクバクする心臓を必死に抑えていると、ガラッとドアが元気よく開かれた。
太陽のような明るい、桐山美麗だった。
彼女は眩しいほど、鮮明な朝日を浴びながら、両手両足をきびきび動かして、僕の机の前に立つ。
「あのさ」
桐山美麗が腰に手を当てて、偉そうに立っている。
「何?」
「あのさ、私達付き合うことになったから」
「え……」
予想外の言動に、意表を突かれるどころか、腰を抜かしそうになった。
「そうまでしないと、イジメ止められなかったの? 不満?」
「ふ……不満なんて……」
桐山美麗は、はち切れんばかりの笑みを僕に向ける。
「私は頑張っている人、嫌いじゃないよ。私が彼女になって勉強に集中できなかったら即座にフルからそのつもりで」
「……」
僕は辺りを見渡す。
さすがに、衆目を集めている。だが、やはりよそよそしい。
桐山美麗はすぐに僕の下から去る。そしてすぐに、他の女子や男子と談笑している。
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