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 今日はクラス別対抗魔法大会である。
 3学年、クラスごとにチームを組み、他クラスと対決するのだ。

 私とエリーは4組なので、青となった。精霊の色に分けられており、ここは地の精霊がいると言われてるので、地の精霊の色である黄、聖の精霊の色である白、火の精霊の色である赤、水の精霊の色である青の順である。

 1組に殿下はいるし、2組に公爵子息のキースさまはいるし、4組に私、侯爵令嬢である、アリアはいるしで、2、3年生たちは扱いづらそうな顔をしている。
 先程も先輩が「1年4組遅いぞ! さっさと……」まで言って私と目があった。気まずそうに「来てくださーい……」と言っていた。
 なんだか、申し訳ない。

 1組を見れば、殿下が先輩を置き去りにして、仕切っている姿を見るし、2組を見ればキース様は女の子を侍らしていた。

 はあ、とため息を吐きたくなるものである。


 男子、女子に分かれて勝負をするが、トーナメント制である。
 まず、1組対2組だ。男子たちはわらわらと、競技場の中心に集まっていく。

 勝負は自分の陣地にある宝を守り、相手の陣地の宝を自分の陣地に持ってきた方が勝ちである。
 もし、宝が相手に持っていかれても、先に自分の陣地に相手の宝を持ってこれれば勝ちである。
 時間内に決着が着かなければ、代表者同士の決闘らしい。

 先生が合図をして始まった勝負はそれは圧巻だった。
 左の方から水が濁流のように押し寄せてきたかと思えば、右の方から炎の竜巻が発生する。地面が揺れ、大きな落とし穴のようなものが出来たかと思えば、木が生え始め、すごく大きな木となって、生徒に絡みついていた。

 阿鼻叫喚のグラウンドの中で、殿下は先輩を犠牲にして前に突き進んでいるようだし、キース様は地面を積み上げ、塀を宝の周りに作って、観客席の近くまで一部の地面を上げ、女子と話して高みの見物でいる。

 一番下の階の席に座っていたためか水を思いっきり顔に被りつつ思う。

 なんだこれ……。


 1クラスの男子の人数は13人ぐらいなため、だいたい40人対40人ということになるが、それ以上の人数がいるのかと思うくらい激しい魔法のぶつかり合いだ。ちらっと聖魔法が得意であろう人が、怪我している人を治しているのをみたが、他人のことはいいから逃げて! とでも言いたくなるくらいの激しさである。
 一応先生が魔法をかけているらしく、命を落とすことはないようだが、見ているこちらが落ち着かない。

 近くの暇な大人が来ているようで、観客席では大人が叫びまくっていた。
 周りの女子もあの人がかっこいい! 素敵! と盛り上がっている。

 隣にいる筈のミリーとニーナは避けるのがうまく、全く水を被っていないのに、私は被り放題だった。すぐにニーナが乾かしてくれるが。

 そんな勝負だったが、最終的に殿下がいる1組が勝った。
 殿下に本気で突っ込んでいける人なんていなかったし、キース様は女子と話してて、塀が倒されたことに気づいていなかった。

 その後の3組対4組も激しかったが、まだ規模が小さく、水は飛んでこなかった。
 ちらっと聞こえた話しには、いつも3年生が目立つのに、今回は殿下とキース様がいたから、3年の見せ場が無かったと声が聞こえた。申し訳なさに胃が痛み始めた気がした。
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